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演習問題で使える電卓テクニック - 計算速度を上げるコツ

不動産鑑定士試験の論文式で使える電卓テクニックを徹底解説。試験で使用可能な電卓の選び方、計算速度を上げるコツ、科目別の頻出計算パターンと効率的な解法を具体的に紹介します。

はじめに - 計算速度は合否を分ける

不動産鑑定士試験の論文式試験では、電卓の持ち込みが認められています。経済学の最適化問題、会計学の財務諸表作成、鑑定理論の収益還元法の計算など、正確かつ迅速な計算が求められる場面は多くあります。

「計算なんて電卓があればできる」と思うかもしれませんが、実際の試験では時間との戦いです。1つの計算に手間取ると、答案を書く時間が不足し、本来の実力を発揮できません。逆に、電卓を効率的に使いこなせれば、計算時間を短縮し、思考や論述に時間を回せます。実際、論文式の各科目は概ね2時間で大問2題前後を処理する構成とされ、1問あたりに割ける時間は決して長くありません。計算で5分のロスが出れば、その分だけ論述の精度や分量が削られます。

本記事では、不動産鑑定士試験で使える電卓の選び方、基本的な操作テクニック、科目別の頻出計算パターンと効率的な解法を解説します。「不動産鑑定士 電卓」「電卓 コツ」「電卓の使い方」「電卓 裏技」といった疑問に、具体的なキー操作と数値例で厚く応える構成にしました。日々の演習問題にも活用できる実践的な内容です。


試験で使用可能な電卓の選び方

使用可能な電卓の条件

不動産鑑定士試験で持ち込める電卓には条件があります。

条件内容
プログラム機能なし(プログラム電卓は不可)
関数機能なし(関数電卓は不可)
通信機能なし
音が出るもの不可
電卓の個数1台のみ(予備は認められない場合がある)

一般的な事務用電卓であれば問題ありません。ただし、不安な場合は試験実施機関の最新の受験案内を必ず確認してください。

なお、「関数電卓は不可」という条件は重要です。$\sin$$\log$、メモリを多段に積めるプログラム機能などが付いた電卓は、たとえ普段使い慣れていても試験では使えないと考えるのが安全です。逆に言えば、試験で必要な計算は事務用電卓に備わる四則演算・√・メモリ・GT・%・定数計算でほぼ完結するように設計されています。年金現価係数や複利現価率も、後述する定数計算と√・逆数の組み合わせで求められます。

電卓選びの5つのポイント

ポイント推奨内容理由
桁数12桁大きな数値の計算に対応
キーサイズ大きめ打ち間違いを減らす
キー配置0キーが左下ブラインドタッチしやすい
メモリ機能GT・M+・M-搭載複合計算に必須
√キーあり平方根計算に使用

桁数について補足すると、鑑定理論では「億」単位の金額を扱うことが多く、10桁では不足する場面が出てきます。たとえば収益価格が12億3,456万7,890円なら10桁ですが、これに端数の付いた還元利回りや面積を掛け合わせると、計算途中で表示が桁あふれ(エラー表示E)を起こすことがあります。12桁あれば「兆」の手前まで余裕があり、安心です。

電卓の方式 - CASIO型かSHARP型か

事務用電卓には大きく2つの操作系統があり、メモリーやクリアキーの挙動、%キーの動作が異なります。普段使う電卓がどちらの系統かを把握しておくと、ネットや参考書の操作説明をそのまま再現できます。

項目CASIO型SHARP型
メモリ呼出/クリアMRC(1回で呼出、2回で消去)RM(呼出)/ CM(消去)が別キー
全消去ACC・CE と CA で役割分担
桁下げ(数字訂正)「▶」や訂正キーの有無は機種差「→」キーで末尾1桁訂正
0キー位置左下が多い左下が多い

どちらが優れているということはなく、慣れの問題です。重要なのは「試験本番まで同じ系統・同じ機種を使い続ける」ことです。MRCのように1つのキーに複数機能が割り当てられている機種では、押す回数によって挙動が変わるため、その癖まで体に覚えさせておく必要があります。

