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「総論第8章 鑑定評価の手順」について

1.依頼者、提出先等及び利害関係等の確認について

  • (1)鑑定評価書が依頼者以外の者へ提出される場合における当該提出先及び鑑定評価額が依頼者以外の者へ開示される場合における当該開示の相手方について

    鑑定評価書が依頼者以外の者へ提出される場合における当該提出先及び鑑定評価額が依頼者以外の者へ開示される場合における当該開示の相手方の確認については、依頼目的に応じ、必ずしも個別具体的な名称等による必要はなく、提出等の目的、提出先等の属性等利用目的の把握に資するものでも足りる。

    このため、個別具体の名称等が明らかでない場合であっても、これら利用目的の把握に資する情報を把握することが必要であることに留意しなければならない。

  • (2)関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者に係る利害関係等について
    • ① 関与不動産鑑定士について

      関与不動産鑑定士とは、当該不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士の全員をいい、当該不動産の鑑定評価に関する業務の全部又は一部を再委託した場合の当該再委託先である不動産鑑定業者において当該不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士を含むものとする。

    • ② 関与不動産鑑定業者について

      関与不動産鑑定業者とは、当該不動産の鑑定評価に関与不動産鑑定士を従事させている不動産鑑定業者のすべてをいう。

    • ③ 依頼者と関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者との関係について

      依頼者と関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者との関係に関し明らかにすべき特別の関係及びその内容は、最低限、次に掲げるものとする。

      ただし、依頼目的や、依頼者、提出先等のほか関係者の判断に与える大きさ等にかんがみ必要な特別の関係についても明らかにするものとする。

      • ア 明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定士との間の特別の資本的関係

        当該依頼者の議決権につきその2割以上を当該不動産鑑定士が保有している場合その他これと同等以上の資本的関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、議決権の割合その他当該関係に該当することとなった事項とする。

      • イ 明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定士との間の特別の人的関係

        当該依頼者又は当該依頼者を代表する者が当該不動産鑑定士である場合その他これらと同等以上の人的関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、当該関係に該当することとなった事項とする。

      • ウ 明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定業者(②に規定する不動産鑑定業者をいう。以下同じ。)との間の特別の資本的関係

        前事業年度(財務諸表等が未調製のときは、前々事業年度。オにおいて同じ。)において、当該依頼者又は当該不動産鑑定業者のいずれか一方が他方の子会社(連結財務諸表原則にいう子会社をいう。)又は関連会社(連結財務諸表原則にいう関連会社をいう。)である場合その他これらと同等以上の資本的関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、出資割合その他当該関係に該当することとなった事項とする。

      • エ 明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定業者との間の特別の人的関係

        当該依頼者又は当該依頼者を代表する者が当該不動産鑑定業者又は当該不動産鑑定業者を代表する者である場合その他これらと同等以上の人的関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、当該関係に該当することとなった事項とする。

      • オ 明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定業者との間の特別の取引関係

        当該不動産鑑定業者の前事業年度において、当該依頼者からの借入れが当該不動産鑑定業者の負債の過半を占める場合、当該不動産鑑定業者の売上げ(鑑定評価等業務に係る売上げ以外のものを含む。)において当該依頼者からの売上げが過半を占める場合、当該依頼者と当該不動産鑑定業者の取引額が当該不動産鑑定業者の鑑定評価等業務における受注額の半分に相当する額を超える場合その他これらと同等以上の取引関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、当該負債、売上げ又は取引額の割合その他当該関係に該当することとなった事項とする。

    • ④ 提出先等と関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者との関係について

      ③の規定は、明らかにすべき提出先等と関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者との関係について準用する。

      この場合において、「依頼者」とあるのは「提出先等」と、「当該依頼者」とあるのは「当該提出先等」と読み替えるものとする。

2.処理計画の策定について

処理計画の策定に当たっては、総論第8章第1節及び第2節に定める事項のほか、依頼者に対し、次の事項を明瞭に確認しなければならない。
この際に確認された事項については、処理計画に反映するとともに、当該事項に変更があった場合にあっては、処理計画を変更するものとする。

  • (1)対象不動産の実地調査の範囲(内覧の実施の有無を含む。)
  • (2)他の専門家による調査結果等の活用の要否
  • (3)その他処理計画の策定のために必要な事項

3.対象不動産の確認について

  • (1)対象不動産の物的確認について

    対象不動産の確認に当たっては、原則として内覧の実施を含めた実地調査を行うものとする。

    なお、同一の不動産の再評価を行う場合において、過去に自ら内覧の実施を含めた実地調査を行ったことがあり、かつ、当該不動産の個別的要因について、直近に行った鑑定評価の価格時点と比較して重要な変化がないと客観的に認められる場合は、内覧の全部又は一部の実施について省略することができる。

  • (2)権利の態様の確認について

    賃貸借契約等に係る権利の態様の確認に当たっては、原則として次に掲げる事項を確認しなければならない。

    • ① 契約の目的
    • ② 契約当事者
    • ③ 契約期間
    • ④ 契約数量
    • ⑤ 月額支払賃料
    • ⑥ 一時金の有無とその内容
    • ⑦ 賃貸条件等に係る特約

4.資料の検討及び価格形成要因の分析について

  • (1)不動産鑑定士の調査分析能力の範囲内で合理的な推定を行うことができる場合について

    不動産鑑定士の調査分析能力の範囲内で合理的な推定を行うことができる場合とは、ある要因について対象不動産と比較可能な類似の事例が存在し、かつ当該要因が存することによる減価の程度等を客観的に予測することにより鑑定評価額への反映が可能であると認められる場合をいう。

  • (2)価格形成要因から除外して鑑定評価を行うことが可能な場合について

    価格形成に影響があるであろうといわれている事項について、一般的な社会通念や科学的知見に照らし原因や因果関係が明確でない場合又は不動産鑑定士の通常の調査において当該事項の存否の端緒すら確認できない場合において、当該事項が対象不動産の価格形成に大きな影響を与えることがないと判断されるときには、価格形成要因から除外して鑑定評価を行うことができるものとする。

    また、調査範囲等条件を設定して鑑定評価を行う場合は、当該条件を設定した価格形成要因を除外して鑑定評価を行うことができる。

5.鑑定評価の手法の適用について

対象不動産の種別及び類型並びに賃料の種類並びに市場の特性等に対応した鑑定評価の手法の適用に関し必要な事項は、各論各章に定めるもののほか、不動産鑑定士等の団体が定める指針(鑑定評価の手法の適用について具体的に記述された指針であって、国土交通省との協議を経て当該団体において合意形成がなされたものをいう。)で定める。

なお、地域分析及び個別分析により把握した対象不動産に係る市場の特性等を適切に反映した複数の鑑定評価方式の考え方が適切に反映された一つの鑑定評価の手法を適用した場合には、当該鑑定評価でそれらの鑑定評価方式に即した複数の鑑定評価の手法を適用したものとみなすことができる。