特定街区とは?建築基準法での意味を図でわかりやすく解説
都市計画で容積率、高さの最高限度、壁面の位置の制限を定めた街区で、建築基準法60条により、その中の建築物はこの三つの限度に従い、代わりに容積率から総合設計までの一般の規定が適用されません。つまり、街区専用の枠が用途地域の枠と入れ替わります。
特定街区とは
霞が関や新宿のような超高層ビルは、用途地域ごとに一律に掛かる容積率や斜線制限のままでは建ちません。そこで都市計画法は、一つの街区を単位にして、その街区だけの容積率・高さの最高限度・壁面の位置の制限を都市計画で定める特定街区の制度を用意しています。建築基準法60条は、その街区の中で建てる側のルールです。街区の中の建築物は、都市計画で定めた三つの限度に従い、その代わりに容積率から総合設計までの一般の規定は適用されません。役所の窓口では、用途地域の表ではなく特定街区の都市計画図と図面を見比べることになります。

街区の中の建物は、都市計画で定めた容積率・高さ・壁面の位置の三つに従う。
容積率と高さは、都市計画で定めた限度以下に収めます
60条1項は、特定街区内の建築物の容積率と高さは、特定街区に関する都市計画で定められた限度以下でなければならない、と定めています。用途地域の容積率は地域全体に同じ数字を掛けますが、特定街区では街区ごとに定めた数字がその街区の上限になります。2項は、建築物の壁またはこれに代わる柱を、都市計画で定めた壁面の位置の制限に反して建築してはならない、と定めています。壁を道路から下げて広場や歩道状の空地を残す代わりに、上に高く積める仕組みです。
壁面の位置の制限は、地盤面下の部分と歩廊の柱には掛かりません
60条2項のかっこ書は、建築物の地盤面下の部分と、国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを、壁面の位置の制限から除いています。壁面の位置の制限は、地上の街並みと歩く人のための空間を守る決まりです。地下駐車場の壁が地上の壁面より道路側に広がっても、屋根付きの歩廊の細い柱が空地に立っても、その目的は損なわれません。だから地上の壁だけを縛り、地下と歩廊の柱は自由にしています。

地盤面下の部分と歩廊の柱は、壁面の位置の制限から外れる。
容積率から総合設計までは外れ、壁面線の制限は残ります
60条3項は、特定街区内の建築物には52条から59条の2まで、それに60条の3第1項・2項の規定を適用しない、と定めています。容積率、建蔽率、敷地面積の最低限度、外壁の後退距離、絶対高さ、斜線、日影、高度地区、高度利用地区、総合設計が、街区の中ではまとめて外れます。街区専用の枠を都市計画で決めたのだから、用途地域の一般の枠と二重に掛ける必要がないからです。一方、46条・47条の壁面線による建築制限はこの範囲に入っていないので、特定行政庁が壁面線を指定していれば特定街区の中でも守ります。用途制限(48条)も同じく残ります。

容積率や斜線の規定は外れても、壁面線の制限は残る。
(1項)特定街区内においては、建築物の容積率及び高さは、特定街区に関する都市計画において定められた限度以下でなければならない。(3項)特定街区内の建築物については、第五十二条から前条まで並びに第六十条の三第一項及び第二項の規定は、適用しない。
出典: 建築基準法 60条1項・3項
実務ではこう使う
特定街区で建った超高層ビルは、周りの街区より容積率が大きく、足元に広場や歩道状の空地を持っています。評価では用途地域の指定容積率ではなく、特定街区の都市計画で定めた容積率と高さを役所で確かめ、評価書の公法上の規制の欄に決定内容を書きます。建替えのときも同じ街区の枠が前提になるので、空地の維持義務とあわせて確認します。
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