行政法規 肢別トレーニング
宅地建物取引業者が、宅地建物取引業者ではない買主と自ら建物の売買契約を締結する場合、当該買主は、いかなる場所で買受けの申込みを行っていても、申込みの撤回等を行うことができる旨等を書面で告げられた日から起算して8日を経過しない間は、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除を行うことができる。
解説
誤り。同法第37条の2第1項は、クーリング・オフの規定について、事務所等で買受けの申込みをした場合は適用されないとしている。「いかなる場所」ではなく、事務所等以外の場所で申込みをした場合に限りクーリング・オフが認められる。
宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物であっても、当該宅地又は建物を取得する予約の契約であって、効力の発生が条件に係るものを締結しているときは、自ら売主となる売買契約を締結することができる。
解説
誤り。宅地建物取引業法第33条の2第1号は、宅地建物取引業者が自己の所有に属しない宅地又は建物について自ら売主となる売買契約を締結することを原則として禁止しているが、その例外として「当該宅地又は建物を取得する契約を締結しているとき」を挙げている。本肢は「効力の発生が条件に係る予約」でも可としているが、停止条件付の売買契約では例外に該当しない。
媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、当該媒介契約の目的物である宅地又は建物の売買又は交換の申込みがあったときは、その申込みがあった日から起算して8日を経過するときまでに、その旨を依頼者に報告しなければならない。
解説
本肢は誤り。宅地建物取引業法第34条の2第8項は、媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、当該媒介契約の目的物である宅地又は建物の売買又は交換の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければならないと定めている。これは依頼者が取引機会を逃さないよう速やかな情報提供を求める趣旨であり、本肢のように「8日を経過するときまでに」報告すれば足りるとする報告期限の定めは存在しない。よって報告時期を誤っている本肢は誤りである。
宅地建物取引業者は、自ら所有する建物に係る貸借の契約を締結する場合、契約の相手方に対して、当該貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、法35条の重要事項書面を交付又は電磁的方法により説明をさせなければならない。(改題)
解説
誤り。宅地建物取引業法第35条第1項は、宅地建物取引業者は宅地又は建物の売買、交換又は「貸借」の相手方等に対して重要事項を説明しなければならないと定めているが、本肢は「自ら所有する建物に係る貸借の契約を締結する場合」としている。自ら貸主となる場合は宅地建物取引業法上の「業」に該当しないため、重要事項説明の義務は生じない。
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、いかなる場合であっても、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第33条は、未完成物件の広告開始時期の制限を定めているが、開発許可等の処分があった後であれば広告をすることが可能である。本肢は「いかなる場合であっても」広告をしてはならないとしており、処分後の広告が可能である点を無視しているため誤りである。
宅地建物取引業者は、その媒介により既存の建物の売買契約が成立したときは、当該契約の各当事者に対して、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を記載した書面を交付又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供しなければならない。(改題)
解説
本肢は正しい。宅地建物取引業法第37条第1項第2号の2は、宅地建物取引業者がその媒介により建物の売買契約を成立させた場合において、当該建物が既存の建物であるときは、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を、契約の各当事者に交付すべき書面(いわゆる37条書面)に記載しなければならないと定めている。本肢の記述はこの規定に合致しており、書面の交付又は記載事項の電磁的方法による提供を要する点も正しい。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手した建物の売買を行う場合、法第35条に規定する重要事項の説明として、当該建物について耐震診断を実施した上で、その内容について説明しなければならない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第35条第1項第14号及び同法施行規則第16条の4の3第5号により、昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手した建物については、耐震診断の結果の「内容」を説明すれば足り、耐震診断を「実施した上で」説明する義務までは課されていない。耐震診断を受けていない場合はその旨の説明で足りる。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Cとの間で建物の売買を行う場合、法第35条に規定する重要事項の説明として、代金以外に授受される金銭の額について説明しなければならないが、当該金銭の授受の目的については説明する必要はない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第35条第1項第7号により、代金以外に授受される金銭の額だけでなく、当該金銭の授受の目的についても説明しなければならないとされている。本肢は「目的については説明する必要はない」としている点が誤りである。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Dとの間で建物の売買を行う場合、Dの同意があれば、Aは法第35条に規定する重要事項の説明を省略することができる。
解説
誤り。宅地建物取引業法第35条の重要事項説明は、買主の同意があっても省略することはできない。同規定は宅地建物取引業者でない買主の保護を目的とする強行規定であり、当事者間の合意による省略は認められない。したがって、本肢は誤りである。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Eとの間で建物の売買を行う場合、損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、法第37条に規定する書面にその内容を記載又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供しなければならない。(改題)
解説
正しい。宅地建物取引業法第37条第1項第8号により、損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容を同条に規定する書面に記載しなければならないとされている。したがって、本肢の記述は正しい。
宅地建物取引業者Aが、自ら貸主として、宅地建物取引業者でない借主Fとの間で建物の賃借を行う場合、AはFに対し、法第37条に規定する書面を交付又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供しなければならない。(改題)
解説
誤り。宅地建物取引業法第37条は、宅地建物取引業者が「自ら貸主」として賃貸借契約を行う場合には適用されない。同法第78条第2項により、宅地建物取引業者が自ら賃貸の当事者となる行為は宅地建物取引業に該当しないためである。したがって、本肢は誤りである。
