行政法規 肢別トレーニング
相続時精算課税に係る特定贈与者に相続が開始した場合の相続税の課税価格には、その相続時精算課税の適用を受けた財産の相続開始時における価額が算入される。
解説
誤り。相続税法第21条の15及び第21条の16は、相続時精算課税に係る特定贈与者に相続が開始した場合の相続税の課税価格には、その相続時精算課税の適用を受けた財産の「贈与の時における価額」が算入されると定めている。本肢は「相続開始時における価額」としており、算入される価額の基準時が誤っている。
配偶者からの贈与により財産を取得した場合、当該贈与財産について相続時精算課税の選択をすることができる。
解説
誤り。相続税法第21条の9第1項は、相続時精算課税の適用対象は特定贈与者(60歳以上の父母又は祖父母)からの贈与に限られる。配偶者からの贈与については相続時精算課税を選択することはできない。本肢は「配偶者からの贈与により財産を取得した場合」としており、対象者が誤っている。
納付すべき贈与税額を金銭で納付することが困難である場合、その納付を困難とする金額を限度として、贈与により取得した財産をもって物納に充てることができる。
解説
本肢は誤り。物納は、納付すべき相続税額を金銭で納付することが困難であり、かつ延納によっても金銭納付が困難な場合に、一定の財産で納付することを認める制度であり(相続税法第41条第1項)、その対象は相続税に限られる。贈与税については物納の規定の適用がなく、贈与により取得した財産をもって物納に充てることはできない。本肢は贈与税につき物納できるとしている点で誤りである。
相続人が実子3人(うち1人は相続の放棄をしている。)である場合の相続税の遺産に係る基礎控除額は、4,200万円となる。
解説
誤り。相続税法第15条第1項は、相続税の遺産に係る基礎控除額を「3,000万円+600万円×法定相続人の数」と定めている。相続人が実子3人(うち1人は相続の放棄)の場合、相続の放棄をした者も法定相続人の数に含まれるため、法定相続人は3人となり、基礎控除額は3,000万円+600万円×3=4,800万円となる。本肢は「4,200万円」としており、誤りである。
相続時精算課税に係る特定贈与者が死亡した場合の相続税の課税価格には、その相続時精算課税の適用を受けた財産の贈与時における価額と相続開始時における価額とのいずれか低い価額が算入される。
解説
誤り。相続税法第21条の15第1項により、相続時精算課税に係る特定贈与者が死亡した場合の相続税の課税価格に算入されるのは「贈与時における価額」であり、贈与時と相続開始時の「いずれか低い価額」ではない。したがって、本肢は誤りである。
相続時精算課税の選択をした者は、当初から相続時精算課税の選択をしなかったものとして贈与税の修正申告を行うことにより、相続時精算課税の選択を撤回することができる。
解説
誤り。相続税法第21条の9第6項により、相続時精算課税の選択は一度行うと撤回することができない。修正申告により選択をなかったものとすることも認められていない。したがって、本肢は誤りである。
婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産の贈与を受けた者が贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、贈与の年の翌年3月15日までにその居住用不動産を居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みであることを要する。
解説
正しい。相続税法第21条の6第1項により、婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産の贈与を受けた者が配偶者控除の適用を受けるには、贈与の年の翌年3月15日までにその居住用不動産を居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みであることが要件とされている。
相続人が実子1人及び養子3人である場合には、相続税の遺産に係る基礎控除額は3,000万円と600万円に被相続人の相続人の数である4を乗じて算出した金額との合計額である5,400万円となる。
解説
誤り。相続税法第15条第2項により、法定相続人の数に算入できる養子の数は、実子がいる場合は1人までとされている。本肢では実子1人がいるため、養子3人のうち1人のみが法定相続人の数に算入される。したがって、法定相続人の数は2人(実子1人+養子1人)となり、基礎控除額は3,000万円+600万円×2=4,200万円となる。
相続時精算課税の適用を受けた者は、特定贈与者が死亡した場合には、その特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得しなかった場合でも、必ず相続税の申告をしなければならない。
