行政法規 肢別トレーニング
建築主等は、事務所の増築をしようとするときは、当該事務所を建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
解説
正しい。バリアフリー法第16条第1項により、建築主等は特定建築物(事務所を含む)の建築(増築を含む)をしようとするときは、当該特定建築物を建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされている(努力義務)。
所管行政庁は、特定建築物について法第16条第1項又は第2項に規定する措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、建築主等に対し、建築物移動等円滑化基準を勘案して、特定建築物又はその建築物特定施設の設計及び施工に係る事項について必要な指導及び助言をすることができる。建築物又はその敷地には、当該建築物又はその敷地内の移動等円滑化の措置がとられたエレベーターその他の昇降機又は便所の配置を点字その他国土交通大臣が定める方法により視覚障害者に示すための設備を設けなければならない。
解説
正しい。バリアフリー法第16条第3項により、所管行政庁は特定建築物について同条第1項又は第2項の措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、建築主等に対し、建築物移動等円滑化基準を勘案して、特定建築物等の設計及び施工に係る事項について必要な指導及び助言をすることができる。
建築主等は、その所有し、管理し、又は占有する法第14条第1項の規定により建築物移動等円滑化基準に適合させた建築物について、建築物移動等円滑化基準に適合した状態に維持する必要はない。
解説
誤り。バリアフリー法第14条第5項により、建築主等は法第14条第1項の規定により建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない特別特定建築物について、建築物移動等円滑化基準に適合した状態を維持しなければならないとされている。「維持する必要はない」とする本肢は誤りである。
地方公共団体は、その地方の自然的社会的条件の特殊性により、法第14条第1項及び第2項の規定のみによっては、高齢者、障害者等が特定建築物を円滑に利用できるようにする目的を十分に達成することができないと認める場合においては、建築物移動等円滑化基準に条例で必要な事項を附加することができる。
解説
正しい。バリアフリー法第14条第3項により、地方公共団体は、その地方の自然的社会的条件の特殊性により同条第1項及び第2項の規定のみでは目的を十分に達成できないと認める場合には、条例で建築物移動等円滑化基準に必要な事項を付加することができるとされている。
建築主等は、床面積の合計が1,700平方メートルの病院について、増築に係る部分の床面積の合計が500平方メートルの増築をしようとするときは、条例で定められている場合を除き、当該病院全体を建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。
解説
誤り。バリアフリー法第14条第1項は、特別特定建築物の建築等について建築物移動等円滑化基準への適合を義務付けている。ただし、政令で定める規模は「床面積の合計二千平方メートル」であり、増築の場合は増築部分の床面積で判断する。本肢は増築部分が500平方メートルで2,000平方メートル未満であるため、基準適合義務は生じず、本肢は誤りである。
建築主等は、床面積の合計が1,800平方メートルの共同住宅を旅館に用途変更しようとするときは、条例で定められている場合を除き、当該旅館を建築物移動等円滑化基準に適合させる必要はない。
解説
正しい。バリアフリー法第14条第1項の基準適合義務は、用途変更の場合、変更に係る部分の床面積が2,000平方メートル以上の場合に適用される。本肢は共同住宅から旅館への用途変更で1,800平方メートルであり、2,000平方メートル未満であるため基準適合義務は生じない。本肢の記述は正しい。
所管行政庁は、法第14条第1項の規定により建築物移動等円滑化基準への適合義務のある映画館の所有者が当該義務に違反している事実があると認めるときは、当該所有者に対し、あらかじめ勧告を行った上で、一定の範囲内で当該映画館の使用制限を命ずることができる。
解説
誤り。バリアフリー法第15条第1項は、基準適合義務に違反している場合、所管行政庁が是正のために必要な措置を命ずることができると規定している。同条には「あらかじめ勧告を行った上で」命令するという手続規定はない。また、「使用制限」を命ずるとする規定もない。本肢はこれらの点で誤りである。
建築主等は、工場の新築をしようとするときは、当該工場を建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
解説
正しい。バリアフリー法第16条第1項は、特定建築物(特別特定建築物を除く)の建築主等に対し、建築物移動等円滑化基準に適合させるための努力義務を課している。工場は政令で特定建築物に含まれるため、努力義務が適用される。本肢の記述は正しい。
地方公共団体は、その地方の自然的社会的条件の特殊性により、法第14条第1項及び第2項の規定のみでは、高齢者、障害者等が特定建築物を円滑に利用できるようにする目的を十分に達成することができないと認める場合においては、特別特定建築物に条例で定める特定建築物を追加することができる。
