道路の区域とは?道路法での意味を図でわかりやすく解説
道路の区域とは、路線の指定や認定の後に道路管理者が決定し、公示して図面を縦覧に供する、道路の敷地の範囲です。つまり「ここからここまでが道路」という面の線引きで、供用が始まる前からこの範囲には行為の制限がかかります。
道路の区域とは
「この道を国道にする」と路線が決まっても、それだけでは道がどの土地を通るのかは分かりません。道路管理者が地図の上で「この敷地からこの敷地までが道路」と面で決めて公示するのが、道路の区域の決定です。区域が決まると、まだ舗装もされていない畑や空き地でも、勝手に建物を建てたり土地を掘ったりできなくなります。用地買収が終わる前から縛りがかかる、というのがこの語の要点です。

どの土地までが道路かを面で決めて公示するのが、道路の区域。
区域の決定と供用の開始は、別々に公示します
道路管理者は、路線が指定され、又は路線の認定や変更が公示されたら、遅滞なく道路の区域を決定して公示し、これを表示した図面を道路管理者の事務所で一般の縦覧に供します(18条1項)。区域を変更したときも同じです。道路の供用を開始し、又は廃止するときも、別に公示して図面を縦覧に供します(18条2項)。区域の決定、用地の取得と工事、供用の開始という順で進み、区域の決定から供用の開始までの期間が、次に述べる制限の対象になります。
区域が決まれば、用地買収の前でも許可なしに土地をいじれません
道路の区域が決定された後、供用が開始されるまでの間は、何人も、道路管理者がその土地の権原を取得する前であっても、道路管理者の許可を受けなければ、区域内で土地の形質を変更し、工作物を新築、改築、増築、大修繕し、又は物件を付加増置してはなりません(91条1項)。条文に理由は書いていませんが、区域を決めた後に建物が建ってしまえば、道路が造れなくなるか、補償が膨らむためと考えられます。この制限で損失を受けた者には、道路管理者が通常受けるべき損失を補償します(91条3項)。管理者が権原を取得した後の区域は道路予定区域と呼ばれ、私権の制限などの規定が準用されます(91条2項)。

まだ自分の土地でも、区域が決まれば建てるには管理者の許可が要る。
上下の範囲を切った立体的区域にすることもできます
道路管理者は、道路の存する地域の状況を勘案し、適正かつ合理的な土地利用の促進を図るため必要があると認めるときは、決定し又は変更する道路の区域を、空間又は地下について上下の範囲を定めたもの(立体的区域)とすることができます(47条の17第1項)。地下だけを道路にしてその上に建物を建てたり、道路の上空を建物に使ったりして、都市の土地を上下に重ねて使うための仕組みです。条文が「決定し又は変更する道路の区域」と書いているので、新設のときだけでなく既存の道路の区域を変更するときにも使えます。立体的区域とした道路と一体の構造になる建物が道路一体建物です。

上下の範囲を切った立体的区域なら、地下が道路で地上は建物。
不用になった物件は、前の管理者が一定期間管理します
道路の供用の廃止又は区域の変更があった場合、その道路を構成していた不用となった敷地、支壁その他の物件(不用物件)は、従前その道路を管理していた者が、1年を超えない範囲で政令で定める期間、管理しなければなりません(92条1項)。期間は施行令37条で、国道と都道府県道の不用物件は4月、市町村道の不用物件は2月です(橋や附属物であったものは1月まで短縮できます)。この期間が満了するまでは、不用物件にも私権の制限が準用されます(92条2項)。道路でなくなった土地をすぐ放り出すと、所有者への返還や新しい敷地との交換、他の道路への転用の整理がつかないので、前の管理者に少しの間持たせていると読めます。
…道路管理者…は、路線が指定され、又は路線の認定若しくは変更が公示された場合においては、遅滞なく、道路の区域を決定して、国土交通省令で定めるところにより、これを公示し、かつ、これを表示した図面を…道路管理者の事務所…において一般の縦覧に供しなければならない。道路の区域を変更した場合においても、同様とする。
出典: 道路法 18条1項
実務ではこう使う
道路の拡幅が計画されている土地では、区域の決定と供用の開始のどちらまで進んでいるかを道路管理者に照会します。区域が決定されていれば、供用前でも91条の制限がかかる土地として、建築の可否と補償の見込みを個別的要因に書きます。区域の図面は道路管理者の事務所で縦覧できるので、敷地と道路の境界の確認にも使います。
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