行政法規 肢別トレーニング
居住者が、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であり、かつ、強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合において、譲渡所得の基因となる資産の譲渡をして、その譲渡に係る対価をその債務の弁済に充てたときは、その譲渡により生じた損失の金額については、譲渡所得の金額の計算上控除する。
解説
誤り。所得税法第9条第1項第10号により、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における強制換価手続による資産の譲渡による所得その他これに類するものとして政令で定める所得については、所得税を課さないとされている。本肢は「譲渡により生じた損失の金額については、譲渡所得の金額の計算上控除する」としているが、正しくは当該所得について「所得税を課さない」(非課税)とする規定であり、損失を控除するという規定ではないため誤りである。
居住者が、譲渡所得の基因となる資産を譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額で個人に譲渡した場合には、その譲渡をした日の属する年分の譲渡所得の金額の計算上、その譲渡の時における価額に相当する金額により、その資産の譲渡があったものとみなす。
解説
誤り。所得税法第59条第1項第2号により、居住者が個人に対して著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡をした場合には、時価により譲渡があったものとみなす規定がある。同法施行令第169条により「著しく低い価額」とは時価の2分の1に満たない金額をいうとされている。ただし、この低額譲渡のみなし規定は「法人に対する」譲渡の場合に適用されるものであり、「個人に対する」譲渡の場合には適用されない。本肢は「個人に譲渡した場合」としているが、個人間の低額譲渡には同規定は適用されないため誤りである。
居住者が、固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例の適用を受けて取得した固定資産を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算については、その交換により譲渡した固定資産の取得価額はその交換により取得した固定資産に引き継がれるが、その取得時期は引き継がれない。
解説
誤り。所得税法第58条は、固定資産の交換の特例の適用を受けて取得した固定資産を譲渡した場合、交換により譲渡した資産の取得価額のみならず取得時期も引き継がれると規定している。「取得時期は引き継がれない」とする本肢は誤りである。
居住者が、譲渡所得の基因となる資産を個人に対しその譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額により譲渡した場合において、その譲渡の対価の額がその資産の取得費及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないときは、その不足額は譲渡所得の金額の計算上、なかったものとみなされる。
解説
本肢は正しい。所得税法第59条第2項は、居住者が譲渡所得の基因となる資産を個人に対し、その譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額で譲渡した場合において、その譲渡の対価の額が当該資産の取得費及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないときは、その不足額(損失額)は、譲渡所得の金額の計算上、なかったものとみなすと規定している。すなわち個人間の著しい低額譲渡では生じた譲渡損失はないものとされ、他の所得との損益通算等もできない。なお時価でみなし譲渡とする第59条第1項第2号は法人に対する譲渡の場合の規定であり、本肢の個人に対する譲渡には適用されない。本肢は第59条第2項の規定どおりであり正しい。
不動産売買業を営む居住者が、火災により、主として自らの保養の用に供する目的で所有している別荘について受けた損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補塡される部分の金額を除く。)は、その者のその損失を受けた日の属する年分又はその翌年分の不動産所得の金額の計算上控除すべき金額とみなされる。
解説
本肢は誤り。主として保養の用に供する別荘は、所得税法62条1項にいう「生活に通常必要でない資産」に当たる。同条及び所得税法施行令178条によれば、こうした資産が災害等により受けた損失(保険金等で補塡される部分を除く)は、その損失を受けた日の属する年分又はその翌年分の譲渡所得の金額の計算上、控除すべき金額とみなされる。不動産所得の計算上控除される損失(同法51条)とは別の取扱いであり、本肢が「不動産所得の金額の計算上控除すべき金額とみなされる」とする点が誤りである。
