避雷設備とは?建築基準法での意味を図でわかりやすく解説
落雷の電流を屋上の突針と導線で地中へ逃がし、建築物を雷撃から守る建築設備です。つまり、高さ20メートルを超える建築物には有効に設けなければならず、周囲の状況によって安全上支障がない場合だけ設けなくてよいとされています(33条)。
避雷設備とは
高いビルの屋上に細い針が立っているのを見たことがあるでしょう。雷は高いものに落ちやすいので、背の高い建物ほど落雷を受けやすく、受ければ火災や電気設備の損傷につながります。そこで33条は、高さ20メートルを超える建築物に避雷設備を義務づけ、雷の電流を安全に地中へ流す備えを求めています。建物一つひとつの安全を守る単体規定なので、都市計画区域の内外を問わず全国どこでも適用されます。同じ単体規定の中に、高さ31メートル超で義務になる非常用の昇降機(34条2項)があり、対になる数字です。

20メートルを超えると雷を受けやすいから、避雷設備を設ける。
20メートルを超えると義務で、ちょうど20メートルは含みません
33条は、高さ20メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならないと定めています。20メートルちょうどでは義務がなく、超えた時点で対象になります。25メートルや30メートルの建築物は当然に対象です。建物の用途や地域による区別はなく、高さだけで決まります。
周囲の状況によって安全上支障がなければ、設けなくてよいです
33条のただし書は、周囲の状況によって安全上支障がない場合は、この限りでないと定めています。隣にもっと高い建物や鉄塔があって雷がそちらに落ちる場合などです。義務の目的は落雷から建物を守ることなので、周りのものが先に雷を受けてくれるなら、重ねて設ける必要はありません。

隣の鉄塔が雷を受けるなら、安全上支障がないので設けなくてよい。
守るのは20メートル超の部分で、工事現場の仮設には要りません
施行令129条の14は、33条の避雷設備は建築物の高さ20メートルをこえる部分を雷撃から保護するように設けなければならないと定めています。建物全体ではなく、雷を受けやすい20メートルを超える部分を保護の対象として設計します。災害時の公益上必要な応急仮設建築物や工事現場の仮設建築物には、33条は適用されません(85条2項)。同じ仮設でも、仮設興行場や仮設店舗(85条6項)は33条が外れないので、20メートルを超えれば避雷設備が要ります。

守るのは20メートルを超える部分。工事現場の仮設建築物には義務がない。
高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。
出典: 建築基準法 33条
実務ではこう使う
高さ20メートルは、おおむね6階建ての建物に相当します。中高層の賃貸マンションやビルの評価では、避雷設備の有無と点検状況を建物の維持管理の項目として見ます。設備の欠落は法令違反として建物の減価要因になります。
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