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演習問題で使える電卓テクニック - 計算速度を上げるコツ

不動産鑑定士試験の論文式で使える電卓テクニックを徹底解説。試験で使用可能な電卓の選び方、計算速度を上げるコツ、科目別の頻出計算パターンと効率的な解法を具体的に紹介します。

はじめに - 計算速度は合否を分ける

不動産鑑定士試験の論文式試験では、電卓の持ち込みが認められています。経済学の最適化問題、会計学の財務諸表作成、鑑定理論の収益還元法の計算など、正確かつ迅速な計算が求められる場面は多くあります。

「計算なんて電卓があればできる」と思うかもしれませんが、実際の試験では時間との戦いです。1つの計算に手間取ると、答案を書く時間が不足し、本来の実力を発揮できません。逆に、電卓を効率的に使いこなせれば、計算時間を短縮し、思考や論述に時間を回せます。

本記事では、不動産鑑定士試験で使える電卓の選び方、基本的な操作テクニック、科目別の頻出計算パターンと効率的な解法を解説します。日々の演習問題にも活用できる実践的な内容です。


試験で使用可能な電卓の選び方

使用可能な電卓の条件

不動産鑑定士試験で持ち込める電卓には条件があります。

条件内容
プログラム機能なし(プログラム電卓は不可)
関数機能なし(関数電卓は不可)
通信機能なし
音が出るもの不可
電卓の個数1台のみ(予備は認められない場合がある)

一般的な事務用電卓であれば問題ありません。ただし、不安な場合は試験実施機関の最新の受験案内を必ず確認してください。

電卓選びの5つのポイント

ポイント推奨内容理由
桁数12桁大きな数値の計算に対応
キーサイズ大きめ打ち間違いを減らす
キー配置0キーが左下ブラインドタッチしやすい
メモリ機能GT・M+・M-搭載複合計算に必須
√キーあり平方根計算に使用

おすすめ電卓の特徴

試験勉強用の電卓は、以下の特徴を備えたものを選びましょう。

  • 早打ち対応(キーロールオーバー):キーを離す前に次のキーを押しても認識される機能。計算速度が格段に上がります
  • サイレントキー:試験会場で周囲の迷惑にならない静音設計
  • 滑り止め付き:机の上で動かないゴム足付きのもの
  • チルトディスプレイ:画面が傾斜していて見やすいもの

電卓は試験本番まで同じものを使い続けてください。キーの位置や打鍵感に慣れることが、計算速度向上の第一歩です。


電卓の基本操作をマスターする

メモリ機能の使い方

電卓のメモリ機能を使いこなせるかどうかで、計算効率は大きく変わります。

キー機能使い方
M+メモリに加算表示されている数値をメモリに足す
M-メモリから減算表示されている数値をメモリから引く
MR(RM)メモリ呼出メモリに記憶されている数値を表示する
MC(CM)メモリクリアメモリの内容を消去する
GTグランドトータル計算結果の累計を表示する

メモリ機能の活用例:複数項目の合計

「100 × 1.05 + 200 × 1.03 + 300 × 1.02」を計算する場合

  1. MC(メモリクリア)
  2. 100 × 1.05 = → M+(105がメモリに加算)
  3. 200 × 1.03 = → M+(206がメモリに加算)
  4. 300 × 1.02 = → M+(306がメモリに加算)
  5. MR → 617(合計が表示)

紙にメモせずに中間結果を保存できるため、計算ミスを減らし、スピードも上がります。

GT(グランドトータル)機能の活用

GT機能は「=」キーを押すたびに結果を自動的に累計する機能です。メモリ機能と似ていますが、M+を押す手間が省けます。

GT機能の活用例

  1. AC(オールクリア)
  2. 100 × 3 =(300)
  3. 200 × 5 =(1000)
  4. 150 × 2 =(300)
  5. GT → 1,600(すべての計算結果の合計)

定数計算の活用

多くの電卓には定数計算機能があります。同じ数値を繰り返し掛けたり割ったりする場合に便利です。

定数計算の例:複利計算(年利5%で3年後の元利合計)

「100万円を年利5%で3年間複利運用した場合の元利合計」

  1. 1.05 × × 100 =(105:1年後)
  2. =(110.25:2年後)
  3. =(115.7625:3年後)

