河川区域とは?河川法での意味を図でわかりやすく解説
河川の流水が継続して存する土地、河川管理施設の敷地、堤外の土地のうち河川管理者が指定した区域の三つからなる、河川法の規制がかかる土地の範囲です。つまり、水が流れている所と堤防など、川として一体で管理する土地の全部です。
河川区域とは
川の敷地は、水が流れている所だけではありません。水面のわきの河原や、堤防そのもの、堤防と水面の間の土地も、洪水のときには一体となって水を流します。そこで河川法は、流水が継続して存する土地、堤防やダムなど河川管理施設の敷地、そして堤外の土地のうち河川管理者が指定した区域の三つをまとめて河川区域と定めています(6条1項)。一級河川は国土交通大臣、二級河川は都道府県知事が河川管理者です(9条・10条)。この区域の中では、土地を占用する、工作物を建てる、土を掘る・盛るといった行為に河川管理者の許可が要ります。工作物や掘削の許可は、民有地でも同じです。

洪水のとき一体で水を流す土地だから、堤防まで含めて河川区域。
三つの区域のうち、指定が要るのは堤外の土地だけです
一つ目は、河川の流水が継続して存する土地と、地形や草木の生え方がそれに類する状況の土地の区域で、河岸を含み、洪水などで一時的にそうなった土地は除きます(6条1項1号)。二つ目は、堤防やダムなど河川管理施設の敷地である土地の区域です(2号)。三つ目は、堤外の土地のうち、一つ目の区域と一体として管理する必要があるとして河川管理者が指定した区域です(3号)。指定という手続が要るのは三つ目だけで、一つ目と二つ目は法律の定めによってそのまま河川区域になります。河川管理施設の敷地なら、地上のものでも地下のものでも指定は要りません。
占用と土石採取は、自らの権原で管理する土地を除いて許可が要ります
河川区域内の土地を占用しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません(24条)。ただし条文のかっこ書は、河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地を除いており、土石の採取(25条)にも同じ除外が及びます。自分の土地を自分で使うことまで占用として許可させる必要はないからです。占用の許可を受けた者からは、その河川の存する都道府県の知事が土地占用料などを徴収し、それは都道府県の収入になります(32条1項・3項)。一級河川で許可を出すのは国土交通大臣ですが、徴収するのは知事で、大臣は許可をしたら速やかに知事に通知します(32条4項)。

許可は河川管理者、占用料はその県の収入だから徴収は知事。
工作物と土地の形状変更は、自分の土地でも許可が要ります
河川区域内の土地で工作物を新築し、改築し、または除却しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません(26条1項)。土地の掘削、盛土、切土その他土地の形状を変更する行為と、竹木の栽植または伐採も同じです(27条1項)。こちらには占用のような権原による除外がないので、自分の土地でも許可が要ります。工作物や地形の変化は、誰の土地であっても洪水のときの水の流れを変えてしまうからです。ただし政令で定める軽易な行為は除かれます。
高規格堤防特別区域では、許可の要る行為が減ります
高規格堤防は、敷地の大部分が通常の利用に供されても計画高水流量を超える洪水に耐えられる、幅の広い堤防です。河川管理者は、その敷地のうち通常の利用ができる土地の区域を高規格堤防特別区域として指定します(6条2項)。この区域では、基礎ぐいや電柱などの棒状の工作物の新築・改築や、地表から1メートル以内の地下の工作物の新築などに許可が要らず(26条2項)、盛土、竹木の栽植・伐採、深さ1.5メートル以内の掘削で直ちに埋め戻すものなども許可が要りません(27条2項)。堤防の上に家や公園を作って使わせるための堤防なので、堤防の機能を損なわない行為までは縛らないという仕組みです。

上に家が建つ堤防。機能を損なわない行為には許可が要らない。
この法律において「河川区域」とは、次の各号に掲げる区域をいう。一 河川の流水が継続して存する土地及び地形、草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地に類する状況を呈している土地(河岸の土地を含み、洪水その他異常な天然現象により一時的に当該状況を呈している土地を除く。)の区域 二 河川管理施設の敷地である土地の区域 三 堤外の土地(…)の区域のうち、第一号に掲げる区域と一体として管理を行う必要があるものとして河川管理者が指定した区域
出典: 河川法 6条1項
実務ではこう使う
河川区域内の土地は民有地でも河川法の許可なしに建物を建てられないので、河川に接する土地の評価では、河川区域の境界を河川管理者の図面で確かめます。堤防の内側の宅地でも、河川保全区域や高規格堤防特別区域に入っていれば制限の内容が変わります。占用許可を受けて使っている土地なら、占用料の額も収益に影響します。
関連用語
短答式対策
肢別トレーニングで行政法規を攻略
過去問をベースにした一問一答形式のトレーニング。 行政法規の頻出論点を効率的に学べます。
年額プランなら1日わずか27円