行政法規 肢別トレーニング
宅地建物取引業者は、自ら売主となる建物の売買を行う場合において、宅地建物取引業者ではない買主から保全措置を講ずる必要のある金額の手付金を受領する場合、手付金の保全措置の概要を、重要事項説明書に記載して説明する必要があるが、法第37条に規定する書面には記載しなくてもよい。
解説
正しい。手付金等の保全措置の概要は、宅地建物取引業法第35条第1項第10号により重要事項として説明書に記載し説明しなければならない事項であるが、契約締結後に交付する法第37条の書面の記載事項(同条参照)には含まれていない。したがって、本肢のとおり、手付金の保全措置の概要は重要事項説明書に記載・説明する必要があるが、法第37条に規定する書面には記載しなくてもよく、本肢は正しい。
宅地建物取引業者は、法第37条に規定する書面を交付するに当たり、宅地建物取引士をして、その書面に記名の上、その内容を説明させなければならない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第37条第3項では、宅地建物取引業者は同条の書面を作成したときは、宅地建物取引士をして当該書面に記名させなければならないと定めるが、その内容を『説明させる』ことまでは義務付けていない。説明義務があるのは法第35条の重要事項説明である。本肢は37条書面について取引士に『内容を説明させなければならない』とする点が誤り。記名は要するが説明は不要。
宅地建物取引業者は、建物の売買の媒介を行う場合において、私道に関する負担に関する事項について、重要事項説明書に記載して説明するとともに、法第37条に規定する書面にも記載しなければならない。
解説
誤り。私道に関する負担に関する事項は、宅地建物取引業法第35条第1項第3号により重要事項として説明書に記載・説明しなければならない事項であるが、法第37条第1項各号に掲げる37条書面の記載事項には含まれていない。本肢は私道負担を37条書面に『記載しなければならない』とする点が誤り。私道負担は重要事項説明の対象であって37条書面の必要的記載事項ではない。
宅地建物取引業者は、自ら買主として宅地の売買契約を締結する場合において、当該宅地に係る租税その他の公課に関する定めがあるときは、その内容を法第37条に規定する書面に記載しなければならないが、売主も宅地建物取引業者である場合は、当該書面を交付しなくてもよい。
解説
誤り。宅地建物取引業法第37条第1項第13号により、租税その他の公課の負担に関する定めがあるときはその内容を37条書面に記載しなければならない。自ら売買の当事者となる場合は契約の相手方に交付すべきで、相手方が宅地建物取引業者であっても交付義務は免除されない。本肢は『当該書面を交付しなくてもよい』とする点が誤り。
宅地建物取引業者がその媒介により、事業用宅地の定期賃貸借契約を公正証書によって成立させた場合、当該公正証書とは別に法第37条に規定する書面を作成するに当たって、宅地建物取引士をして記名させる必要はない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第37条第2項では、宅地建物取引業者がその媒介により貸借の契約を成立させたときは37条書面を交付しなければならないとし、同条第3項により宅地建物取引士をして記名させなければならないと定める。契約を公正証書で成立させた場合であっても、別に作成する37条書面については取引士の記名が必要である。本肢は『記名させる必要はない』とする点が誤り。
資産運用会社は、登録投資法人が投資の対象とする資産に建物が含まれる場合にあっては、宅地建物取引業法第3条第1項の免許を受けている金融商品取引業者でなければならない。
解説
正しい。投資信託及び投資法人に関する法律により、登録投資法人の資産運用会社は金融商品取引業者でなければならず、運用の対象とする資産に建物が含まれる場合には、宅地建物取引業法第3条第1項の免許(宅地建物取引業の免許)及び取引一任代理等の認可を受けている必要がある。本肢は条文の趣旨どおりである。
宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約を締結したときは、契約の相手方の求めに応じて、法第34条の2第1項に基づく書面を依頼者に交付しなければならない。
解説
宅地建物取引業法第34条の2第1項により、宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約を締結したときは、遅滞なく、法第34条の2第1項に基づく書面を作成して記名し、依頼者に交付しなければならない。本肢は「契約の相手方の求めに応じて」としているが、相手方の求めの有無にかかわらず遅滞なく交付する義務があり、誤りである。
宅地建物取引業者が、有効期間が3月を超える専任媒介契約を締結した場合、当該専任媒介契約は無効となる。
解説
宅地建物取引業法第34条の2第3項により、専任媒介契約の有効期間は3月を超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は3月とされる。本肢は「当該専任媒介契約は無効となる」としているが、契約自体が無効になるのではなく、有効期間が3月に短縮されるだけである。従って、本肢は誤りである。
宅地建物取引業者は、専任媒介契約を締結したときは、当該専任媒介契約の締結の日から14日以内に、所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。
解説
宅地建物取引業法第34条の2第5項により、宅地建物取引業者は、専任媒介契約を締結したときは、当該専任媒介契約の締結の日から7日以内(休業日を除く。)に、所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。本肢は「14日以内」としているが、専任媒介契約では7日以内であり、誤りである。なお、専属専任媒介契約では5日以内とされている。