「×」を2回押すことで1.05が定数として記憶され、「=」を押すたびに1.05が掛けられます。これは複利計算で威力を発揮します。


計算速度を上げる5つのテクニック

テクニック1:ブラインドタッチを習得する

電卓のブラインドタッチ(キーを見ずに打つ技術)は、計算速度を飛躍的に向上させます。

ホームポジション

右手の場合、以下の指配置が基本です。

担当キー
人差し指1, 4, 7
中指2, 5, 8
薬指3, 6, 9
親指0, 00
小指+, =, Enter

練習方法

  • 最初は簡単な足し算(1+2+3+...+10)を繰り返す
  • 慣れてきたら掛け算・割り算の練習に移行する
  • 1日10分の練習を2週間続ければ、基本的なブラインドタッチが身につく

テクニック2:概算で検算する習慣をつける

電卓での計算ミスは、打ち間違いが原因であることがほとんどです。計算結果が概算と大きくずれていないかを確認する習慣をつけましょう。

例:1,250,000 × 0.048 の計算

  • 概算:125万 × 0.05 = 62,500(約6万円)
  • 電卓結果:60,000 → 概算と近いのでOK
  • もし電卓結果が600,000だったら → 桁を間違えている可能性

テクニック3:分数計算のコツ

鑑定理論や経済学では分数の計算が頻繁に出てきます。

分数の計算方法

「3/7 + 2/5」の場合

  1. 3 ÷ 7 = → M+(0.428571...がメモリへ)
  2. 2 ÷ 5 = → M+(0.4がメモリへ)
  3. MR → 0.828571...(合計)

分数を小数に変換してから計算するのが電卓での基本です。

テクニック4:逆算(ゴールシーク)の手順化

「ある計算結果から元の数値を逆算する」場面は意外と多くあります。

例:複合利回り7%、純収益500万円のときの収益価格

  • 500 ÷ 0.07 = 71,428,571(約7,143万円)

例:建物の減価修正(残存価格率の算出)

  • 再調達原価1億円、建物の経過年数15年、耐用年数50年の場合
  • 1 - 15 ÷ 50 = 0.7(残存価格率70%)
  • 100,000,000 × 0.7 = 70,000,000(積算価格に用いる建物価格)

テクニック5:パーセント計算の効率化

電卓の「%」キーを使うと、割引や増加率の計算が効率的に行えます。

計算内容入力方法結果
1000の5%増し1000 + 5% =1,050
1000の5%引き1000 - 5% =950
1000の5%1000 × 5% =50
500は1000の何%500 ÷ 1000 × 100 =50

ただし、「%」キーの動作は電卓のメーカーや機種によって異なる場合があります。自分の電卓でどう動作するかを事前に確認しておきましょう。


科目別の頻出計算パターン

鑑定理論の計算

鑑定理論で出題される計算は、実務に直結した内容が多いです。

収益還元法(直接還元法)

$$収益価格 = 純収益 ÷ 還元利回り 例:純収益600万円、還元利回り5% → 6,000,000 ÷ 0.05 = 120,000,000(1億2,000万円)$$

DCF法の現在価値計算

各期の純収益を割引率で現在価値に割り引く
PV = CF1/(1+r) + CF2/(1+r)^2 + ... + (CFn+復帰価格)/(1+r)^n

例:割引率6%、1期目純収益500万円の現在価値
→ 5,000,000 ÷ 1.06 = 4,716,981

複利現価率の計算

複利現価率 = 1 / (1+r)^n
例:割引率5%、5年後
→ 定数計算を使う
1.05 × × 1 ===== (1.05の5乗 = 1.27628...)
→ 1 ÷ 1.27628 = 0.78353(複利現価率)

経済学の計算

経済学では微分を用いた最適化計算が頻出です。

利潤最大化条件の計算

限界費用 = 限界収入 の条件から最適生産量を求める
例:需要関数 P = 100 - 2Q、費用関数 TC = 10Q + Q^2
MR = 100 - 4Q、MC = 10 + 2Q
100 - 4Q = 10 + 2Q → 6Q = 90 → Q = 15
P = 100 - 2×15 = 70

電卓では、連立方程式を解く過程で中間計算が多くなります。メモリ機能を活用して中間結果を保存しましょう。

乗数効果の計算

乗数 = 1 / (1 - 限界消費性向)
例:限界消費性向 = 0.8
→ 1 ÷ (1 - 0.8) = 1 ÷ 0.2 = 5
政府支出が100増加 → GDP増加 = 100 × 5 = 500

会計学の計算

会計学では、減価償却費の計算やキャッシュフロー計算が頻出です。

定率法による減価償却費の計算

各期の減価償却費 = 期首帳簿価額 × 定率法償却率
例:取得原価100万円、定率法償却率0.25

1年目:1,000,000 × 0.25 = 250,000
2年目:750,000 × 0.25 = 187,500
3年目:562,500 × 0.25 = 140,625