居住者が、保証債務を履行するために譲渡所得の基因となる資産の譲渡をした場合において、その履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができないこととなったときは、その行使することができないこととなった金額に対応する部分の金額は、その譲渡をした日の属する年分の譲渡所得の金額の計算上、なかったものとみなされる。
解説
正しい記述。同法第64条第2項は、保証債務の履行のための資産譲渡について、求償権の全部又は一部を行使できなくなった金額に対応する部分は譲渡所得の計算上なかったものとみなすと規定している。
同一年中に短期譲渡所得の基因となる資産の譲渡と長期譲渡所得の基因となる資産の譲渡をした場合における譲渡所得の特別控除額は、それぞれの譲渡につき50万円ずつ適用し、合わせて最高100万円となる。
解説
誤り。同法第33条第3項は、譲渡所得の特別控除額は短期・長期を合わせて最高50万円と規定している。「それぞれ50万円ずつ、合わせて100万円」ではなく、全体で50万円が上限である。
居住者が、等価交換により固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例の適用を受けて取得した固定資産を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算については、その者がその取得した固定資産をその交換をした時における価額に相当する金額により取得したものとみなされる。
解説
誤り。所得税法第58条は、等価交換により固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例の適用を受けて取得した固定資産を譲渡した場合の譲渡所得の金額の計算については、その者がその取得した固定資産を「その交換の時における価額」により取得したものとみなされるのではなく、交換により譲渡した資産の取得費を引き継ぐ。本肢の記述は譲渡所得の計算方法が不正確である。
不動産賃貸業を営む居住者が、その者の主として保養の用に供している家屋を譲渡した場合には、その譲渡による所得は、不動産所得に係る収入金額とされる。
解説
誤り。所得税法第26条は、不動産賃貸業を営む居住者がその者の主として保養の用に供している家屋を譲渡した場合、その譲渡による所得は「譲渡所得」に該当する。本肢は「不動産所得に係る収入金額とされる」としており、所得の区分が誤っている。
居住者が包括遺贈のうち限定承認に係る遺贈により取得した譲渡所得の基因となる資産を譲渡した場合の譲渡所得の金額の計算については、その者が引き続きその資産を所有していたものとみなされる。
解説
本肢は誤り。所得税法第60条第1項は、贈与・相続(限定承認に係るものを除く)・遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く)により取得した資産について、その者が引き続き所有していたものとみなして取得費等を引き継ぐと定める。限定承認に係る包括遺贈はこの引継ぎから明文で除外されており、被相続人段階で時価による譲渡があったものとみなされ(第59条)、受遺者はその時価で取得したことになる。よって引継ぎを前提とする本肢は誤りである。
不動産販売業を営む居住者が、建物の全部の所有を目的とする賃借権を設定した場合において、その設定の対価として支払を受ける金額が、その賃借権に係る土地の価額の10分の5に相当する金額を超えるときは、その支払を受ける金額は譲渡所得に係る収入金額とされる。
解説
正しい。所得税法第33条は、不動産販売業を営む居住者が建物の全部の所有を目的とする賃借権を設定した場合において、その設定の対価として支払を受ける金額がその賃借権に係る土地の価額の10分の5に相当する金額を超えるときは、その支払を受ける金額は譲渡所得に係る収入金額とされる。
居住者が、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であり、かつ、強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合において、譲渡所得の基因となる資産の譲渡をして、その譲渡に係る対価をその債務の弁済に充てたときは、その譲渡により生じた損失の金額については、譲渡所得の金額の計算上、ないものとみなされる。
解説