おすすめ電卓の特徴

試験勉強用の電卓は、以下の特徴を備えたものを選びましょう。

  • 早打ち対応(キーロールオーバー):キーを離す前に次のキーを押しても認識される機能。計算速度が格段に上がります
  • サイレントキー:試験会場で周囲の迷惑にならない静音設計
  • 滑り止め付き:机の上で動かないゴム足付きのもの
  • チルトディスプレイ:画面が傾斜していて見やすいもの

電卓は試験本番まで同じものを使い続けてください。キーの位置や打鍵感に慣れることが、計算速度向上の第一歩です。

早打ち対応の有無を見分ける裏技

カタログで「キーロールオーバー」「早打ち」と明記されていればそれが確実ですが、店頭で確かめたいときは次の方法が使えます。「1」を押した指を離さないまま「2」を押し、表示が「12」になれば早打ち対応です。安価な電卓では「1」しか表示されず、2打目が無視されます。ブラインドタッチで速く打つほど、この差が計算時間に効いてきます。


電卓の基本操作をマスターする

メモリ機能の使い方

電卓のメモリ機能を使いこなせるかどうかで、計算効率は大きく変わります。

キー機能使い方
M+メモリに加算表示されている数値をメモリに足す
M-メモリから減算表示されている数値をメモリから引く
MR(RM)メモリ呼出メモリに記憶されている数値を表示する
MC(CM)メモリクリアメモリの内容を消去する
GTグランドトータル計算結果の累計を表示する

メモリ機能の活用例:複数項目の合計

「100 × 1.05 + 200 × 1.03 + 300 × 1.02」を計算する場合

  1. MC(メモリクリア)
  2. 100 × 1.05 = → M+(105がメモリに加算)
  3. 200 × 1.03 = → M+(206がメモリに加算)
  4. 300 × 1.02 = → M+(306がメモリに加算)
  5. MR → 617(合計が表示)

紙にメモせずに中間結果を保存できるため、計算ミスを減らし、スピードも上がります。

M+ では「=」を省略できる

多くの事務用電卓では、掛け算の途中でいきなり M+ を押すと、自動的に計算が確定してからメモリに加算されます。つまり「100 × 1.05 M+」のように「=」を省けるのです。先の例は次のように短縮できます。

  1. MC
  2. 100 × 1.05 M+
  3. 200 × 1.03 M+
  4. 300 × 1.02 M+
  5. MR → 617

キーストロークが1項目あたり1打減るだけですが、複合計算の多い会計学・鑑定理論では積み重なると大きな差になります。M- も同様で、「経費を差し引いた純額の合計」のような計算で「収入を M+、経費を M-」と打てば、最後の MR で一発で純額合計が出ます。

GT(グランドトータル)機能の活用

GT機能は「=」キーを押すたびに結果を自動的に累計する機能です。メモリ機能と似ていますが、M+を押す手間が省けます。

GT機能の活用例

  1. AC(オールクリア)
  2. 100 × 3 =(300)
  3. 200 × 5 =(1000)
  4. 150 × 2 =(300)
  5. GT → 1,600(すべての計算結果の合計)

GTとメモリの使い分け

GTは「=で確定した結果を片っ端から足していく」性質上、引き算が混じる集計には向きません。一方メモリは M+ と M- で加減を区別できます。使い分けの目安は次のとおりです。

場面推奨理由
単純な合計(すべて足すだけ)GTM+を押す手間が不要
加算と減算が混在メモリM+/M-で符号を制御できる
合計と各項目を両方使うメモリ各=結果を見つつMRで合計を確認
2系統の集計を同時進行メモリ+GTメモリに一方、GTにもう一方

「メモリとGTを別々のバケツとして同時に使う」という発想は、複数の小計を並行して持ちたいときに効きます。たとえば収益と費用を別々に集計したい場合、収益側をメモリ、費用側をGTに振り分けると、紙に書き写さずに2つの小計を保持できます。

定数計算の活用

多くの電卓には定数計算機能があります。同じ数値を繰り返し掛けたり割ったりする場合に便利です。

定数計算の例:複利計算(年利5%で3年後の元利合計)

