周知の埋蔵文化財包蔵地とは?文化財保護法での意味を図でわかりやすく解説
貝づか、古墳その他埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地です。つまり、市町村の遺跡地図などで「ここを掘れば何か出る」と知られている土地のことで、ここで土木工事など調査以外の目的で掘るときは、着手の60日前までに文化庁長官へ届け出ます。
周知の埋蔵文化財包蔵地とは
家を建てようと土地を買ったら、不動産会社から「この土地は包蔵地なので、工事の前に届出が要ります」と言われることがあります。市町村が作る遺跡地図には、貝づかや古墳、昔の集落の跡があると分かっている範囲が塗られていて、全国の市街地にも広く分布しています。この、埋蔵文化財があると周知されている土地が周知の埋蔵文化財包蔵地です。ここで家の基礎や道路の工事のように調査以外の目的で地面を掘るときは、遺跡を壊す前に国が記録を取れるように、前もって届け出ることになっています。

遺跡があると知られている土地で工事をするなら、60日前までに届出。
土木工事など調査以外の目的で掘るなら、60日前までに届け出ます
土木工事その他埋蔵文化財の調査以外の目的で周知の埋蔵文化財包蔵地を発掘しようとする場合には、調査のための発掘の届出の規定(92条1項)を準用し、「30日前」を「60日前」と読み替えます(93条1項)。届出先は文化庁長官で、届出の受理や指示の事務は政令により都道府県の教育委員会(指定都市の区域内は指定都市の教育委員会)が行います(施行令5条2項)。調査の発掘が30日前なのに工事の発掘が60日前と長いのは、工事で壊れる前に試掘や記録の調査を組み込む時間が要るからです。
届出を受けた文化庁長官は、記録の作成のための発掘調査などを指示できます
埋蔵文化財の保護上特に必要があると認めるときは、文化庁長官は、届出のあった発掘について、発掘前に埋蔵文化財の記録を作成するための発掘調査の実施その他の必要な事項を指示できます(93条2項)。工事の場合は、調査の発掘と違って禁止や停止の命令の定めはなく、指示までです。工事そのものを止めるのではなく、壊れる前に記録を残すことをねらいにしているからです。この指示で発掘調査が入ると、工期が延び、費用は原則として事業者の負担になります。

工事は止めないが、壊れる前に記録を取る発掘調査を指示する。
国の機関や地方公共団体が掘るときは、届出ではなく通知と協議です
国の機関、地方公共団体、政令で定める国や地方公共団体の設立に係る法人が、工事の目的で周知の埋蔵文化財包蔵地を発掘しようとするときは、届出の規定は適用されず、事業計画の策定に当たってあらかじめ文化庁長官に通知します(94条1項)。文化庁長官は、保護上特に必要があれば協議を求める旨の通知をし、通知を受けた国の機関等は協議しなければなりません(94条2項・3項)。民間は届出、公共は通知と協議、という組合せです。
土木工事その他埋蔵文化財の調査以外の目的で、貝づか、古墳その他埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地(以下「周知の埋蔵文化財包蔵地」という。)を発掘しようとする場合には、前条第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日前」とあるのは、「六十日前」と読み替えるものとする。
出典: 文化財保護法 93条1項
実務ではこう使う
遺跡地図に載る土地は全国の市街地に広く分布し、住宅の建築でも60日前の届出が要ります。試掘で遺構が出れば本発掘となり、工期が延び、記録保存の調査費用は原則として事業者の負担です。鑑定評価では、対象地が包蔵地に当たるかを市町村の教育委員会で照会し、当たるなら発掘調査の期間と費用を開発の前提として個別的要因に書きます。買主が知らずに契約した場合の紛争も多く、重要事項の確認項目になっています。
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