専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を10日に1回以上報告しなければならない。
解説
宅地建物取引業法第34条の2第9項により、専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならない。本肢は「10日に1回以上」としているが、正しくは2週間に1回以上であり、誤りである。なお、専属専任媒介契約では1週間に1回以上とされている。
宅地建物取引業者は、媒介契約を締結し、依頼者に対して当該宅地又は建物を売買すべき価額又は評価額について意見を述べる場合、その根拠を明らかにしなければならない。
解説
宅地建物取引業法第34条の2第2項により、宅地建物取引業者は、媒介契約を締結し、依頼者に対して当該宅地又は建物を売買すべき価額又は評価額について意見を述べる場合、その根拠を明らかにしなければならないとされている。本肢は条文の通りであり、正しい。
宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者ではない者を相手方として、自己所有の建物の売買契約を締結する場合において、当該建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないときは、契約不適合を担保すべき責任を負う期間を当該建物の引渡しの日から1年とする特約を有効に定めることができる。
解説
誤り。宅地建物取引業法第40条第1項により、宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、民法第566条に規定する期間について、その目的物の引渡しの日から「2年以上」となる特約をする場合を除き、民法に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならないとされている。本肢は「引渡しの日から1年」としているが、これは2年未満であり買主に不利な特約となるため無効である。
宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者ではない者を相手方として、自己所有の建物の売買契約を締結する場合において、相手方の同意があるときは、手付金として、10 分の3を受領することができる。
解説
誤り。宅地建物取引業法第39条第1項により、宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができないとされている。本肢は「10分の3」としているが、正しくは「10分の2」が上限であり、相手方の同意があっても10分の2を超える手付を受領することはできないため誤りである。
宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者ではない者を相手方として、自己所有の建物の売買契約を締結しようとする場合において、建物の建築に関する工事の完了前であるときは、建築基準法第6条第1項の建築確認があった後であっても、これを締結することはできない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第36条により、宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる許可、確認等の処分で政令で定めるものがあった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物について売買契約を締結してはならないとされている。本肢は「建築確認があった後であっても、これを締結することはできない」としているが、建築確認があれば契約締結は可能であるため誤りである。
宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者を相手方として、割賦販売にて自己所有の建物の売買契約を締結する場合には、当該建物を買主に引き渡し、かつ、代金の額の10 分の3を超える額の支払を受けた後であっても、担保の目的で当該建物を譲り受けることができる。
解説
本肢は正しい。宅地建物取引業法第43条は自ら売主となる業者の所有権留保等を制限するが、同法第78条第2項により、第33条の2から第43条までの規定は宅地建物取引業者相互間の取引については適用しないとされている。本肢は買主が宅地建物取引業者であり業者間取引であるから、所有権留保等の禁止を含む8種制限は適用されない。したがって引渡し後かつ代金の10分の3を超える額の支払を受けた後であっても担保目的で当該建物を譲り受けることができ、本肢は正しい。
宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者を相手方として、自己所有の建物の売買契約を締結する場合には、宅地建物取引士をして、重要事項の説明を行わせる必要がある。
解説
誤り。宅地建物取引業法第35条第6項により、宅地建物取引業者の相手方が宅地建物取引業者である場合は、重要事項を記載した書面の交付は必要であるが、宅地建物取引士による説明は不要とされている。したがって、本肢の「重要事項の説明を行わせる必要がある」という記述は誤りである。
宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者を相手方として自ら建物の売買契約を締結する場合、法第35条の重要事項説明書を交付する必要はない。
解説
本肢は誤り。宅地建物取引業法第78条第2項は、宅建業者相互間の取引については第35条(重要事項の説明等)の規定を適用しない旨を定めている。したがって宅建業者を相手方として自ら売買契約を締結する場合、第35条の重要事項説明書の交付・説明義務は及ばず、本肢の判断の前提自体が条文と整合しない。業者間取引で適用が除外される規定の範囲を正確に押さえる必要がある。