「100万円を年利5%で3年間複利運用した場合の元利合計」

  1. 1.05 × × 100 =(105:1年後)
  2. =(110.25:2年後)
  3. =(115.7625:3年後)

「×」を2回押すことで1.05が定数として記憶され、「=」を押すたびに1.05が掛けられます。これは複利計算で威力を発揮します。

定数の登録は機種で前後が異なる

定数計算は「どちらの数を定数として固定するか」が機種によって違います。CASIO型では「定数 × × 初期値 =」のように定数を先に置くのが基本、SHARP型では「初期値 × 定数 = = =」のように後ろの数が固定されることが多いです。自分の電卓で「2 × × 3 =」と打って6が出て、続けて「=」で12、24…と倍々になるか(2が定数)、それとも別の挙動になるかを必ず一度確かめてください。割り算の定数も同様で、「÷ ÷」で割る数を固定でき、複利現価率や減価のように「同じ数で繰り返し割る/掛ける」計算を一気に処理できます。


計算速度を上げる5つのテクニック

テクニック1:ブラインドタッチを習得する

電卓のブラインドタッチ(キーを見ずに打つ技術)は、計算速度を飛躍的に向上させます。

ホームポジション

右手の場合、以下の指配置が基本です。

担当キー
人差し指1, 4, 7
中指2, 5, 8
薬指3, 6, 9
親指0, 00
小指+, =, Enter

練習方法

  • 最初は簡単な足し算(1+2+3+...+10)を繰り返す
  • 慣れてきたら掛け算・割り算の練習に移行する
  • 1日10分の練習を2週間続ければ、基本的なブラインドタッチが身につく

ホームポジションの基準は「5」キーです。多くの電卓では5キーに小さな突起(ポッチ)があり、中指で突起を探れば手元を見なくても定位置に戻れます。タイピングの「F」「J」と同じ発想です。打ち間違えたときに視線を電卓に落とさず、突起を頼りに復帰できるようになると、問題用紙と電卓を行き来する目の動きが減り、結果として速くなります。

テクニック2:概算で検算する習慣をつける

電卓での計算ミスは、打ち間違いが原因であることがほとんどです。計算結果が概算と大きくずれていないかを確認する習慣をつけましょう。

例:1,250,000 × 0.048 の計算

  • 概算:125万 × 0.05 = 62,500(約6万円)
  • 電卓結果:60,000 → 概算と近いのでOK
  • もし電卓結果が600,000だったら → 桁を間違えている可能性

概算検算は「桁」と「先頭1〜2桁」だけ合っていれば十分です。複雑な計算でも、入力直前に「だいたい何千万円のオーダーか」を頭の中で見積もっておけば、桁ミス(0の数の間違い)はほぼ全て弾けます。鑑定理論の答案で致命的なのは細かい端数の誤りより、収益価格が1桁ずれることです。概算で「オーダー」を押さえる習慣が、最も費用対効果の高いミス防止策です。

テクニック3:分数計算のコツ

鑑定理論や経済学では分数の計算が頻繁に出てきます。

分数の計算方法

「3/7 + 2/5」の場合

  1. 3 ÷ 7 = → M+(0.428571...がメモリへ)
  2. 2 ÷ 5 = → M+(0.4がメモリへ)
  3. MR → 0.828571...(合計)

分数を小数に変換してから計算するのが電卓での基本です。

割り切れない数は「最後にまとめて割る」

途中で割り切れない小数が出ると、丸め誤差が累積します。たとえば $\frac{a}{b} \times c$ を計算するとき、先に $a \div b$ をすると $0.333...$ のような無限小数になりますが、$a \times c \div b$ の順なら割り算は最後の1回だけで済み、誤差が最小になります。「掛けてから割る」を基本にすると、表示桁いっぱいまで精度が保たれます。逆数を使う裏技もあり、$\div 7$ を繰り返したいときは「$1 \div 7 =$」で $0.142857$ を求め、これをメモリに入れて掛ける形にすると、同じ割り算を何度も打ち直さずに済みます。

