建築協定とは?建築基準法での意味を図でわかりやすく解説
市町村が条例で定めた区域内で、土地の所有者等が全員の合意により、建築物の敷地・位置・構造・用途・形態・意匠・建築設備に関する基準を定め、特定行政庁の認可を受ける協定です(69条〜77条)。つまり、住民が自分たちで結ぶ建て方の約束に、役所の認可で法律上の効力を持たせる仕組みです。
建築協定とは
新しい分譲地で「うちの区域は二階建てまで」「塀は生垣にする」と決めておけば、何年たっても街並みがそろいます。こうした建て方の約束を、その区域の土地の持ち主たちが結び、特定行政庁の認可を受けて法律上の効力を持たせるのが建築協定です。用途地域や地区計画は役所が定めますが、建築協定は住民の合意から出発します。結べるのは市町村が条例でその旨を定めた区域に限られ、当事者は土地の所有者と借地権者(あわせて「土地の所有者等」)です。認可の公告があると、後からその区域の土地を買った人も約束を守らなければなりません。

住民全員で結んだ建て方の約束に、特定行政庁の認可で効力を持たせる。
結ぶには、土地の所有者等の全員の合意が要ります
協定を結ぼうとする土地の所有者等は、建築協定区域、建築物に関する基準、協定の有効期間、協定違反があった場合の措置の四つを定めた建築協定書を作り、代表者を通じて特定行政庁に提出し、認可を受けます(70条1項)。建築協定書には土地の所有者等の全員の合意が要ります(70条3項)。他人の建て方を縛る約束なので、一人でも合意していない人の土地には効力を及ぼせないからです。ただし借地権の目的になっている土地については、実際に建物を建てるのは借地人なので、その土地の所有者を除いた所有者等の合意があれば足ります。土地の共有者や共同借地権者は、合わせて一人の所有者や借地権者と数えます(76条の2)。
所有者等が一人しかいない土地でも、協定を定められます
分譲前の土地は、開発業者一人がすべてを持っていることがよくあります。この場合も、その一人が協定を定めて特定行政庁の認可を受けられます(76条の3)。売り出す前に街並みの約束を決めておけば、買った人は最初から協定つきの土地を手に入れることになります。この協定は、認可の日から3年以内に区域内の土地の所有者等が二人以上になった時から、通常の協定と同じ効力を持ちます。

売る前に開発業者が一人で定めておけば、買った人は最初から協定つき。
変更は全員の合意、廃止は過半数の合意で行います
協定書が提出されると、市町村長は遅滞なく公告し、20日以上の期間を定めて関係人の縦覧に供し、期間の満了後に関係人の出頭を求めて公開の意見聴取を行います(71条・72条)。特定行政庁は、土地や建築物の利用を不当に制限しないなどの条件に当てはまれば認可しなければならず、認可したら公告し、協定書は市町村の事務所で一般の縦覧に供されます(73条)。認可後に区域・基準・有効期間・違反時の措置・隣接地を変更するときは、締結と同じ手続を踏むので全員の合意が要ります(74条)。廃止は所有者等の過半数の合意で、特定行政庁の認可を受けます(76条)。人を縛る約束を新たに作ったり変えたりするには全員、縛りを解くには過半数、というつくりです。

約束を変えるのは全員、やめるのは過半数。
効力は、後から所有者等になった人や建物の借主にも及びます
認可の公告があった建築協定は、公告の日以後にその区域内の土地の所有者等となった人にも効力があります(75条)。買った人の同意は要りません(合意しなかった人から土地を承継した人は除きます)。協定の基準が建物の借主の権限に関わるもの(使いみちや看板など)なら、その借主も土地の所有者等とみなされます(77条)。合意しなかったために効力の及んでいない土地の所有者は、公告の日以後いつでも、特定行政庁に書面で意思を表示して協定に加われます(75条の2)。
市町村は、その区域の一部について、住宅地としての環境又は商店街としての利便を高度に維持増進する等建築物の利用を増進し、かつ、土地の環境を改善するために必要と認める場合においては、土地の所有者及び借地権を有する者(…以下「土地の所有者等」と総称する。)が当該土地について一定の区域を定め、その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する基準についての協定(以下「建築協定」という。)を締結することができる旨を、条例で、定めることができる。
出典: 建築基準法 69条
実務ではこう使う
建築協定のある分譲地は街並みや建物の高さがそろい、住環境が長く保たれるので、地域要因として住宅地の価格水準を支える要素になります。一方、協定の基準(最低敷地面積、階数、用途)は買主も守らなければならないので、取引では重要事項として説明され、評価では法令上の制約と同じように扱います。認可の公告日と有効期間を市町村で確かめ、対象不動産に効力が及んでいるかを見ます。
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