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沿道区域とは?道路法での意味を図でわかりやすく解説

沿道区域とは、沿道の土地、竹木又は工作物が道路の構造に及ぼす損害を予防し、交通に及ぼす危険を防止するため、道路管理者が道路に接続する区域に指定する区域です。つまり、崖崩れや倒木から道路を守るために、道路の各一側20メートルまでの範囲に設ける見張りの区域です。

沿道区域とは

山あいの道路を走ると、路肩のすぐ上に崖や大木、古い石垣が迫っている場所があります。大雨で崖が崩れたり木が倒れたりすれば、道路が壊れ、通っている車が事故に遭います。ところが、その崖や木は道路管理者のものではなく、沿道の地主のものです。そこで道路法は、道路に接する土地を「沿道区域」として指定し、地主に損害を防ぐ手当てを求め、必要なときは道路管理者が命令できる仕組みを置きました。

沿道区域の図解:崖や木が道路に倒れてこないように、道路に接する20mまでを沿道区域に指定する。

崖や木が道路に倒れてこないように、道路に接する20mまでを沿道区域に指定する。

指定するのは道路管理者で、各一側20メートルまでです

道路管理者は、道路に接続する区域を、条例(指定区間内の国道は政令)で定める基準に従い、沿道区域として指定することができます(44条1項)。ただし、道路の各一側について幅20メートルを超える区域は指定できません。指定するときは、区域と、措置の対象になる土地、竹木、工作物を定めて、遅滞なく公示します(44条2項)。指定区間内の国道の基準は施行令35条の3にあり、落石や土砂の崩壊、竹木の倒伏などのおそれがある土地について、必要な最小限度で指定するとしています。

防ぐ義務を負うのは、沿道の土地・竹木・工作物の管理者です

沿道区域内にある土地、竹木又は工作物の管理者は、それらが道路の構造に損害を及ぼし、又は交通に危険を及ぼすおそれがあると認められる場合には、損害又は危険を防止するための施設の設置その他必要な措置を講じなければなりません(44条3項)。義務を負うのは沿道の地主や所有者で、道路管理者ではありません。条文に理由は書いていませんが、崖や木はその人の財産で、手を入れられるのもその人だからと考えられます。道路管理者の側は、防止のため特に必要があると認めるときに、その管理者に対して措置を講ずべきことを命ずることができます(44条4項)。

沿道区域の図解:防ぐ義務は沿道の地主に、命令する権限は道路管理者に。

防ぐ義務は沿道の地主に、命令する権限は道路管理者に。

命令で損失が出れば、道路管理者が補償します

道路管理者は、44条4項の命令により損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければなりません(44条5項)。補償は道路管理者と損失を受けた者が協議して決め、協議が成立しないときは管理者が自分の見積額を支払い、不服がある者は支払を受けた日から1月以内に収用委員会に裁決を申請できます(44条6項、7項)。自分の財産の手当てとはいえ、公の命令で通常以上の負担をさせた分は公が持つ、という組み立てです。

沿道区域の図解:命令で余計にかかった分は、道路管理者が補償する。

命令で余計にかかった分は、道路管理者が補償する。

道路管理者は、道路の沿道の土地、竹木又は工作物が道路の構造に及ぼすべき損害を予防し、又は道路の交通に及ぼすべき危険を防止するため、道路に接続する区域を、条例(指定区間内の国道にあつては、政令)で定める基準に従い、沿道区域として指定することができる。ただし、道路の各一側について幅二十メートルを超える区域を沿道区域として指定することはできない。

出典: 道路法 44条1項

実務ではこう使う

山あいの道路に面した土地では、沿道区域の指定があるかどうかを道路管理者に照会します。指定されていれば、擁壁の設置や竹木の伐採を求められることがあり、その費用は原則として土地の管理者の負担なので、評価では減価の要因になります。傾斜地の宅地や別荘地で見落としやすい制限の一つです。

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