解説
誤り。相続税法第21条の17により、相続時精算課税の適用を受けた者は特定贈与者の死亡時に相続税の申告が必要となるが、相続税の課税価格が基礎控除額以下であるなど申告義務が生じない場合もある。「必ず」申告しなければならないとする本肢は誤りである。
相続税の遺産に係る基礎控除額の計算において、相続人が実子3人である場合には、基礎控除額は8,000万円となる。
解説
誤り。相続税法第15条の遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」である。実子3人の場合、3,000万円+600万円×3=4,800万円が基礎控除額となる。本肢は「8,000万円」としている点で誤りである。
贈与税の配偶者控除の適用対象となる財産には、居住用不動産だけでなく、居住用不動産を購入するための金銭も含まれる。
解説
正しい。相続税法第21条の6は、贈与税の配偶者控除の対象となる財産として「居住用不動産又は金銭」を規定している。居住用不動産を購入するための金銭も対象に含まれるため、本肢の内容は正しい。
子が親からの贈与により財産を取得した場合、その贈与があった年の1月1日においてその親が60歳以上であれば、その子の年齢にかかわらず、当該贈与財産について相続時精算課税制度を選択することができる。
解説
誤り。相続税法第21条の9は、相続時精算課税制度の適用要件として、受贈者がその年1月1日において18歳以上であることを求めている。本肢は「その子の年齢にかかわらず」としているが、受贈者の年齢要件が存在するため誤りである。
父母双方から同年中に財産の贈与を受けた者が、当該財産についてその年からそれぞれ相続時精算課税制度を選択する場合には、その年分の贈与税の課税価格から控除する特別控除額は最大で2,500万円となる。
解説
誤り。相続税法第21条の12の特別控除額2,500万円は「特定贈与者ごと」に適用される。父母双方からそれぞれ相続時精算課税を選択した場合、特別控除額は父分2,500万円+母分2,500万円=最大5,000万円となる。本肢は「最大で2,500万円」としている点で誤りである。
相続時精算課税に係る特定贈与者が死亡した場合の相続税の課税価格には、当該特定贈与者からの贈与により取得した財産の価額で贈与税の課税価格に算入されたもののうち、特別控除額までの金額は加算されない。
解説
誤り。相続税法第21条の15は、特定贈与者が死亡した場合、相続時精算課税に係る贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算すると規定している。特別控除額までの金額であっても加算の対象となるため、「加算されない」とする本肢は誤りである。
贈与税の配偶者控除の適用を受けることができる居住用不動産は、日本国内(相続税法の施行地をいう。)に所在するものに限られる。
解説
相続税法第21条の6は、贈与税の配偶者控除の対象となる居住用不動産について「この法律の施行地にあるもの」すなわち日本国内に所在するものに限定している。本肢の内容はこの規定のとおりであり、正しい。
贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、贈与の年の1月1日において婚姻期間が20年以上であることを要する。
解説
相続税法第21条の6の贈与税の配偶者控除は、贈与の時点で婚姻期間が20年以上であれば適用される。本肢は「贈与の年の1月1日において」婚姻期間20年以上を要するとしているが、基準時点は贈与の時であり1月1日ではないため、誤りである。
過去に贈与税の配偶者控除の適用を受けた者は、同一の配偶者から贈与を受けた財産について再度贈与税の配偶者控除の適用を受けることはできない。
解説
相続税法第21条の6は、贈与税の配偶者控除について「その年の前年以前のいずれかの年において贈与により当該配偶者から取得した財産に係る贈与税につきこの条の規定の適用を受けた者を除く」と規定している。同一の配偶者からの贈与について再度の適用はできない。本肢は正しい。
一度相続時精算課税制度の選択をした者は、その選択を撤回することができない。
解説
相続税法第21条の9第6項は「相続時精算課税適用者は、相続時精算課税選択届出書を撤回することができない」と規定している。一度選択した相続時精算課税制度は撤回できない。本肢の内容は正しい。
相続時精算課税の適用を受ける者は、特定贈与者が死亡した場合には、その特定贈与者から相続又は遺贈により取得した財産の価額にかかわらず、相続税の申告書を提出しなければならない。
解説
本肢は誤り。相続税法第27条は、相続税の課税価格の合計額が基礎控除額を超え、かつ相続税額がある場合に申告書の提出を求めている。「財産の価額にかかわらず」提出しなければならないとする本肢は誤りであり、基礎控除以下であれば申告不要の場合がある。