景観行政団体とは?景観法での意味を図でわかりやすく解説
景観法の景観行政事務を担う地方公共団体で、指定都市の区域は指定都市、中核市の区域は中核市、その他の区域は都道府県です。つまり、大きな市は自分で受け持ち、それ以外は都道府県が受け持ちますが、知事と協議した市町村も自ら受け持てます。
景観行政団体とは
自宅の外壁を塗り替えるとき、景観法の届出をどこに出すかは、住んでいる町によって違います。政令指定都市や中核市なら市役所、それ以外の区域なら県庁が原則の窓口ですが、実際には多くの市町村が知事と協議して自分で窓口になっています。この、景観計画を定め、届出を受け、景観重要建造物を指定する主体を、景観法は景観行政団体と呼びます。市町村長や都道府県知事という役職名ではなく、この一語で受け持つ団体を指すのは、区域ごとに受け持つ団体が変わるからです。

大きな市は自分で、ほかは県が受け持つ。協議した市町村も受け持てる。
大きな市は自分で受け持ち、それ以外は都道府県が受け持ちます
7条1項は、指定都市の区域は指定都市、中核市の区域は中核市、その他の区域は都道府県を景観行政団体と定めています。人口の大きな市は都市計画や建築の事務を自前で持っているので、景観もまとめて受け持ち、小さな市町村の区域は広く見渡せる都道府県が受け持つ、という分け方です。ただし、指定都市・中核市以外の市町村も、その長があらかじめ都道府県知事と協議すれば、都道府県に代わって景観行政事務を処理できます(98条1項・2項)。協議をした市町村は、処理を開始する日の30日前までに公示します(98条3項)。知事の同意ではなく協議で足りるので、実際には多くの市町村がこの道で景観行政団体になっており、景観計画の大半は市町村が定めています。
景観計画にまつわる事務は景観行政団体の長が行います
景観計画を定めるのは景観行政団体で(8条1項)、景観計画区域内の建築等の届出先、届出に対する勧告と変更命令の主体は景観行政団体の長です(16条1項・3項、17条1項)。景観重要建造物と景観重要樹木の指定、その現状変更の許可、景観協定の認可も景観行政団体の長が行います(19条1項、22条1項、28条1項、81条4項)。条文が「景観行政団体の長」と書く場面では、都道府県が景観行政団体なら知事、市が景観行政団体なら市長がその長として動きます。
景観地区と準景観地区は市町村が定め、審査は市町村長がします
景観地区は都市計画に定める地域地区なので、定めるのは都市計画を決める市町村で、建築等の認定と違反建築物への措置は市町村長が行います(61条1項、63条1項、64条1項)。準景観地区の指定も市町村です(74条1項)。景観行政団体が都道府県である区域でも、景観地区の側は市町村と市町村長が受け持ちます。国の機関や地方公共団体が景観地区内で建築等をするときの通知先も市町村長です(66条2項)。景観計画の側は景観行政団体の長、景観地区の側は市町村長、という二本立てです。

景観計画の側は景観行政団体の長、景観地区の側は市町村長の二本立て。
都道府県が景観計画を定めるときは関係市町村の意見を聴きます
9条3項は、都道府県である景観行政団体が景観計画を定めようとするときは、あらかじめ関係市町村の意見を聴かなければならないと定めています。県の計画が市町村の街づくりと食い違わないようにする手続で、求められているのは意見であって、市町村の同意ではありません。景観計画を定めるときはこのほか、公聴会の開催など住民の意見を反映させる措置を講じ(9条1項)、都市計画区域・準都市計画区域に係る部分については都道府県都市計画審議会(市町村である景観行政団体に市町村都市計画審議会があればそれ)の意見を聴きます(9条2項)。同意まで要るのは、景観重要公共施設の管理者や国立公園等管理者について事項を定めるときで、これらには協議して同意を得ます(9条4項・5項)。

県が景観計画を定めるとき、市町村は意見を言う。同意までは要らない。
この法律において「景観行政団体」とは、…指定都市の区域にあっては指定都市、…中核市の区域にあっては中核市、その他の区域にあっては都道府県をいう。ただし、指定都市及び中核市以外の市町村であって、第九十八条第一項の規定により…景観行政事務…を処理する市町村の区域にあっては、当該市町村をいう。
出典: 景観法 7条1項
実務ではこう使う
対象地の景観法上の制限を調べるときは、まずその区域の景観行政団体がどこかを確かめ、その団体の景観計画と条例を当たります。同じ県内でも、指定都市・中核市や協議を経た市町村と、県が受け持つ町村では窓口も計画の中身も変わります。評価書の行政的条件には、景観行政団体名、景観計画区域の内外、届出対象行為を書きます。
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