正常な価格とは?地価公示法での意味を図でわかりやすく解説
土地について、自由な取引が行われるとした場合にその取引において通常成立すると認められる価格で、建物その他の定着物や、地上権など土地の使用収益を制限する権利があるときは、それらが存しないものとして求めます。つまり、建物も借地権も無い更地として売ったらいくらか、という価格です。
正常な価格とは
同じ土地でも、古い家が建っていたり、借地人が住んでいたりすると、実際に売れる値段は変わります。地価公示は「土地そのもの」の価格を全国で比べられるようにする制度なので、そうした事情をいったん外して考えます。建物があっても無いものとして、借地権が付いていても無いものとして、自由に売り買いしたらいくらになるかを求めます。これが地価公示法の正常な価格です。土地鑑定委員会が標準地について判定するのは、この価格の1平方メートル当たりの額です。

建物も権利も存しないものとして見るから、正常な価格は更地の価格。
建物や権利は存しないものとして、更地の価格を求めます
2条2項は、土地に建物その他の定着物がある場合、または地上権その他その土地の使用や収益を制限する権利が存する場合には、これらの定着物又は権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格をいう、と定めています。標準地は選ばれた時点で家が建っていることも多いのですが、価格を判定するときは建物を消して、土地だけを見ます。借地権が付いていれば、その権利も無いものとします。建物の使い方が合理的かどうか、建物と土地を一体で売るのが自然かどうかは関係なく、地価公示ではこの前提を変えません。
農地や森林のままの取引は除き、宅地にする取引は含めます
2条2項のかっこ書は、農地、採草放牧地又は森林の取引を「自由な取引」から除いています。田んぼを田んぼとして売る値段は、宅地の価格の目安にならないからです。ただし、そのかっこ書の中にもう一つかっこ書があり、農地、採草放牧地及び森林以外のものとするための取引はこの除外から外されています。森林を買って宅地に造成するための取引なら、宅地としての価格が成立するので、正常な価格を考える取引に含めます。除くものを先に書き、そこから戻すものを次に書く二重の構造です。

森林のままの取引は除くが、宅地にするための取引は宅地の価格になるから含める。
単位面積当たりの価格を、毎年1月1日を基準日に判定します
2条1項は、委員会が毎年一回、一定の基準日における標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定する、と定めています。基準日は施行規則2条で1月1日とされ、公示は3月に行われます。判定するのは1平方メートル当たりの価格で、その土地全体の総額ではありません。広さの違う土地どうしを比べるには、単価でそろえておく必要があるからです。総額を知りたければ、公示される地積を掛ければ見当がつきます。

広さの違う土地を比べるには単価でそろえるから、1平方メートル当たりで判定する。
前項の「正常な価格」とは、土地について、自由な取引が行なわれるとした場合におけるその取引(農地、採草放牧地又は森林の取引(農地、採草放牧地及び森林以外のものとするための取引を除く。)を除く。)において通常成立すると認められる価格(当該土地に建物その他の定着物がある場合又は当該土地に関して地上権その他当該土地の使用若しくは収益を制限する権利が存する場合には、これらの定着物又は権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格)をいう。
出典: 地価公示法 2条2項
実務ではこう使う
公示価格を規準にするときは、対象地のほうも建物や借地権を外した更地の価格に置き直してから標準地と比べます。建付地や底地の評価では、まず更地としての価格を求め、そこから建物や権利の影響を考える流れになります。鑑定評価基準の「正常価格」と考え方は同じですが、地価公示法の正常な価格は土地だけを対象にした更地の単価です。
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