規準とは?地価公示法での意味を図でわかりやすく解説
公示価格を規準とするとは、対象土地の価格を求めるにあたり、対象土地とこれに類似する利用価値を有する一又は二以上の標準地との間で、位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因を比較し、その結果に基づいて標準地の公示価格と対象土地の価格との間に均衡を保たせることです(11条)。つまり、公示価格を出発...
規準とは
近所の標準地が1平方メートル25万円と公示されているとき、自分の土地の値段はいくらか。同じ25万円と決めつけるのではなく、標準地より駅に近いか、角地か、形は良いかを一つずつ比べ、その差の分だけ上げ下げして価格を出します。こうして標準地の公示価格と自分の土地の価格をつり合わせることを、地価公示法は「規準とする」と呼びます。不動産鑑定士と、土地を収用できる事業者に義務づけられた手順です。「基準」ではなく「規準」と書きます。

位置や地積、環境の要因を標準地と比べて、公示価格とつり合わせる。
位置や地積、環境の要因を比べて、均衡を保たせます
11条は、規準とするとは、対象土地と類似する利用価値を有する一又は二以上の標準地との、位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行い、その結果に基づいて標準地の公示価格と対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいう、と定めています。公示価格をそのまま写すのではなく、公示価格を離れて勝手に決めるのでもありません。標準地との違いを要因ごとに数え上げ、その分だけ増減させた価格を出します。比べる標準地は一つでも二つ以上でもよく、対象土地の価格も、建物や権利が存しないものとして求めます。
比べる相手は、距離ではなく利用価値の似た標準地です
11条が比べる相手としているのは、対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地です。住宅地を評価するなら、隣の通りにある商業地の標準地より、少し離れていても同じような住宅地の標準地を選びます。使われ方が違う土地と比べても、要因の差を数え上げられないからです。条文は「最も近接する標準地」とは書いていません。

近さではなく使われ方の似た標準地と比べるから、離れた住宅地の標準地を選ぶ。
義務がかかるのは、公示区域内で正常な価格を求めるときです
8条が不動産鑑定士に規準を義務づけるのは、公示区域内の土地について鑑定評価を行い、その土地の正常な価格を求めるときです。公示区域の外には標準地がないので、比べる相手がなく、義務もかかりません。求める価格が正常な価格でないとき、限定価格や特定価格を求めるときも、この条文の対象ではありません。9条と10条の収用できる事業者の義務も、公示区域内の土地について課されます。
取引を行う者の「指標」とは、言葉も強さも違います
1条の2で一般の土地の取引を行う者に求められるのは、公示価格を「指標」として取引を行うよう「努める」ことです。鑑定士と事業者に課される「規準としなければならない」とは、言葉も強さも違います。専門家と公金を使う事業者には公示価格との整合を義務として求め、私人の取引には目安を示すにとどめる、という使い分けです。9条の取得価格は「規準とする」、10条の補償金は「規準として算定した価格を考慮する」と、事業者の中でも書き方が一段違います。
前三条の場合において、公示価格を規準とするとは、対象土地の価格(当該土地に建物その他の定着物がある場合又は当該土地に関して地上権その他当該土地の使用若しくは収益を制限する権利が存する場合には、これらの定着物又は権利が存しないものとして成立すると認められる価格)を求めるに際して、当該対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる一又は二以上の標準地との位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行ない、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいう。
出典: 地価公示法 11条
実務ではこう使う
鑑定評価書には、比較した標準地の番号と公示価格、位置や地積、環境などの要因ごとの比較の内訳、規準として求めた価格を書きます。対象地の用途に合う標準地が近くに無いときは、少し離れた同じ用途の標準地を選び、二つ以上を使うこともあります。規準として求めた価格と取引事例比較法などの試算価格を並べて、鑑定評価額を決めます。
関連用語
短答式対策
肢別トレーニングで行政法規を攻略
過去問をベースにした一問一答形式のトレーニング。 行政法規の頻出論点を効率的に学べます。
年額プランなら1日わずか27円