行政法規 肢別トレーニング
公示価格を規準としなければならない義務は、不動産鑑定士以外の者にも課せられる場合がある。
解説
本肢は難問である。地価公示法第9条(公共事業の用に供する土地の取得価格の算定の準則)第1項より、土地収用法等によって土地を収用することができる事業を行う者は、公示区域内の土地を当該事業の用に供するため取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格を規準としなければならないとされている。よって、公示価格を規準としなければならない義務は、不動産鑑定士以外の者にも課せられる場合がある。
標準地である土地を取引しようとする者は、その公示価格で取引を行わなければならないとされている。
解説
地価公示法第1~2条(土地の取引を行なう者の責務)第1項より、本肢は間違い。都市及びその周辺の地域等において、土地の取引を行なう者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を「指標として取引を行なうよう努めなければならない」とされているだけであり、公示価格で取引する義務は規定されていない。
土地鑑定委員会は、標準地について毎年1回、当該土地の価格の総額を判定し、これを公示するものとされている。
解説
地価公示法第2条(標準地の価格の判定等)第1項より、土地鑑定委員会は、標準地について毎年1回、「単位面積当たりの正常な価格を判定」し、これを公示するものとする。とされている。よって、「当該土地の価格の総額」とした本肢は間違い。
標準地は、都市計画区域内のほか、土地取引が相当程度見込まれるものとして土地鑑定委員会が定める土地の区域内から土地鑑定委員会が選定することがある。
解説
本肢は間違いである。土地鑑定委員会には「土地取引が相当程度見込まれるものとして」標準値を選定する区域を選定する権限は規定されていない。地価公示法第2条(標準地の価格の判定等)第1項より、このような「土地取引が相当程度見込まれるもの区域は」国土交通省令で定めると規定されている。
土地鑑定委員会は、毎年1回、2人以上の不動産鑑定士に標準地の鑑定評価を求めた上、個々の標準地について、それぞれの不動産鑑定士から提出された鑑定評価書に記載された鑑定評価額のいずれかがより適切かを判定し、その鑑定評価額を当該標準地の価格として公示しなければならない。
解説
本肢のそれぞれの不動産鑑定士から提出された鑑定評価書に記載された鑑定評価額の「いずれかがより適切かを判定し、その鑑定評価額を当該標準地の価格として公示しなければならない。」が間違い。地価公示法第2条(標準地の価格の判定等)第1項より、「二人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行つて、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定」すると規定されている。
土地鑑定委員会から標準地の鑑定評価を求められた不動産鑑定士は、その正常な価格を求めるに当たり、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額のうち当該標準地の鑑定評価に適切と認められるものを勘案しなければならない。
解説
地価公示法第4条(標準地についての鑑定評価の基準)第1項より、本肢の通り。
土地鑑定委員会が行う標準地の価格等の公示には、標準地及びその周辺の土地の利用の現況についての事項も含まれる。
解説
地価公示法第6条(標準地の価格等の公示)より、本肢の通り。本条文は頻出のため、念入りに確認すべきである。
土地鑑定委員会が標準地の価格等の公示を行った後、関係市町村の事務所において、公示された事項のうち当該市町村が属する都道府県に存する標準地に係る部分を記載した書面及び当該標準地の所在を表示する図面が一般の閲覧に供される。
解説
地価公示法第7条(公示に係る事項を記載した書面等の送付及び閲覧)より、本肢の通りである。
土地鑑定委員会から標準地の鑑定評価を求められた不動産鑑定士は、標準地の鑑定評価を行うために他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行おうとするときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に立ち入ることができる。
解説
地価公示法第22条(土地の立入り)第1項より、本肢の通り。
土地鑑定委員会が判定する標準地の価格の判定においては、標準地に建物があり、その建物と一体として継続使用することが合理的である場合におけるその正常な価格は、その建物と一体化している状態を前提として、その全体の価格の内訳として求めるものとされている。
解説
地価公示法第2条(標準地の価格の判定等)第2項より、本肢は間違いである。「正常な価格」とは「自由な取引が行なわれるとした場合」におけるその取引において通常成立すると認められる価格(当該土地に建物その他の定着物がある場合又は当該土地に関して地上権その他当該土地の使用若しくは収益を制限する権利が存する場合には、これらの定着物又は権利が「存しないもの」として通常成立すると認められる価格)をいう。
土地鑑定委員会は、標準地について毎年1回、単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示するものとされている。
解説
地価公示法第2条第1項は「土地鑑定委員会は、標準地について、毎年一回、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示するものとする」と規定している。本肢の内容はこの条文のとおりであり、正しい記述である。
この法律は、都市及びその周辺の地域等において標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、適正な地価の形成に寄与することを目的とするとされている。
解説
地価公示法第1条は「この法律は、都市及びその周辺の地域等において、標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もつて適正な地価の形成に寄与することを目的とする」と規定している。本肢の内容はこの趣旨に合致しており、正しい記述である。
不動産鑑定士は、公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示価格を規準としなければならず、その際には、当該対象土地に最も近接する標準地との比較を行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせる必要がある。
解説
地価公示法第8条は公示価格を規準とする義務を定めており、同法第11条は「公示価格を規準とするとは、対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる一又は二以上の標準地との比較を行い」と規定している。本肢は「最も近接する標準地との比較」としているが、正しくは「類似する利用価値を有すると認められる標準地」との比較であり、誤りである。
この法律における「公示区域」とは、都市計画法第4条第2項に規定する都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれる一定の区域をいう。
解説
地価公示法第2条第1項は「公示区域」を「都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域」と定義している。本肢の内容はこの定義に合致しており、正しい記述である。