汚染土壌の搬出とは?土壌汚染対策法での意味を図でわかりやすく解説
要措置区域等内の土地の汚染土壌を、その区域の外へ運び出すことです。搬出する者は着手の14日前までに都道府県知事に届け出、運搬は環境省令の基準に従い、処理は知事の許可を受けた汚染土壌処理業者に委託しなければなりません(16条〜18条)。
汚染土壌の搬出とは
区域に指定された土地を開発するとき、掘り出した汚れた土をどうするかが問題になります。区域の中に置いてある限り、その土は台帳に載り、掘るときの規制で管理されています。ところが区域の外へトラックで運び出せば、行き先の土地で新しい汚染を生むおそれがあります。そこで法律は、区域の外へ出す場面を「汚染土壌の搬出」と呼び、出す前の届出、運び方の基準、処理先の限定、管理票による追跡、処理業の許可という一連の縛りを置いています。

区域の外へ出る土は、出す前に届け、運び方と処理先を縛る。
搬出は着手の14日前までに知事に届け出ます
16条1項は、要措置区域等内の土地の汚染土壌を区域外へ搬出しようとする者は、搬出に着手する日の14日前までに、汚染状態、体積、運搬の方法、運搬する者、処理する者と施設の所在地、着手予定日などを都道府県知事に届け出なければならない、と定めています。委託を受けて運搬だけを行う者は届出の主体から外れ、非常災害の応急措置と試験研究のための搬出は届出を要しません。応急措置として搬出した者は、搬出した日から14日以内に届け出ます(16条3項)。知事は届出から14日以内に限り、運搬方法の変更や処理業者への委託を命ずることができます(16条4項)。区域の外で3,000㎡以上の形質の変更をするときの届出(4条1項)が30日前なのと違い、区域の中の手続はどれも14日です。
運搬は環境省令の基準に従い、例外は非常災害の応急措置だけです
17条は、要措置区域等外において汚染土壌を運搬する者は、環境省令で定める汚染土壌の運搬に関する基準に従って運搬しなければならない、と定め、非常災害のために必要な応急措置として運搬する場合だけを例外としています。飛散や地下への浸透を防ぐ、車両に汚染土壌を運んでいる旨を表示する、積替えは囲いと表示のある場所で行う、といったことが基準の中身です(施行規則65条)。届出の例外には試験研究のための搬出も含まれますが、運搬の基準に試験研究の例外はありません。
処理は許可業者に委託し、量が少なくても免除されません
18条1項は、汚染土壌を要措置区域等外へ搬出する者は、その処理を汚染土壌処理業者に委託しなければならない、と定めています。例外は、搬出者自身が汚染土壌処理業者で自ら処理する場合、自然由来等の土壌を同様の区域内の形質の変更に使う場合、一の調査に基づき指定された複数の区域の間で使う場合、非常災害の応急措置、試験研究の五つで、搬出量が少ないことによる免除はありません。少しの土でも含まれている有害物質は同じだからです。汚染土壌の処理を業として行うには、施設ごとに所在地の都道府県知事の許可が要り、許可は5年ごとに更新します(22条1項・4項)。

少しの土でも有害物質は同じだから、量による免除はない。
管理票で運搬と処理の終了を確かめます
20条1項は、搬出する者が運搬や処理を他人に委託するときは、汚染土壌の引渡しと同時に、汚染状態と体積、受託者の名称などを記載した管理票を交付しなければならない、と定めています。運搬を終えた者、処理を終えた者は、それぞれ管理票に記載して写しを交付者に送り返し、交付者はその写しで終了を確かめて保存します(20条3項〜5項)。期間内に写しが戻らないときは、状況を把握して知事に届け出ます(20条6項)。土がどこへ行ったかを紙で追えるので、途中で捨てられることを防げます。

土がどこへ行ったかを管理票の写しで追えるから、途中で捨てられない。
要措置区域又は形質変更時要届出区域(以下「要措置区域等」という。)内の土地の土壌(…以下「汚染土壌」という。)を当該要措置区域等外へ搬出しようとする者(その委託を受けて当該汚染土壌の運搬のみを行おうとする者を除く。)は、当該汚染土壌の搬出に着手する日の十四日前までに、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として当該搬出を行う場合及び汚染土壌を試験研究の用に供するために当該搬出を行う場合は、この限りでない。
出典: 土壌汚染対策法 16条1項
実務ではこう使う
区域指定された土地を開発するときは、掘削した汚染土壌の処理費が事業採算を左右します。処理業者の施設までの運搬距離と処理単価で費用が大きく変わるため、開発法による評価では搬出量と単価の見積りが要ります。自然由来の汚染土壌を同じ区域内の工事に使う例外は、大規模な造成地で費用を抑える手掛かりになります。
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