テクニック4:逆算(ゴールシーク)の手順化

「ある計算結果から元の数値を逆算する」場面は意外と多くあります。

例:複合利回り7%、純収益500万円のときの収益価格

  • 500 ÷ 0.07 = 71,428,571(約7,143万円)

例:建物の減価修正(残存価格率の算出)

  • 再調達原価1億円、建物の経過年数15年、耐用年数50年の場合
  • 1 - 15 ÷ 50 = 0.7(残存価格率70%)
  • 100,000,000 × 0.7 = 70,000,000(積算価格に用いる建物価格)

なお、収益価格と還元利回りの関係 $P = \dfrac{a}{R}$ は、3要素のうち2つが分かれば残り1つを逆算できます。$R = \dfrac{a}{P}$(価格と純収益から利回りを逆算)、$a = P \times R$(価格と利回りから純収益を逆算)の3パターンを、電卓のキー順とセットで覚えておくと、設問の問われ方が変わっても迷いません。

テクニック5:パーセント計算の効率化

電卓の「%」キーを使うと、割引や増加率の計算が効率的に行えます。

計算内容入力方法結果
1000の5%増し1000 + 5% =1,050
1000の5%引き1000 - 5% =950
1000の5%1000 × 5% =50
500は1000の何%500 ÷ 1000 × 100 =50

ただし、「%」キーの動作は電卓のメーカーや機種によって異なる場合があります。自分の電卓でどう動作するかを事前に確認しておきましょう。

%キーが信用できない、あるいは挙動を覚えきれないなら、無理に使わず小数に直して掛けるのが安全です。「5%増し」は $\times 1.05$、「5%引き」は $\times 0.95$、「2%上昇率」は $\times 1.02$ と機械的に変換すれば、機種差に振り回されません。試験本番は普段の電卓を使えるので、自分が確実に再現できる方法を1つに絞っておくことが、ミスを減らす近道です。


科目別の頻出計算パターン

鑑定理論の計算

鑑定理論で出題される計算は、実務に直結した内容が多いです。

収益還元法(直接還元法)

$$収益価格 = 純収益 ÷ 還元利回り 例:純収益600万円、還元利回り5% → 6,000,000 ÷ 0.05 = 120,000,000(1億2,000万円)$$

直接還元法は基準上、次のように位置づけられています。

直接還元法は、一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法である。

不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節

DCF法の現在価値計算

各期の純収益を割引率で現在価値に割り引く
PV = CF1/(1+r) + CF2/(1+r)^2 + ... + (CFn+復帰価格)/(1+r)^n

例:割引率6%、1期目純収益500万円の現在価値
→ 5,000,000 ÷ 1.06 = 4,716,981

DCF法は将来のキャッシュフローを期ごとに割り引いて合計する手法で、基準でも収益価格を求める方法として直接還元法と並んで規定されています。

DCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益及び復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計する方法である。

不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節

複利現価率の計算

複利現価率 = 1 / (1+r)^n
例:割引率5%、5年後
→ 定数計算を使う
1.05 × × 1 ===== (1.05の5乗 = 1.27628...)
→ 1 ÷ 1.27628 = 0.78353(複利現価率)

DCF法の各期割引を電卓で連打する

DCF法では同じ割引率で1期目、2期目…と順に割っていきます。ここで定数の「÷÷」を使うと劇的に速くなります。割引率6%なら、まず各期の純収益を求め、復帰価格を含む各期キャッシュフローをそれぞれ $(1.06)^n$ で割ります。$(1.06)^n$ は「$1.06 \times \times 1 = = =$」で2乗、3乗…と累乗を作り、その都度メモして使うのが定石です。あるいは各期の複利現価率(表で与えられることも多い)を純収益に掛けてM+で累計すれば、最後のMRで現在価値合計が一発で出ます。

複利現価率(r=6%)例:CF=500万現在価値
1年後$1/1.06=0.9434$5,000,0004,716,981
2年後$1/1.06^2=0.8900$5,000,0004,449,982
3年後$1/1.06^3=0.8396$5,000,0004,198,096