正しい。所得税法第9条第1項第10号は、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であり、かつ強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合において、譲渡所得の基因となる資産の譲渡をしてその譲渡に係る対価をその債務の弁済に充てたときは、その譲渡により生じた損失の金額については譲渡所得の金額の計算上ないものとみなされる。
居住者が譲渡所得の基因となる資産を法人に対して贈与した場合には、その贈与の時における価額に相当する金額により、その資産の譲渡があったものとみなされる。
解説
正しい。所得税法第59条第1項第1号により、居住者が譲渡所得の基因となる資産を法人に対して贈与した場合には、その贈与の時における価額に相当する金額により資産の譲渡があったものとみなされる(みなし譲渡課税)。したがって、本肢の記述は正しい。
不動産売買業を営む居住者が、災害により、主として自らの保養の用に供する目的で所有している別荘について受けた損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補塡される部分の金額を除く。)は、その者のその損失を受けた日の属する年分の不動産所得の金額の計算上控除すべき金額とみなされる。
解説
本肢は誤り。主として保養の用に供する別荘は「生活に通常必要でない資産」に該当する。この種の資産が災害により受けた損失は、所得税法第62条第1項により、その損失を受けた日の属する年分又はその翌年分の「譲渡所得」の金額の計算上控除すべき金額とみなされるにとどまる。不動産所得の金額の計算上控除すべき金額とはみなされず、また生活に通常必要でない資産であるため雑損控除(72条)の対象にもならない。したがって、不動産所得の計算上控除されるとする本肢は誤りである。
居住者が譲渡所得の基因となる資産をその譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額で個人に譲渡した場合において、その譲渡により生じた損失の金額については、その譲渡した日の属する年分の譲渡所得の金額の計算上控除することができる。
解説
誤り。所得税法第59条第2項により、居住者が譲渡所得の基因となる資産をその時価の2分の1に満たない金額で個人に譲渡した場合、その時価に相当する金額で譲渡があったものとみなされ、損失はなかったものとされる。「控除することができる」とする本肢は誤りである。
居住者が、1年以上所有していた建物を他の者が1年以上所有していた建物と交換し、その交換により取得した建物をその交換により譲渡した建物の譲渡の直前の用途と同一の用途に供した場合において、その交換の時におけるこれらの建物の価額の差額がこれらの価額のうちいずれか多い価額の100分の20に相当する金額以下であるときは、その交換をした日の属する年分の譲渡所得の金額の計算上、その交換による建物の譲渡はなかったものとみなされる。
解説
正しい。所得税法第58条第1項により、1年以上所有の固定資産を他の者の1年以上所有の同種資産と交換し、譲渡資産と同一用途に供した場合において、交換時の価額の差額がいずれか多い方の100分の20以下であるときは、その交換による建物の譲渡はなかったものとみなされる(交換の特例)。
不動産売買業を営む居住者がその者の居住の用に供している家屋及びその敷地の用に供している土地を譲渡した場合には、その譲渡金額は、棚卸資産である家屋及び土地を譲渡した場合と同様に、事業所得に係る収入金額とされる。
解説
誤り。不動産売買業を営む居住者であっても、自己の居住用家屋及びその敷地の用に供している土地は棚卸資産ではなく、その譲渡は譲渡所得として取り扱われる。棚卸資産の譲渡と同様に事業所得に係る収入金額とはされない。したがって、本肢は誤りである。
居住者が、1年以上有していた建物を、他の者が1年以上有していた建物と交換し、その交換により取得した建物をその交換により譲渡した建物の譲渡の直前の用途と異なる用途に供した場合であっても、譲渡所得の金額の計算上、その建物の譲渡はなかったものとみなされる。
解説
誤り。所得税法第58条は、固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例として、交換により取得した資産を「譲渡資産の譲渡の直前の用途と同一の用途」に供した場合に譲渡がなかったものとみなすと規定している。本肢は「異なる用途に供した場合であっても」としている点で誤りである。
居住者が、他の居住者からの贈与により取得した譲渡所得の基因となる資産の譲渡をした場合における譲渡所得の金額は、その譲渡をした居住者がその贈与の前から引き続きその資産を所有していたものとみなして計算する。
解説
正しい。所得税法第60条第1項は、贈与により取得した資産を譲渡した場合、その居住者が引き続きその資産を所有していたものとみなして譲渡所得の金額を計算すると規定している。取得費や所有期間が贈与者から引き継がれる。