宅地建物取引業者Aが、依頼者Bとの間で建物の売買の媒介の契約を締結したときは、遅滞なく、当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示等を記載した書面をBに交付する際、当該書面に記名押印する必要はない。(改題)
解説
誤り。宅地建物取引業法第34条の2第1項は、媒介契約を締結したときは書面を作成して「記名押印し」依頼者に交付しなければならないと規定している。本肢は「記名押印する必要はない」としている点で誤りである。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者である買主Dとの間で建物の売買を行う場合、法第35条に規定する重要事項の説明を行うに際し、宅地建物取引士に説明させる必要はない。
解説
正しい。宅地建物取引業法第35条第6項は、買主が宅地建物取引業者である場合には重要事項説明書の交付は必要であるが、宅地建物取引士による説明は不要とする旨を規定している。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者である買主Eとの間で建物の売買を行う場合、Aは当該建物の売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領してはならない。
解説
誤り。宅地建物取引業法第39条の手付の額の制限等の規定は、同法第78条第2項により、宅地建物取引業者相互間の取引については適用されない。買主Eは宅地建物取引業者であるため、代金の10分の2を超える手付の受領は禁止されない。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない買主Fとの間で建物の割賦販売契約を締結する場合、Fが賦払金の支払の義務を履行しないときは、Aは10日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内に当該義務が履行されなければ、当該契約を解除できる。
解説
誤り。宅地建物取引業法第42条第1項は、割賦販売の契約解除について「30日以上の相当の期間」を定めて書面で催告しなければならないと規定している。本肢は「10日以上」としている点で誤りである。
宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所等以外の場所において、買受けの申し込みをした者は、その申込みの撤回を行うことができる旨及びその申込みの撤回を行う場合の方法について告げられた日から起算して5日を経過したときは、その申込みを撤回することができない。
解説
宅地建物取引業法第37条の2第1項は、事務所等以外の場所で買受けの申込みをした者のクーリング・オフについて「告げられた日から起算して八日を経過したとき」は撤回できないと規定している。本肢は「5日を経過したとき」としているが、正しくは8日であるため、誤りである。
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地の売買契約の締結に際して、代金の10分の2を超える額の手附を受領することができない。
解説
宅地建物取引業法第39条第1項は「宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二を超える額の手付を受領することができない」と規定している。本肢の内容はこの条文のとおりであり、正しい。
宅地建物取引業者は、自ら売主となる建物の建築に関する工事の完了前においては、いかなる場合においても当該建物の売買契約を締結してはならない。
解説
宅地建物取引業法第36条は、工事完了前の建物について必要な許可等の処分があった後でなければ売買契約を締結してはならないと規定しているが、許可等があれば工事完了前でも契約は可能である。本肢は「いかなる場合においても契約を締結してはならない」としている点で誤りである。
宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備え、従業者の氏名、住所、宅地建物取引士であるか否かの別等の事項を記載しなければならない。
解説
宅地建物取引業法第48条第3項は、従業者名簿に記載すべき事項として「氏名、証明書の番号その他国土交通省令で定める事項」を挙げている。「住所」は記載事項には含まれていない。本肢は住所も記載すべきとしている点で誤りである。
専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対して、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を1ヶ月に1回以上報告しなければならない。
解説
宅地建物取引業法第34条の2第9項は、専任媒介契約を締結した場合の業務処理状況の報告頻度を「二週間に一回以上」と規定している。本肢は「1ヶ月に1回以上」としているが、正しくは2週間に1回以上であるため、誤りである。
専任媒介契約の有効期間は、依頼者又は宅地建物取引業者の申出により、更新することができる。ただし、更新の時から3月を超えることができない。
解説
本肢は誤り。宅地建物取引業法第34条の2第4項は、専任媒介契約の有効期間について「依頼者の申出により、更新することができる」と規定している。本肢は「依頼者又は宅地建物取引業者の申出により」としているが、更新の申出ができるのは依頼者のみであり、宅地建物取引業者からの申出は認められない。
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、工事に関し必要とされる都市計画法第29条第1項又は第2項の許可、建築基準法第6条第1項の確認その他法令に基づく許可等の一定の処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき売買又は交換の媒介をしてはならない。
解説
本肢は正しい。宅地建物取引業法第36条は、工事完了前の宅地又は建物について、都市計画法の開発許可や建築基準法の確認等の処分があった後でなければ売買又は交換の媒介をしてはならないと規定している。本肢の内容はこの規定に合致する。
都道府県知事の免許を受けた者が二以上の都道府県の区域内に事務所を有することとなり、国土交通大臣の免許を受けたとき、従前の都道府県知事の免許は、引き続き有効である。
解説
本肢は誤り。宅地建物取引業法第7条は、免許換えにより国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けたときは、従前の免許は「その効力を失う」と規定している。「引き続き有効である」とする本肢は誤りである。
宅地建物取引業者は、本店の事務所に、その業務に関する帳簿を備えなければならないが、支店の事務所には帳簿を備える義務はない。
解説
本肢は誤り。宅地建物取引業法第49条は「宅地建物取引業者は…その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え」なければならないと規定している。帳簿の備付け義務は本店だけでなく全ての事務所に課されている。「支店の事務所には帳簿を備える義務はない」とする点が誤りである。
宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地又は建物を売却しようとするときは、売買契約成立前に、その相手方に対し、宅地建物取引士をして、代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあっせんの内容及び当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置について、書面を交付して説明をさせなければならない。
解説
本肢は正しい。宅地建物取引業法第35条第1項は、宅地建物取引業者は契約成立前に宅地建物取引士をして重要事項を説明させなければならないと規定し、その中に「代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置」が含まれている。本肢の内容はこの規定に合致する。