このように複利現価率を一度求めてしまえば、あとは「掛けてM+」の繰り返しで済みます。

経済学の計算

経済学では微分を用いた最適化計算が頻出です。

利潤最大化条件の計算

限界費用 = 限界収入 の条件から最適生産量を求める
例:需要関数 P = 100 - 2Q、費用関数 TC = 10Q + Q^2
MR = 100 - 4Q、MC = 10 + 2Q
100 - 4Q = 10 + 2Q → 6Q = 90 → Q = 15
P = 100 - 2×15 = 70

電卓では、連立方程式を解く過程で中間計算が多くなります。メモリ機能を活用して中間結果を保存しましょう。利潤最大化条件 $MR = MC$ は数式で導出する部分が大半で、電卓は最後の代入計算に使います。微分で得た一次式同士の連立は、$6Q = 90$ のような形に整理してから「$90 \div 6 = 15$」と打つだけです。整理を先に紙で済ませ、電卓は確定計算に限定するのがミスを減らすコツです。

乗数効果の計算

乗数 = 1 / (1 - 限界消費性向)
例:限界消費性向 = 0.8
→ 1 ÷ (1 - 0.8) = 1 ÷ 0.2 = 5
政府支出が100増加 → GDP増加 = 100 × 5 = 500

弾力性・現在価値の計算

需要の価格弾力性 $\varepsilon = -\dfrac{dQ}{dP}\cdot\dfrac{P}{Q}$ のような式も、微分部分は手計算、数値代入を電卓で行います。割り算が2回出るので「掛けてから割る」を意識し、$dQ/dP \times P \div Q$ の順で打つと誤差が出にくくなります。経済学の現在価値問題(投資の正味現在価値NPVなど)は鑑定理論のDCF法と数式構造が同じなので、複利現価率の計算手順をそのまま流用できます。

会計学の計算

会計学では、減価償却費の計算やキャッシュフロー計算が頻出です。

定率法による減価償却費の計算

各期の減価償却費 = 期首帳簿価額 × 定率法償却率
例:取得原価100万円、定率法償却率0.25

1年目:1,000,000 × 0.25 = 250,000
2年目:750,000 × 0.25 = 187,500
3年目:562,500 × 0.25 = 140,625

定数計算を使えば、期首帳簿価額に0.75を繰り返し掛けることで簡単に計算できます。

$$1,000,000 × 0.75 = 750,000(1年目末の帳簿価額) = 562,500(2年目末の帳簿価額) = 421,875(3年目末の帳簿価額)$$

各期の減価償却費は、前期末と当期末の差額で求められます。

リース会計の現在価値計算

リース料総額の現在価値を年金現価係数で計算
年金現価係数 = {1 - (1+r)^(-n)} / r
例:利率5%、期間5年
(1.05)^5 = 1.27628
年金現価係数 = (1 - 1/1.27628) / 0.05
= (1 - 0.78353) / 0.05
= 0.21647 / 0.05
= 4.32948

定額法・生産高比例法との対比

償却方法は計算構造が異なるので、電卓の使い方も変わります。

償却方法計算式電卓の使い方
定額法(取得原価−残存価額)÷耐用年数1回の割り算で毎期同額
定率法期首帳簿価額×償却率定数の「×0.xx」を連打
生産高比例法(取得原価−残存価額)×当期生産量÷総生産量掛けてから割る

定額法は毎期同額なので最初の1回だけ計算すれば済みます。定率法は前述のとおり「残存率を定数で連打」が速く、生産高比例法は「掛けてから割る」で誤差を抑えます。方法ごとに電卓操作を型として持っておくと、設問で方法が指定された瞬間に手が動きます。


計算ミスを防ぐ7つの習慣

習慣1:計算前にACキーを押す

前の計算結果が残っていると、意図しない結果になります。新しい計算を始める前に必ずACキーを押してクリアしましょう。なお、ACでメモリまで消えるかは機種によって異なります。メモリを確実に空にしたいときはMC(またはCM)を別途押す習慣をつけてください。

