地域分析とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
対象不動産がどのような地域にあり、その地域と市場がどのような特性を持ち、それが地域内の不動産の利用形態と価格形成に全般的にどのような影響力を持つかを分析し、判定することです。つまり、値段を付ける前に、対象不動産のある街とその買い手の顔を先に見極める作業で、結論は近隣地域の標準的使用です。
地域分析とは
家を買うとき、その家だけを見て値段が高いか安いかは分かりません。駅までの距離、通りに並ぶ家の様子、そこを買っていく人がどんな家族かまで見て、初めて「このあたりならこの値段」と言えます。鑑定評価でも同じで、対象不動産に値を付ける前に、それがどのような地域にあり、その地域と市場がどのような特性を持ち、価格にどう効いているかを見極めます。これが地域分析です。ここで判定するのは近隣地域の標準的使用、つまりその地域の不動産の普通の使われ方で、対象不動産そのものの最有効使用は次の個別分析で判定します。

値段を付ける前に、街の使われ方と買い手の顔を見極める。
地域分析は、地域と市場の特性が価格にどう効くかまで見ます
基準の定義は四つの要素で組み立てられています。対象不動産がどのような地域に存するか、その地域はどのような特性を有するか、対象不動産に係る市場はどのような特性を有するか、そしてそれらの特性が地域内の不動産の利用形態と価格形成に全般的にどのような影響力を持つか、です。地域の顔だけでなく、その地域の買い手や売り手がどんな人で何を重視して値段を決めているかという市場の特性まで定義に入っています。基準は理由を書いていませんが、同じ街並みでも買い手が違えば使われ方も値段も変わるためと考えられます。「その地域内の不動産」とあるとおり、見るのは対象不動産一つではなく、地域に属する不動産の全般です。
地域分析の結論は、近隣地域の標準的使用です
近隣地域の特性は、通常、その地域に属する不動産の一般的な標準的使用に具体的に現れます。基準は、市場の特性の把握の結果を踏まえて、地域要因と標準的使用の現状と将来の動向をあわせて分析し、標準的使用を判定しなければならないと定めています。この標準的使用は、利用形態から見た地域相互間の相対的位置関係と価格形成を明らかにする手掛りになり、さらに地域内の各不動産の最有効使用を判定する有力な標準になります。対象不動産そのものの最有効使用を判定するのは個別分析で、地域分析はその土台を作る仕事です。
近隣地域は、明確化してから特性を把握します
留意事項は、近隣地域の地域分析を、まず対象不動産の存する近隣地域を明確化し、次いでその近隣地域がどのような特性を有するかを把握すること、と二段に分けています。明確化と特性の把握では、対象不動産を中心に外へ外へと広がる地域について、市場の特性を踏まえて地域要因をくり返し調査分析し、どこまでが同じでどこから違うかを明らかにします。最終的に地域要因を共通にする地域を取り出す作業なので、近隣地域になりそうな範囲だけでなく、その周りの他の地域も併せて広域的に分析します。近隣地域の相対的位置は、同一需給圏内の類似地域の地域要因と比べて格差を判定することで把握します。こうした分析の前提として、市場の特性や近隣地域を含む広域的な地域要因を把握しておく必要があるので、日常から広域的な地域の要因資料を集めておかなければなりません。

対象地から外へ外へと調べ、地域要因が同じ範囲を取り出す。
地域は動くので、評価のたびに分析をやり直します
不動産の属する地域は固定的なものではなく、地域の特性を形成する地域要因も常に変動します。駅ができれば住宅街の一角が店に変わり、工場が閉じれば跡地にマンションが建ちます。だから基準は、地域要因と標準的使用の現状だけでなく将来の動向もあわせて分析することを求めています。以前に鑑定評価をしたことのある不動産でも、その間に地域要因が変わっている可能性があるので、その都度地域分析を行って標準的使用を判定し直します。

前に評価した土地でも、街が変われば地域分析はやり直し。
地域分析とは、その対象不動産がどのような地域に存するか、その地域はどのような特性を有するか、また、対象不動産に係る市場はどのような特性を有するか、及びそれらの特性はその地域内の不動産の利用形態と価格形成について全般的にどのような影響力を持っているかを分析し、判定することをいう。
出典: 総論第6章 第1節
実務ではこう使う
現地では、対象地を中心に歩きながら、住宅・店舗・工場といった使われ方が切り替わる境目を探し、地図と都市計画図で裏を取って近隣地域の範囲を決めます。並行して、その地域の買い手はどんな人で何を見て値段を決めているかを不動産業者への聴き取りで確かめます。評価書には同一需給圏と近隣地域の範囲及び状況を書き、標準的使用の判定につなげます。
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