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車椅子使用者用客室とは?高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律での意味を図でわかりやすく解説

ホテル又は旅館に設ける、車椅子使用者が円滑に利用できる客室です。建築物移動等円滑化基準の一つで、客室の総数が50以上の場合に、総数の100分の1以上(端数切上げ)を設けなければなりません。

車椅子使用者用客室とは

車椅子で旅をすると、部屋の入口の幅、ベッド脇で回れる広さ、便所の手すり、浴室の段差で泊まれるかどうかが決まります。そこで建築物移動等円滑化基準は、ホテルや旅館に、車椅子のまま入って使える客室を一定の割合で用意することを求めています。客室が60室なら1室、150室なら2室です。ただしこの基準が「義務」として働くのは、ホテル・旅館という特別特定建築物を床面積2,000㎡以上で建築するときだけなので、小さなホテルなら客室が多くても義務にはなりません。

車椅子使用者用客室の図解:客室総数の1%以上を車椅子で使える客室に。入口は80cm以上。

客室総数の1%以上を車椅子で使える客室に。入口は80cm以上。

客室の総数が50以上なら、総数の100分の1以上を設けます

施行令16条1項は、ホテル又は旅館には、客室の総数が50以上の場合、車椅子使用者用客室を客室の総数に100分の1を乗じて得た数(1未満の端数は切上げ)以上設けなければならない、と定めます。客室60なら0.6を切り上げて1室、150なら1.5を切り上げて2室です。客室が49以下のホテルには、この基準はかかりません。以前は50室以上なら1室以上とされていましたが、大きなホテルほど多く求める割合の基準に改められています。

義務になるのは、床面積2,000㎡以上の建築のときだけです

この基準は14条1項の適合義務の中身なので、ホテル・旅館の床面積の合計2,000㎡以上の建築(施行令9条)でなければ義務になりません。1,500㎡で客室60のホテルを新築しても、条例で規模が引き下げられていない限り、車椅子使用者用客室を設ける義務はありません。2,500㎡で客室60なら、面積も客室数も基準に達するので1室以上が必要です。面積の条件と客室数の条件は別々の入口で、両方をくぐったときに義務になります。

車椅子使用者用客室の図解:1,500㎡・60室は義務なし、2,500㎡・60室は1室必要。

1,500㎡・60室は義務なし、2,500㎡・60室は1室必要。

客室の中には、車椅子で使える便所と浴室を設けます

施行令16条2項は、車椅子使用者用客室の便所には車椅子使用者用便房を設け、便所と便房の出入口は幅80cm以上で、戸を設けるなら車椅子使用者が容易に開閉して通過できる構造で前後に高低差がないこと、浴室又はシャワー室は車椅子使用者が円滑に利用できる構造とすることを求めます。同じ階に車椅子使用者用便房のある共用の便所が一つ以上あれば客室内の便所は省け、建物内に車椅子で使える共用の浴室があれば客室内の浴室も省けます。

駐車場と劇場の客席にも、同じ「数の基準」があります

施行令18条は、不特定多数が利用する駐車場に、駐車施設200以下なら100分の2、200を超えるなら100分の1に2を加えた数以上の車椅子使用者用駐車施設を求めます。施行令15条は劇場等の客席に、座席400以下なら2以上、400を超えれば200分の1以上の車椅子使用者用部分を求めます。どれも数を決め打ちせず、規模に応じた割合で決めている点が共通です。

ホテル又は旅館には、客室の総数が五十以上の場合は、車椅子使用者が円滑に利用できる客室(以下「車椅子使用者用客室」という。)を客室の総数に百分の一を乗じて得た数(その数に一未満の端数があるときは、その端数を切り上げた数)以上設けなければならない。

出典: バリアフリー法施行令 16条1項

実務ではこう使う

ホテルの評価では、車椅子使用者用客室は面積が大きく稼働率が一般客室より低いことが多いため、客室構成を見るときに位置付けを確認します。2,000㎡以上の新築や大規模な増築では設置が義務になるので、事業計画の客室数と面積に応じた室数を見込みます。既存ホテルが基準以前の建物なら、改修時に義務が生じるかを増築・用途変更の面積で確かめます。

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