定数計算を使えば、期首帳簿価額に0.75を繰り返し掛けることで簡単に計算できます。

$$1,000,000 × 0.75 = 750,000(1年目末の帳簿価額) = 562,500(2年目末の帳簿価額) = 421,875(3年目末の帳簿価額)$$

各期の減価償却費は、前期末と当期末の差額で求められます。

リース会計の現在価値計算

リース料総額の現在価値を年金現価係数で計算
年金現価係数 = {1 - (1+r)^(-n)} / r
例:利率5%、期間5年
(1.05)^5 = 1.27628
年金現価係数 = (1 - 1/1.27628) / 0.05
= (1 - 0.78353) / 0.05
= 0.21647 / 0.05
= 4.32948

計算ミスを防ぐ7つの習慣

習慣1:計算前にACキーを押す

前の計算結果が残っていると、意図しない結果になります。新しい計算を始める前に必ずACキーを押してクリアしましょう。

習慣2:2回計算して検算する

重要な計算は必ず2回行い、同じ結果になることを確認します。1回目と2回目の結果が異なれば3回目を行い、2回一致した結果を採用します。

習慣3:桁数を意識する

よくある桁ミス原因対策
0が1つ多い/少ない0キーの打ち間違い概算で桁を確認
小数点の位置ずれ小数点キーの打ち忘れ%表記と小数の変換を意識
単位の間違い万円と円の混同問題文の単位を必ず確認

習慣4:中間結果を問題用紙にメモする

複雑な計算では、中間結果を問題用紙の余白にメモしておきましょう。後から検算する際にも、どこで間違えたかを特定しやすくなります。

習慣5:計算順序を決めてから電卓を叩く

いきなり電卓を叩き始めるのではなく、まず計算手順を頭の中(または紙の上)で整理してから計算に入りましょう。これにより、無駄な計算や手戻りを防げます。

習慣6:答えの妥当性を直感で確認する

計算結果が出たら、「この数字は妥当か?」と直感的に確認します。例えば、マンションの収益価格を計算して50億円という結果が出たら、明らかにおかしいと気づけるはずです。

習慣7:電卓の電池残量を確認する

試験前日に電卓の表示が薄くなっていないか確認し、必要であれば電池を交換しましょう。太陽電池式の電卓でも、補助電池が切れると暗い場所で表示が見えなくなることがあります。


日々の練習メニュー

電卓練習のスケジュール

電卓のスキルは練習で確実に向上します。以下のスケジュールで練習しましょう。

期間練習内容1日の練習時間
1〜2週目ブラインドタッチの基礎(加減乗除)10分
3〜4週目メモリ機能・GT機能の練習10分
5〜6週目定数計算・パーセント計算10分
7週目以降試験問題の計算部分を電卓で練習問題演習に組み込む

具体的な練習問題

基礎練習(ブラインドタッチ)

  • 1+2+3+...+100 = 5,050 になることを確認
  • 12345 × 6789 = 83,810,205 を2回計算して一致を確認
  • 9,876,543 ÷ 321 = 30,767.42... を計算

応用練習(メモリ活用)

  • (150 × 3) + (280 × 5) + (90 × 7) = 2,280 をメモリ機能で計算
  • 100万円を年利3%で10年間複利運用した金額を計算(約134.4万円)

実践練習(過去問の計算部分)

  • 過去問の経済学・会計学から計算問題を抽出して電卓練習する
  • 1問あたりの計算時間を測り、短縮を目指す

まとめ

電卓テクニックの向上は、試験の得点力に直結します。本記事のポイントを整理します。

項目ポイント
電卓選び12桁、早打ち対応、メモリ機能付き、試験まで同じ機種を使い続ける
基本操作メモリ機能(M+, M-, MR)、GT機能、定数計算をマスターする
速度向上ブラインドタッチ、概算検算、分数計算のコツを習得する
ミス防止2回計算、桁数意識、中間結果メモ、答えの妥当性確認
日々の練習1日10分の電卓練習を継続、問題演習に組み込む

計算力は一朝一夕には身につきませんが、毎日の積み重ねで確実に向上します。「電卓を味方につける」意識を持ち、試験本番で計算に焦ることのないよう、日頃から練習を重ねましょう。

経済学の攻略法はミクロ経済学の攻略法マクロ経済学の攻略法、過去問の活用法は過去問の使い方ガイドもあわせて参考にしてください。

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