習慣2:2回計算して検算する

重要な計算は必ず2回行い、同じ結果になることを確認します。1回目と2回目の結果が異なれば3回目を行い、2回一致した結果を採用します。検算の効果を高めるには、2回目を「逆順」で打つのが裏技です。足し算を下から足し直す、掛け算の順序を入れ替えるなど、同じ打ち方を繰り返さないことで、同じ打ち間違いを2回再現してしまうリスクを減らせます。

習慣3:桁数を意識する

よくある桁ミス原因対策
0が1つ多い/少ない0キーの打ち間違い概算で桁を確認
小数点の位置ずれ小数点キーの打ち忘れ%表記と小数の変換を意識
単位の間違い万円と円の混同問題文の単位を必ず確認

「00」キーは便利な反面、桁ミスの温床でもあります。1,000,000 を入力するつもりで「1」「00」「00」「0」と打つと、頭の中の桁数と指の動きがずれやすいのです。緊張する本番では、あえて「0」を1つずつ打つ方が安全な場合もあります。自分がどちらでミスしにくいかを演習で見極めておきましょう。

習慣4:中間結果を問題用紙にメモする

複雑な計算では、中間結果を問題用紙の余白にメモしておきましょう。後から検算する際にも、どこで間違えたかを特定しやすくなります。

習慣5:計算順序を決めてから電卓を叩く

いきなり電卓を叩き始めるのではなく、まず計算手順を頭の中(または紙の上)で整理してから計算に入りましょう。これにより、無駄な計算や手戻りを防げます。

習慣6:答えの妥当性を直感で確認する

計算結果が出たら、「この数字は妥当か?」と直感的に確認します。例えば、マンションの収益価格を計算して50億円という結果が出たら、明らかにおかしいと気づけるはずです。

習慣7:電卓の電池残量を確認する

試験前日に電卓の表示が薄くなっていないか確認し、必要であれば電池を交換しましょう。太陽電池式の電卓でも、補助電池が切れると暗い場所で表示が見えなくなることがあります。本番の試験室は窓側と廊下側で明るさが違うこともあるため、ソーラーだけに頼らない電池併用(ツインパワー方式)の機種が安心です。


よくある質問(FAQ)

関数電卓やスマホの電卓は使えますか

関数電卓・プログラム電卓・通信機能付きの機器は使用できません。スマートフォンの電卓機能も当然不可です。試験で使えるのは音の出ない一般的な事務用電卓に限られ、詳細は試験実施機関の最新の受験案内で必ず確認してください。

電卓は2台持ち込めますか

「電卓の個数は1台のみで、予備は認められない場合がある」とされます。故障対策に予備機を机上に置けるかどうかは年度・会場の運用によるため、当てにしない方が安全です。最善策は、信頼できる機種を選び、試験前に電池を新品にしておくことです。

電卓のブラインドタッチは本当に必要ですか

必須ではありませんが、習得すると視線移動が減り、問題用紙の数値を見ながら入力できるため明確に速くなります。1日10分・2週間程度で基本は身につくとされ、投資対効果は高い習慣です。

CASIO型とSHARP型、どちらを買うべきですか

優劣はなく、どちらか1つに決めて本番まで使い続けることが重要です。すでに使い慣れた電卓があるなら、その系統を維持するのが最も安全です。

計算が苦手でも論文式は突破できますか

計算はあくまで得点要素の一部で、論述の比重が大きい科目も多くあります。ただし計算で時間を浪費すると論述に回す時間が削られるため、「速く正確に処理して論述に時間を残す」ことが現実的な戦略になります。


出題ポイントと暗記のコツ

押さえておきたい係数の定義

鑑定理論・会計学で繰り返し登場する係数は、定義と電卓操作をセットで暗記すると忘れにくくなります。

係数定義用途
複利終価率$(1+r)^n$現在の額を将来額に
複利現価率$1/(1+r)^n$将来額を現在価値に
年金現価係数$\{1-(1+r)^{-n}\}/r$毎期一定額の現在価値合計
年金終価係数$\{(1+r)^n-1\}/r$毎期一定額の将来価値合計
減債基金係数$r/\{(1+r)^n-1\}$目標額のための毎期積立額
資本回収係数$r/\{1-(1+r)^{-n}\}$元利均等返済の毎期返済額