解説
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)第14条第3項は、地方の自然的社会的条件の特殊性により同条第1項及び第2項のみでは目的を達成できない場合、条例で特定建築物を特別特定建築物に追加できると規定している。本肢の内容は正しい。
床面積の合計が1,500平方メートルで客室の総数が60のホテルを新築しようとするときは、条例で定められている場合を除き、車いす使用者が円滑に利用できる客室を設ける必要はない。
解説
バリアフリー法第14条第1項の基準適合義務が生じるのは床面積の合計が2,000平方メートル以上の特別特定建築物の新築等である。本肢のホテルは1,500平方メートルで2,000平方メートル未満であるため、建築物移動等円滑化基準に適合させる義務はなく、車いす使用者用客室の設置義務も生じない。本肢は正しい。
特定建築物の建築等及び維持保全の計画の認定を受けた者は、当該建築物、その敷地又はその利用に関する広告等に、当該認定を受けている旨の表示を付さなければならない。
解説
本肢は誤り。認定特定建築物の表示について定めるのはバリアフリー法第20条であり、同条は、計画の認定を受けた者は当該認定特定建築物、その敷地又はその利用に関する広告等に認定を受けている旨の表示を「付することができる」と規定する。すなわち表示は任意であって義務ではない。本肢は「表示を付さなければならない」と義務であるかのように述べている点で誤りである。
所管行政庁は、特別特定建築物(国、都道府県又は建築主事若しくは建築副主事を置く市町村の特別特定建築物を除く。)が建築物移動等円滑化基準への適合義務に違反していると認めるときは、当該建築物の建築主等に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。(改題)
解説
バリアフリー法第15条第1項は「所管行政庁は、特別特定建築物が建築物移動等円滑化基準に適合せず、これに違反していると認めるときは、建築主等に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる」と規定している。本肢の内容はこの条文のとおりであり、正しい。
建築主等は、床面積の合計が4,000平方メートルの倉庫を新築しようとするときは、当該倉庫を建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。
解説
バリアフリー法第14条第1項の基準適合義務の対象は「特別特定建築物」であり、倉庫は不特定多数の者が利用する建物ではないため特別特定建築物に該当しない。したがって、倉庫は建築物移動等円滑化基準に適合させる義務を負わず、本肢は誤りである。
建築主は、床面積3,000平方メートルの共同住宅を新築する場合、当該共同住宅を建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。
解説
本肢は誤り。バリアフリー法第14条第1項は、特別特定建築物の政令で定める規模以上の建築について建築物移動等円滑化基準への適合義務を課している。共同住宅は特定建築物に該当するが、不特定多数の者が利用する施設ではないため特別特定建築物には該当しない。特定建築物の場合は努力義務にとどまるため、義務規定である「適合させなければならない」とする本肢は誤りである。
地方公共団体は、その地方の自然的社会的条件の特殊性により、条例で建築物移動等円滑化基準を緩和することができる。
解説
本肢は誤り。バリアフリー法第14条第3項は、地方公共団体はその地方の自然的社会的条件の特殊性により必要な場合は建築物移動等円滑化基準に「条例で必要な事項を付加することができる」と規定している。基準を「緩和する」ことはできず、「付加」のみが認められている。
所管行政庁は、特定建築物の建築等及び維持保全の計画の認定を受けた建築主等が、当該認定を受けた計画に従って認定特定建築物の建築等又は維持保全を行っていないと認めるときは、当該建築主等に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
解説
本肢は正しい。バリアフリー法第21条は、認定特定建築物の建築等又は維持保全の計画の認定を受けた建築主等が当該計画に従って行っていないと認めるときは、所管行政庁はその改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができると規定しており、本肢の内容はこの規定に合致する。
所管行政庁は、特定建築物について建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、建築主等に対して必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
解説
本肢は誤り。本肢の対象は特定建築物(特別特定建築物を除く)であり、その建築主等には基準適合の努力義務が課されるにとどまる(バリアフリー法第16条第1項)。所管行政庁は、特定建築物について同条の措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは「必要な指導及び助言をすることができる」のであって(同条第3項)、「必要な措置をとるべきことを命ずることができる」のではない。命令権限が及ぶのは特別特定建築物の場合(第15条)であり、本肢は誤りである。