居住者が、譲渡所得の基因となる資産を譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額で法人に譲渡した場合には、その譲渡をした日の属する年分の譲渡所得の金額の計算上、その譲渡の時における価額に相当する金額により、その資産の譲渡があったものとみなす。
解説
正しい。所得税法第59条第1項第2号は、譲渡所得の基因となる資産を時価の2分の1に満たない金額で法人に譲渡した場合、その時における価額に相当する金額により譲渡があったものとみなすと規定している。いわゆる低額譲渡のみなし譲渡課税である。
居住者が、保証債務を履行するために譲渡所得の基因となる資産の譲渡をした場合において、その履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができないこととなったときは、その行使することができないこととなった金額に対応する部分の金額は、その譲渡をした日の属する年分の翌年分の譲渡所得の金額から控除することができる。
解説
誤り。所得税法第64条第2項は、保証債務の履行のために資産を譲渡した場合で求償権を行使できなくなったときは、その金額をなかったものとみなすと規定している。本肢は「翌年分の譲渡所得の金額から控除する」としているが、正しくは当該年分の所得計算上なかったものとみなされるのであり、翌年分からの控除ではない。
不動産売買業を営む居住者が販売の目的で所有する棚卸資産である土地や建物を譲渡したことによる所得は、譲渡所得とされる。
解説
誤り。所得税法第33条第2項第1号は、棚卸資産の譲渡その他営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得は譲渡所得に含まれないと規定している。不動産売買業者が販売目的で所有する棚卸資産の譲渡による所得は事業所得に該当する。
居住者が、譲渡所得の基因となる資産をその譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額で法人に譲渡した場合において、その譲渡により生じた損失の金額は譲渡所得の金額の計算上、なかったものとみなす。
解説
誤り。所得税法第59条第1項第2号は、譲渡所得の基因となる資産をその時における価額の2分の1に満たない金額で法人に譲渡した場合、時価による譲渡があったものとみなすと規定している。これはみなし譲渡課税であり、損失がなかったものとみなすのではない。本肢は「なかったものとみなす」としている点で誤りである。
居住者が、同一年中に短期譲渡所得の基因となる資産の譲渡と長期譲渡所得の基因となる資産の譲渡をした場合の譲渡所得の特別控除額は、まず、これらの所得に係る譲渡益のうち短期譲渡所得に係る部分の金額から控除する。
解説
本肢は正しい。所得税法第33条第5項は、譲渡益から譲渡所得の特別控除額(同条第4項により50万円)を控除する場合には、まず当該譲渡益のうち短期譲渡所得に係る部分の金額から控除すると規定している。短期分から優先的に控除する取扱いは本肢の記述と合致する。
居住者が、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であり、かつ、強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合において、譲渡所得の基因となる資産を譲渡し、その対価をその債務の弁済に充てたときは、その譲渡により生じた損失の金額については、譲渡所得の金額の計算上控除する。
解説
誤り。所得税法第9条第1項第10号は、資力喪失により債務弁済が著しく困難な場合の強制換価手続による資産の譲渡所得等を非課税所得と規定している。本肢は「譲渡所得の金額の計算上控除する」としているが、正しくは非課税とされるのであり、単なる控除ではない。本肢は誤りである。
居住者が限定承認に係る相続により取得した資産を譲渡した場合の譲渡所得の金額の計算については、その者がその資産を相続した時における価額に相当する金額により取得したものとみなす。
解説
所得税法第59条第1項は、限定承認に係る相続により資産の移転があった場合には「その時における価額に相当する金額により譲渡があったものとみなす」と規定している。したがって、取得した者は相続時の価額で取得したものとみなされる。本肢の内容は正しい。
不動産売買業を営む居住者が、火災により、主として自らの保養の用に供する目的で所有している別荘について受けた損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補塡される部分の金額を除く。)は、その者のその損失を受けた日の属する年分又はその翌年分の譲渡所得の金額の計算上控除すべき金額とみなす。
解説
