/ 行政法規

道路一体建物とは?道路法での意味を図でわかりやすく解説

道路一体建物とは、区域を立体的区域とした道路と一体的な構造となる建物で、道路管理者と建物の所有者になろうとする者とが結ぶ協定の目的となるものです。つまり、ビルの中を高架道路が貫くように道路と建物が構造上ひとつになった建物で、その管理の分担を協定で決めます。

道路一体建物とは

都心には、ビルの中層階を高速道路が貫いているものや、地下道路の真上にビルが載っているものがあります。道路の柱と建物の柱が同じで、どちらかを壊せばもう一方も危ない、という関係です。道路の管理は道路管理者、建物の管理は所有者、と分けただけでは境目が決まりません。そこで建てる前に協定を結んで、費用や立入り、工事の調整を決め、その協定を公示して、後からビルを買った人にも効かせます。

道路一体建物の図解:柱を共有する道路と建物。だから管理の分担を協定で決める。

柱を共有する道路と建物。だから管理の分担を協定で決める。

協定は、建物を新築する前に、所有者になろうとする者と結びます

道路管理者は、立体的区域とした道路と区域外に新築される建物とが一体的な構造となることについて、建物を新築してその所有者になろうとする者との協議が成立したときは、協定を締結して道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理を行うことができます(47条の18第1項)。協定には、目的となる建物、新築と費用の負担、道路の管理上必要な行為の制限や建物への立入り、工事の調整、損害が生じた場合の措置、有効期間、違反した場合の措置、掲示方法などを定めます。道路の管理上必要があると認めるときは、協定に従って建物の管理を行うこともできます。建ってしまってからでは構造の調整ができないため、相手を「所有者になろうとする者」にしていると読めます。

協定は公示され、後から所有者になった人にも効力があります

道路管理者は協定を締結したら、遅滞なくその旨を公示し、協定の写しを事務所に備えて閲覧に供し、建物やその敷地の見やすい場所に、事務所で閲覧できる旨を掲示します(47条の18第2項)。公示のあった協定は、公示の後に道路一体建物の所有者となった者に対しても効力があります(47条の19)。普通の契約は結んだ当事者だけを縛りますが、建物が売られるたびに協定が切れると道路の管理が続きません。公示で誰でも知ることができる状態にしてあるので、後から買う人にも及ばせていると読めます。

道路一体建物の図解:公示された協定は、後からビルを買った人にも効く。

公示された協定は、後からビルを買った人にも効く。

敷地の権利者も、道路を支える建物を壊させることはできません

道路一体建物の所有者以外の者で、その敷地に所有権や地上権などの権利を持つ者は、その権利の行使が道路を支持する道路一体建物としての効用を失わせることになる場合には、その権利を行使できません(47条の20第1項)。借地が終われば建物を収去させる、というのが普通ですが、それをすると道路が落ちるからです。その代わり、建物の所有者が敷地の利用権を持たないときは、収去を請求する権利を持つ地主などが、建物を時価で売り渡すよう請求できます(47条の20第2項)。

道路一体建物の図解:建物を壊すと道路が落ちる。だから収去の代わりに買取りを請求する。

建物を壊すと道路が落ちる。だから収去の代わりに買取りを請求する。

前条第二項の規定による公示のあつた協定は、その公示のあつた後において道路一体建物の所有者となつた者に対しても、その効力があるものとする。

出典: 道路法 47条の19

実務ではこう使う

道路一体建物は、都市部の再開発で高架道路とビルを一体に造るときに使われます。鑑定評価では、建物の一部を道路が占める特殊な形態として、協定に定めた行為の制限や立入りが建物の利用や収益にどう影響するかを確かめます。協定の写しは道路管理者の事務所で閲覧でき、建物にはその旨の掲示があります。

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