これらは互いに逆数・分母分子の関係にあります。たとえば資本回収係数は年金現価係数の逆数、減債基金係数は年金終価係数の逆数です。「片方を覚えればもう片方は $1 \div$ で出せる」と理解しておけば、暗記量を半分にできます。

暗記のコツ - 操作とセットで覚える

数式を眺めるだけでは試験本番で手が止まります。「複利現価率なら $1.0r$$\times\times$ で固定して $n$ 回累乗し、最後に逆数」のように、定義をキー操作の物語に変換して覚えると定着します。実際に電卓を叩きながら口に出して手順を唱える「音読+打鍵」が、最も再現性の高い暗記法です。


日々の練習メニュー

電卓練習のスケジュール

電卓のスキルは練習で確実に向上します。以下のスケジュールで練習しましょう。

期間練習内容1日の練習時間
1〜2週目ブラインドタッチの基礎(加減乗除)10分
3〜4週目メモリ機能・GT機能の練習10分
5〜6週目定数計算・パーセント計算10分
7週目以降試験問題の計算部分を電卓で練習問題演習に組み込む

具体的な練習問題

基礎練習(ブラインドタッチ)

  • 1+2+3+...+100 = 5,050 になることを確認
  • 12345 × 6789 = 83,810,205 を2回計算して一致を確認
  • 9,876,543 ÷ 321 = 30,767.42... を計算

応用練習(メモリ活用)

  • (150 × 3) + (280 × 5) + (90 × 7) = 2,280 をメモリ機能で計算
  • 100万円を年利3%で10年間複利運用した金額を計算(約134.4万円)

実践練習(過去問の計算部分)

  • 過去問の経済学・会計学から計算問題を抽出して電卓練習する
  • 1問あたりの計算時間を測り、短縮を目指す

計算ドリルの自己採点基準

練習は「正解か否か」だけでなく「速さ」と「無駄打ちの少なさ」も測ると上達が速まります。たとえば複利現価率の計算を、最初は手順を確認しながら、慣れたらストップウォッチで秒数を計測します。1問の計算時間が半減してきたら、その操作は型として身についた証拠です。逆に毎回打ち直しが多い計算は、定数やメモリの使い方を見直すサインです。


理解度チェック

確認問題

不動産鑑定士試験の論文式試験には、関数電卓を持ち込んで使用できる。

確認問題

直接還元法は、一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法である。

確認問題

同じ割引率で各期のキャッシュフローを割り引くDCF法では、電卓の定数計算機能(÷÷など)を使うと累乗や反復計算を効率化できる。

確認問題

資本回収係数は年金現価係数の逆数であり、片方が分かれば「1÷」で他方を求められる。


まとめ

電卓テクニックの向上は、試験の得点力に直結します。本記事のポイントを整理します。

項目ポイント
電卓選び12桁、早打ち対応、メモリ機能付き、CASIO型/SHARP型のどちらかに統一し試験まで同じ機種を使う
基本操作メモリ機能(M+, M-, MR)、GT機能、定数計算(××・÷÷)をマスターする
速度向上ブラインドタッチ、概算検算、掛けてから割る、係数の操作暗記を習得する
ミス防止2回計算(逆順検算)、桁数意識、中間結果メモ、答えの妥当性確認
日々の練習1日10分の電卓練習を継続、速さと無駄打ちの少なさも採点して問題演習に組み込む

計算力は一朝一夕には身につきませんが、毎日の積み重ねで確実に向上します。「電卓を味方につける」意識を持ち、試験本番で計算に焦ることのないよう、日頃から練習を重ねましょう。電卓操作を「型」として体に覚えさせ、思考と論述に時間を残すことが、論文式突破の現実的な戦略です。

経済学の攻略法はミクロ経済学の攻略法マクロ経済学の攻略法、過去問の活用法は過去問の使い方ガイドもあわせて参考にしてください。

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