準景観地区とは?景観法での意味を図でわかりやすく解説
市町村が、都市計画区域及び準都市計画区域外の景観計画区域のうち、相当数の建築物の建築が行われ、現に良好な景観が形成されている一定の区域について、その景観の保全を図るため指定する地区です(74条1項)。つまり、都市計画が使えない場所で景観地区の代わりを果たす地区です。
準景観地区とは
山あいの宿場町や海辺の漁村集落には、都市計画区域には入っていないけれど、家が建ち並んで昔からの街並みが残っている場所があります。景観地区は都市計画で定めるので、都市計画区域と準都市計画区域の外では使えません。そこで市町村が、都市計画によらずに公告で指定し、条例で景観地区に準じた規制をかけられるようにしたのが準景観地区です。「すでに良い景観がある所を保全する」ための制度なので、新しく景観を作り出す所には使いません。

都市計画の外では景観地区が使えないから、公告で準景観地区を指定する。
指定できるのは、都市計画区域の外にある景観計画区域の一部です
74条1項は、市町村は、都市計画区域及び準都市計画区域外の景観計画区域のうち、相当数の建築物の建築が行われ、現に良好な景観が形成されている一定の区域について、その景観の保全を図るため、準景観地区を指定することができると定めています。都市計画区域の外であること、景観計画区域の中であること、建物が相当数あって良好な景観が現にあること、の三つが要件です。景観計画区域の中が前提なので、景観計画のない区域には指定できません。都市計画区域の中で同じ役割を果たすのが景観地区で、こちらは都市計画に定めます(61条1項)。
手続は公告と縦覧、意見書、知事への協議で、町村は同意が要ります
74条2項は、指定しようとするときは、あらかじめその旨を公告し、区域の案を理由を記載した書面を添えて公告から2週間公衆の縦覧に供しなければならないと定め、住民及び利害関係人は縦覧期間満了の日までに意見書を提出できます(74条3項)。74条4項は、意見書の写しを添えて都道府県知事に協議しなければならず、町村にあっては知事の同意を得なければならないと定めています。指定は公告により行い(74条5項)、変更にも同じ手続を準用します(74条6項)。都市計画の決定手続を通らない代わりに、縦覧と知事への協議で慎重さを保つ作りです。条文に理由は書いていませんが、市より小さな町村には知事の同意まで求めて、慎重さをもう一段上げているものと考えられます。

縦覧と意見書、知事への協議。町村は同意まで要る。
規制は条例で、景観地区の規制に準じて定めます
75条1項は、市町村は、準景観地区内の建築物又は工作物について、景観地区内におけるこれらに対する規制に準じて政令で定める基準に従い、条例で、良好な景観を保全するため必要な規制をすることができると定めています。建築物については、建築基準法68条の9第2項の条例で行われる規制は除かれ、高さや壁面の位置などはそちらの条例で定めます。75条2項は、開発行為その他政令で定める行為についても、政令の基準に従い条例で規制できると定めています。景観地区のように法律が直接に形態意匠の適合義務を課すのではなく、条例を介して規制する点が違いです。
市町村は、都市計画区域及び準都市計画区域外の景観計画区域のうち、相当数の建築物の建築が行われ、現に良好な景観が形成されている一定の区域について、その景観の保全を図るため、準景観地区を指定することができる。
出典: 景観法 74条1項
実務ではこう使う
準景観地区は都市計画区域の外にあるので、都市計画図には出てきません。農村部や漁村の集落の評価では、市町村の公告と条例を確かめ、建物の形態意匠や工作物に条例の規制があるかどうかを行政的条件に書きます。伝統的な街並みが保たれる集落では、観光需要が地域要因としてプラスに働くこともあります。
関連用語
短答式対策
肢別トレーニングで行政法規を攻略
過去問をベースにした一問一答形式のトレーニング。 行政法規の頻出論点を効率的に学べます。
年額プランなら1日わずか27円