宅地建物取引業者が、宅地建物取引業者ではない買主と自ら建物の売買契約を締結する場合、当該買主の同意があれば、債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う違約金を、代金の額の10分の2を超えて定めることができる。
解説
誤り。同法第38条第1項は、宅建業者が自ら売主となる場合、違約金と損害賠償の予定額の合計が代金の額の10分の2を超える定めをしてはならないと規定している。買主の同意があっても超えることはできない。
宅地建物取引業者がその業務に関して行う広告のうち、テレビやインターネットを利用して行うものは、新聞の折り込みチラシや配布用のチラシと異なり、法第32条に規定する誇大広告等の禁止の対象とならない。
解説
誤り。同法第32条の誇大広告等の禁止は、広告の媒体を問わず適用される。テレビやインターネットを利用した広告も新聞折り込みチラシと同様に規制の対象となる。
法第35条の重要事項の説明を行う宅地建物取引士は、事務所等に置かれる専任の宅地建物取引士である必要はない。
解説
本肢は正しい。法第35条の重要事項の説明は宅地建物取引士が行うことが義務付けられているが、その取引士は事務所等に置かれる専任の宅地建物取引士に限られない。専任の取引士の設置義務(法第31条の3)は事務所ごとの人数を確保するための規制であり、重要事項説明を誰が行うかとは別の制度である。したがって、説明を行う者が当該事務所の専任の取引士である必要はなく、宅地建物取引士であれば足りる。よって本肢は正しい。
宅地建物取引業者が、宅地建物取引業者ではない買主と自ら建物の売買契約を締結する場合、当該買主は、いかなる場所で買受けの申込みを行っていても、申込みの撤回等を行うことができる旨等を書面で告げられた日から起算して8日を経過しない間は、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除を行うことができる。
解説
誤り。同法第37条の2第1項は、クーリング・オフの規定について、事務所等で買受けの申込みをした場合は適用されないとしている。「いかなる場所」ではなく、事務所等以外の場所で申込みをした場合に限りクーリング・オフが認められる。
宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物であっても、当該宅地又は建物を取得する予約の契約であって、効力の発生が条件に係るものを締結しているときは、自ら売主となる売買契約を締結することができる。
解説
誤り。宅地建物取引業法第33条の2第1号は、宅地建物取引業者が自己の所有に属しない宅地又は建物について自ら売主となる売買契約を締結することを原則として禁止しているが、その例外として「当該宅地又は建物を取得する契約を締結しているとき」を挙げている。本肢は「効力の発生が条件に係る予約」でも可としているが、停止条件付の売買契約では例外に該当しない。
媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、当該媒介契約の目的物である宅地又は建物の売買又は交換の申込みがあったときは、その申込みがあった日から起算して8日を経過するときまでに、その旨を依頼者に報告しなければならない。
解説
本肢は誤り。宅地建物取引業法第34条の2第8項は、媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、当該媒介契約の目的物である宅地又は建物の売買又は交換の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければならないと定めている。これは依頼者が取引機会を逃さないよう速やかな情報提供を求める趣旨であり、本肢のように「8日を経過するときまでに」報告すれば足りるとする報告期限の定めは存在しない。よって報告時期を誤っている本肢は誤りである。
宅地建物取引業者は、自ら所有する建物に係る貸借の契約を締結する場合、契約の相手方に対して、当該貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、法35条の重要事項書面を交付又は電磁的方法により説明をさせなければならない。(改題)
解説
誤り。宅地建物取引業法第35条第1項は、宅地建物取引業者は宅地又は建物の売買、交換又は「貸借」の相手方等に対して重要事項を説明しなければならないと定めているが、本肢は「自ら所有する建物に係る貸借の契約を締結する場合」としている。自ら貸主となる場合は宅地建物取引業法上の「業」に該当しないため、重要事項説明の義務は生じない。
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、いかなる場合であっても、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第33条は、未完成物件の広告開始時期の制限を定めているが、開発許可等の処分があった後であれば広告をすることが可能である。本肢は「いかなる場合であっても」広告をしてはならないとしており、処分後の広告が可能である点を無視しているため誤りである。
宅地建物取引業者は、その媒介により既存の建物の売買契約が成立したときは、当該契約の各当事者に対して、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を記載した書面を交付又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供しなければならない。(改題)
解説
