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建築物移動等円滑化基準とは?高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律での意味を図でわかりやすく解説

移動等円滑化のために必要な建築物特定施設(出入口・廊下・階段・傾斜路・エレベーター・便所・客席・客室・敷地内の通路・駐車場)の構造及び配置について、政令で定める基準です。つまり、高齢者や障害者が建物の中を移動して設備を使えるための最低限のつくりを決めたもので、特別特定建築物には適合義務、特定建築物には努...

建築物移動等円滑化基準とは

車椅子で建物に入ると、まず玄関の段差、次に廊下の幅、エレベーターのボタンの高さ、便所の広さで困ります。目が見えない人なら、階段の始まりや便所の場所が分からないことが壁になります。こうした「建物の中の移動と設備の利用」に関わる部分を建築物特定施設と呼び、その一つひとつについて、どんな構造でどこに置くかを政令が決めたものが建築物移動等円滑化基準です。階段には踊場を除いて手すりを付ける、廊下の幅は120cm以上、といった具体的な数字が施行令11条から25条に並びます。

建築物移動等円滑化基準の図解:出入口・廊下・階段・エレベーター・便所。建物の中の移動に関わる場所ごとに基準がある。

出入口・廊下・階段・エレベーター・便所。建物の中の移動に関わる場所ごとに基準がある。

施行令が、建築物特定施設ごとに構造と配置の中身を定めています

14条1項は「移動等円滑化のために必要な建築物特定施設の構造及び配置に関する政令で定める基準」を建築物移動等円滑化基準と呼びます。建築物特定施設は、出入口、廊下等、階段、傾斜路、エレベーターその他の昇降機、便所、劇場等の客席、ホテル・旅館の客室、敷地内の通路、駐車場などです(2条20号、施行令6条)。施行令10条が、その基準は11条から25条までに定めるところによる、と受けています。基準の中身は最低限の線で、これを超えて誘導すべき水準は別に主務省令で建築物移動等円滑化誘導基準として定められ、認定に使われます(17条3項1号)。

階段の手すりは踊場を除き、傾斜路の手すりは急な部分だけです

不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する階段は、踊場を除いて手すりを設け、表面を滑りにくくし、段を色で見分けやすくし、主たる階段は回り階段にしないこととされています(施行令12条)。踊場は平らで歩く場所なので、手すりを求める必要がありません。階段に代わる傾斜路は、勾配が12分の1を超えるか高さが16cmを超える部分に手すりを設けます(施行令13条)。緩くて低い傾斜路には、手すりが無くても支障が小さいからです。

建築物移動等円滑化基準の図解:階段の手すりは踊場を除く。傾斜路は急な部分だけ。

階段の手すりは踊場を除く。傾斜路は急な部分だけ。

点字などの案内設備は、案内所を設ければ要りません

建築物や敷地には、移動等円滑化の措置がとられたエレベーターや便所、駐車施設の配置を表示した案内板を設け、さらにエレベーターと便所の配置を点字その他の方法で視覚障害者に示す設備を設けなければなりません(施行令21条1項・2項)。案内板は配置を容易に視認できる場合は不要です。案内所を設ける場合には、案内板も点字の設備も要りません(同条3項)。人が案内できる場所があれば、設備で示す目的が果たされているからです。

建築物移動等円滑化基準の図解:点字の案内設備は、案内所があれば要らない。

点字の案内設備は、案内所があれば要らない。

建てるときだけでなく、建てた後の維持にも及びます

特別特定建築物の建築主等は、建てるときに適合させるだけでなく、所有し、管理し、占有する建物を基準に適合するように維持しなければなりません(14条2項)。竣工の検査のためだけにスロープを置き、後で撤去するようなことを防ぐためです。地方公共団体は条例で基準に必要な事項を付加できますが、緩和はできません(14条3項)。

建築主等は、特別特定建築物の政令で定める規模以上の建築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。)をしようとするときは、当該特別特定建築物を、移動等円滑化のために必要な建築物特定施設の構造及び配置に関する政令で定める基準(以下「建築物移動等円滑化基準」という。)に適合させなければならない。

出典: バリアフリー法 14条1項

実務ではこう使う

基準は建築確認の審査項目(建築基準関係規定)なので、2,000㎡以上の特別特定建築物では確認済証と検査済証が基準適合の一応の裏付けになります。既存建物の遵法性を見るときは、増築や用途変更の履歴と、その時点で基準が適用されたかを追います。誘導基準まで満たした認定建築物は容積率の特例を受けていることがあるので、延べ面積の見方に注意します。

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