所得税法第62条第1項は、生活に通常必要でない資産について災害等により受けた損失の金額を、その年分又は翌年分の譲渡所得の金額の計算上控除すべき金額とみなすと規定している。別荘は生活に通常必要でない資産に該当し、不動産売買業者であっても保養目的の別荘はこの規定の適用を受ける。本肢は正しい。
等価交換により固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例の適用を受けて取得した固定資産を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算については、居住者がその固定資産をその交換をした時における価額に相当する金額により取得したものとみなす。
解説
所得税法第58条の固定資産の交換の特例の適用を受けた場合、取得資産の取得価額は交換時の時価ではなく、譲渡資産の取得費を引き継ぐ。本肢は「交換をした時における価額に相当する金額により取得したものとみなす」としているが、取得費の引継ぎが正しいため、誤りである。
同一年中に短期譲渡所得の基因となる資産の譲渡と長期譲渡所得の基因となる資産の譲渡をした場合における譲渡所得の特別控除額は、それぞれの譲渡につき50万円ずつ適用し、合わせて最高100万円となる。
解説
所得税法第33条第3項は、譲渡所得の特別控除額を50万円と規定している。短期・長期の両方がある場合でも、控除額は合計で最高50万円であり、それぞれに50万円ずつ(合計100万円)適用されるものではない。本肢は「最高100万円」としている点で誤りである。
居住者が、譲渡所得の基因となる資産を譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額で個人に譲渡した場合には、その譲渡をした日の属する年分の譲渡所得の金額の計算上、その譲渡の時における価額に相当する金額により、その資産の譲渡があったものとみなす。
解説
所得税法第59条第2項は、個人への低額譲渡について、対価の額が取得費及び譲渡費用の合計額に満たない場合はその不足額はなかったものとみなすと規定している。本肢は「時価相当額で譲渡があったものとみなす」としているが、時価課税されるのは法人への低額譲渡の場合であり、個人への場合は異なるため、誤りである。
居住者が、1年以上所有していた建物を他の者が1年以上所有していた建物と交換し、その交換により取得した建物をその交換により譲渡した建物の譲渡の直前の用途と同一の用途に供した場合において、その交換の時におけるこれらの建物の価額の差額がこれらの価額のうちいずれか多い価額の10分の1に相当する金額であるときは、その交換をした日の属する年分の譲渡所得の金額の計算上、その交換はなかったものとみなされる。
解説
本肢は正しい。所得税法第58条は、1年以上所有していた固定資産を他の者が1年以上所有していた同種の固定資産と交換し、同一用途に供した場合は譲渡がなかったものとみなすと規定する。ただし差額が多い方の価額の20%を超える場合は適用されない。本肢の差額は10%で20%以内のため特例が適用される。
居住者が、建物又は構築物の全部の所有を目的とする賃借権の設定をした場合において、その設定の対価として支払を受ける金額が、その賃借権に係る土地の価額の10分の7に相当する金額であるときは、その金額は譲渡所得に係る収入金額とされる。
解説
本肢は正しい。所得税法第33条第1項は譲渡所得の対象に「建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定」を含めている。政令では、建物等の全部の所有を目的とする賃借権の設定で対価がその土地の価額の5割を超える場合を譲渡所得とする。本肢の10分の7は5割を超えるため譲渡所得に該当する。
居住者が、譲渡所得の基因となる資産をその譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額で個人に譲渡した場合において、その譲渡により生じた損失の金額については、譲渡所得の金額の計算上控除することができる。
解説
本肢は誤り。所得税法第59条第2項は、譲渡所得の基因となる資産を時価の2分の1未満で個人に譲渡した場合で、対価が取得費及び譲渡費用の合計に満たないときは、その不足額は「なかったものとみなす」と規定している。つまり損失は控除できず、「控除することができる」とする本肢は誤りである。
居住者が、他の者からの贈与により取得した譲渡所得の基因となる資産を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算については、その贈与の時における価額に相当する金額をその資産の取得費とみなす。
解説
本肢は誤り。所得税法第60条第1項は、贈与により取得した資産を譲渡した場合は「その者が引き続きこれを所有していたものとみなす」と規定している。これは贈与者の取得費を引き継ぐことを意味し、「贈与の時における価額を取得費とみなす」のではない。