本肢は正しい。宅地建物取引業法第37条第1項第2号の2は、宅地建物取引業者がその媒介により建物の売買契約を成立させた場合において、当該建物が既存の建物であるときは、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を、契約の各当事者に交付すべき書面(いわゆる37条書面)に記載しなければならないと定めている。本肢の記述はこの規定に合致しており、書面の交付又は記載事項の電磁的方法による提供を要する点も正しい。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手した建物の売買を行う場合、法第35条に規定する重要事項の説明として、当該建物について耐震診断を実施した上で、その内容について説明しなければならない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第35条第1項第14号及び同法施行規則第16条の4の3第5号により、昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手した建物については、耐震診断の結果の「内容」を説明すれば足り、耐震診断を「実施した上で」説明する義務までは課されていない。耐震診断を受けていない場合はその旨の説明で足りる。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Cとの間で建物の売買を行う場合、法第35条に規定する重要事項の説明として、代金以外に授受される金銭の額について説明しなければならないが、当該金銭の授受の目的については説明する必要はない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第35条第1項第7号により、代金以外に授受される金銭の額だけでなく、当該金銭の授受の目的についても説明しなければならないとされている。本肢は「目的については説明する必要はない」としている点が誤りである。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Dとの間で建物の売買を行う場合、Dの同意があれば、Aは法第35条に規定する重要事項の説明を省略することができる。
解説
誤り。宅地建物取引業法第35条の重要事項説明は、買主の同意があっても省略することはできない。同規定は宅地建物取引業者でない買主の保護を目的とする強行規定であり、当事者間の合意による省略は認められない。したがって、本肢は誤りである。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Eとの間で建物の売買を行う場合、損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、法第37条に規定する書面にその内容を記載又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供しなければならない。(改題)
解説
正しい。宅地建物取引業法第37条第1項第8号により、損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容を同条に規定する書面に記載しなければならないとされている。したがって、本肢の記述は正しい。
宅地建物取引業者Aが、自ら貸主として、宅地建物取引業者でない借主Fとの間で建物の賃借を行う場合、AはFに対し、法第37条に規定する書面を交付又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供しなければならない。(改題)
解説
誤り。宅地建物取引業法第37条は、宅地建物取引業者が「自ら貸主」として賃貸借契約を行う場合には適用されない。同法第78条第2項により、宅地建物取引業者が自ら賃貸の当事者となる行為は宅地建物取引業に該当しないためである。したがって、本肢は誤りである。
宅地建物取引業者Aが、依頼者Bとの間で建物の売買の媒介の契約を締結したときは、遅滞なく、当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示等を記載した書面をBに交付する際、当該書面に記名押印する必要はない。(改題)
解説
誤り。宅地建物取引業法第34条の2第1項は、媒介契約を締結したときは書面を作成して「記名押印し」依頼者に交付しなければならないと規定している。本肢は「記名押印する必要はない」としている点で誤りである。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者である買主Dとの間で建物の売買を行う場合、法第35条に規定する重要事項の説明を行うに際し、宅地建物取引士に説明させる必要はない。
解説
正しい。宅地建物取引業法第35条第6項は、買主が宅地建物取引業者である場合には重要事項説明書の交付は必要であるが、宅地建物取引士による説明は不要とする旨を規定している。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者である買主Eとの間で建物の売買を行う場合、Aは当該建物の売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領してはならない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第39条の手付の額の制限等の規定は、同法第78条第2項により、宅地建物取引業者相互間の取引については適用されない。買主Eは宅地建物取引業者であるため、代金の10分の2を超える手付の受領は禁止されない。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない買主Fとの間で建物の割賦販売契約を締結する場合、Fが賦払金の支払の義務を履行しないときは、Aは10日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内に当該義務が履行されなければ、当該契約を解除できる。
解説
誤り。宅地建物取引業法第42条第1項は、割賦販売の契約解除について「30日以上の相当の期間」を定めて書面で催告しなければならないと規定している。本肢は「10日以上」としている点で誤りである。
宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所等以外の場所において、買受けの申し込みをした者は、その申込みの撤回を行うことができる旨及びその申込みの撤回を行う場合の方法について告げられた日から起算して5日を経過したときは、その申込みを撤回することができない。
解説
宅地建物取引業法第37条の2第1項は、事務所等以外の場所で買受けの申込みをした者のクーリング・オフについて「告げられた日から起算して八日を経過したとき」は撤回できないと規定している。本肢は「5日を経過したとき」としているが、正しくは8日であるため、誤りである。
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地の売買契約の締結に際して、代金の10分の2を超える額の手附を受領することができない。
解説
宅地建物取引業法第39条第1項は「宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二を超える額の手付を受領することができない」と規定している。本肢の内容はこの条文のとおりであり、正しい。
宅地建物取引業者は、自ら売主となる建物の建築に関する工事の完了前においては、いかなる場合においても当該建物の売買契約を締結してはならない。
解説
宅地建物取引業法第36条は、工事完了前の建物について必要な許可等の処分があった後でなければ売買契約を締結してはならないと規定しているが、許可等があれば工事完了前でも契約は可能である。本肢は「いかなる場合においても契約を締結してはならない」としている点で誤りである。
宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備え、従業者の氏名、住所、宅地建物取引士であるか否かの別等の事項を記載しなければならない。
解説
宅地建物取引業法第48条第3項は、従業者名簿に記載すべき事項として「氏名、証明書の番号その他国土交通省令で定める事項」を挙げている。「住所」は記載事項には含まれていない。本肢は住所も記載すべきとしている点で誤りである。
専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対して、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を1ヶ月に1回以上報告しなければならない。
解説
宅地建物取引業法第34条の2第9項は、専任媒介契約を締結した場合の業務処理状況の報告頻度を「二週間に一回以上」と規定している。本肢は「1ヶ月に1回以上」としているが、正しくは2週間に1回以上であるため、誤りである。
専任媒介契約の有効期間は、依頼者又は宅地建物取引業者の申出により、更新することができる。ただし、更新の時から3月を超えることができない。
解説
本肢は誤り。宅地建物取引業法第34条の2第4項は、専任媒介契約の有効期間について「依頼者の申出により、更新することができる」と規定している。本肢は「依頼者又は宅地建物取引業者の申出により」としているが、更新の申出ができるのは依頼者のみであり、宅地建物取引業者からの申出は認められない。
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、工事に関し必要とされる都市計画法第29条第1項又は第2項の許可、建築基準法第6条第1項の確認その他法令に基づく許可等の一定の処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき売買又は交換の媒介をしてはならない。
解説
本肢は正しい。宅地建物取引業法第36条は、工事完了前の宅地又は建物について、都市計画法の開発許可や建築基準法の確認等の処分があった後でなければ売買又は交換の媒介をしてはならないと規定している。本肢の内容はこの規定に合致する。
都道府県知事の免許を受けた者が二以上の都道府県の区域内に事務所を有することとなり、国土交通大臣の免許を受けたとき、従前の都道府県知事の免許は、引き続き有効である。
解説
本肢は誤り。宅地建物取引業法第7条は、免許換えにより国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けたときは、従前の免許は「その効力を失う」と規定している。「引き続き有効である」とする本肢は誤りである。
宅地建物取引業者は、本店の事務所に、その業務に関する帳簿を備えなければならないが、支店の事務所には帳簿を備える義務はない。
解説
本肢は誤り。宅地建物取引業法第49条は「宅地建物取引業者は…その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え」なければならないと規定している。帳簿の備付け義務は本店だけでなく全ての事務所に課されている。「支店の事務所には帳簿を備える義務はない」とする点が誤りである。
宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地又は建物を売却しようとするときは、売買契約成立前に、その相手方に対し、宅地建物取引士をして、代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあっせんの内容及び当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置について、書面を交付して説明をさせなければならない。
解説
本肢は正しい。宅地建物取引業法第35条第1項は、宅地建物取引業者は契約成立前に宅地建物取引士をして重要事項を説明させなければならないと規定し、その中に「代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置」が含まれている。本肢の内容はこの規定に合致する。