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業務開始届出とは?資産の流動化に関する法律での意味を図でわかりやすく解説

特定目的会社が資産の流動化に係る業務を行うときに、あらかじめ内閣総理大臣にする届出です。つまり、審査を受けて許可や登録をもらう制度ではなく、資産流動化計画などを添えて「始めます」と知らせれば業務を始められる仕組みです。

業務開始届出とは

お店を開くとき、役所の許可が要る商売もあれば、届け出るだけでよい商売もあります。特定目的会社が資産の流動化の業務を始めるときは後者で、あらかじめ内閣総理大臣に届け出ます(4条1項)。届出書には商号、営業所、取締役と監査役の氏名などを書き、定款、資産流動化計画、特定資産の譲受けの契約書の副本、特定社員全員の承認を証する書面などを添付します(4条2項・3項)。届出の前に、資産流動化計画について全ての特定社員の承認を受けておくのが決まりです(6条)。届出を受けた内閣総理大臣は、その会社を特定目的会社名簿に載せます。

業務開始届出の図解:許可や登録ではなく届出。計画を添えて知らせれば始められる。

許可や登録ではなく届出。計画を添えて知らせれば始められる。

届出であって登録ではなく、時期はあらかじめです

特定目的会社は、資産の流動化に係る業務を行うときは、あらかじめ内閣総理大臣に届け出なければならず、この届出を業務開始届出といいます(4条1項・2項)。役所が中身を審査して可否を決める免許や登録とは違い、決められた書類を添えて届け出れば業務を始められます。投資家の保護は、事前の審査ではなく、計画に従った業務しかできないという会社の縛りと、計画や名簿の公開によって図られています。同じ不動産の器でも、投資法人は登録を受ける仕組みなので、制度の強さが違います。

資産流動化計画の承認は、あらかじめすべての特定社員から受けます

特定目的会社が業務開始届出を行うときは、資産流動化計画について、あらかじめすべての特定社員の承認を受けなければなりません(6条)。特定社員とは、設立に際して発行された特定出資を有する者、つまり会社を作った側の社員です(2条5項・6項)。優先出資社員は、できあがった計画を前提に投資して配当を先に受ける側の社員なので、承認する立場にはありません。承認は全員で、過半数では足りません。届出書には承認があった年月日を書き、承認を証する書面を添付します(4条2項5号・3項5号)。

業務開始届出の図解:計画を承認するのは、会社を作った特定社員の全員。

計画を承認するのは、会社を作った特定社員の全員。

取得する特定資産の契約を結んでから届け出ます

届出書には、特定資産の譲受けに係る予約その他の契約の契約書の副本または謄本を添付します(4条3項3号)。つまり、どの資産をいくらで誰から取得するかが契約で決まってから、届出をします。取得する資産が決まっていない会社を名簿に載せても、投資家はその会社が何をする器なのか判断できないからです。ただし、不動産に付随して用いられる軽微な資産(従たる特定資産)の契約書は要りません。

業務開始届出の図解:取得する資産の契約を結んでから、届出。

取得する資産の契約を結んでから、届出。

届出の内容や計画が変わったら、変更届出をします

届出書に記載した事項や資産流動化計画に変更があったときは、内閣府令で定める期間内に、変更の内容と理由を記載した届出書を内閣総理大臣に提出します(9条1項・2項)。内閣総理大臣は、変更届出の年月日と内容を特定目的会社名簿に載せます(9条5項)。特定資産の取得の時期の確定に伴う変更その他の軽微な変更として内閣府令で定めるものは、届出が要りません(9条1項ただし書)。

特定目的会社は、資産の流動化に係る業務を行うときは、あらかじめ内閣総理大臣に届け出なければならない。

出典: 資産の流動化に関する法律 4条1項

実務ではこう使う

証券化案件では、業務開始届出の前に対象不動産の譲受けの契約を結ぶ必要があるため、取得価格の裏付けとなる鑑定評価は届出よりも前の段階で依頼されます。評価の時点と取得の予定時期が離れるときは、価格時点の設定に注意します。届出後に計画が変わっていれば、名簿の変更届出の記録で確かめられます。

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