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開発許可の基準とは?都市計画法での意味を図でわかりやすく解説

開発許可の基準とは、都道府県知事が開発許可をするかどうかを判断する基準で、すべての区域に共通する技術基準(33条)と、市街化調整区域だけに加わる立地基準(34条)の二段でできています。つまり、造成の設計が安全かを見る関門と、その場所に建ててよい理由があるかを見る関門です。

開発許可の基準とは

郊外の田んぼ1ヘクタールを買って、分譲住宅地にしようと開発許可を申請したとします。知事は、道路の幅、雨水の排水、擁壁、給水の設計が安全で十分かを一つずつ審査し、全部に合っていれば許可しなければなりません。これが技術基準です。ところがその田んぼが市街化調整区域にあると、設計が完璧でも、それだけでは足りません。市街化を抑える区域なので、周辺住民のための店や農産物の加工場のように「そこに建ててよい理由」が要り、これが立地基準です。開発許可の基準は、この二段の関門をまとめて指す言葉です。

開発許可の基準の図解:設計が安全かを見る技術基準と、その場所に建ててよいかを見る立地基準の二段。

設計が安全かを見る技術基準と、その場所に建ててよいかを見る立地基準の二段。

技術基準に適合すれば、知事は許可をしなければなりません

技術基準は、予定建築物の用途が用途地域の制限に合うこと、道路・公園などの空地と排水施設と給水施設が適当に配置されること、地区計画の内容に即すこと、地盤改良や擁壁など災害防止の措置が講じられること、災害危険区域などを含まないこと、樹木の保存、緩衝帯、輸送の便、申請者の資力と信用、工事施行者の能力、権利者の相当数の同意などを列挙しています。申請がこれらに適合し、手続が法令に違反していないと認めるときは、知事は開発許可をしなければなりません。土地を使う権利は持ち主のものなので、役所の好みで止められないように、基準を満たせば必ず許可する形になっています。技術的な細目は政令が定め、地方公共団体はその地方の事情に応じて条例で制限を強化したり緩和したりできます。

開発許可の基準の図解:道路・排水・給水・擁壁の設計が全部合っているから、許可しなければならない。

道路・排水・給水・擁壁の設計が全部合っているから、許可しなければならない。

市街化調整区域では、立地基準に当たらないと許可してはなりません

市街化調整区域は市街化を抑える区域なので、造成が安全であっても、街を広げてしまう開発は通しません。そこで、技術基準に合うことに加えて、周辺の居住者の日常生活に必要な店舗や公益上必要な建築物、鉱物資源や観光資源の利用に必要な建築物、農林水産物の処理・貯蔵・加工に必要な建築物、地区整備計画が定められた区域でその内容に適合する建築物、条例で指定した区域や用途、区域区分の決定の際に土地の権利を持っていた人が6月以内に届け出て5年以内に行う開発行為、知事が開発審査会の議を経て周辺の市街化を促進するおそれがなく市街化区域で行うことが困難または著しく不適当と認める開発行為、といった類型のどれかに当たると認める場合でなければ、知事は許可をしてはなりません。許可をするのはあくまで知事で、開発審査会は知事が意見を聴く相手です。市街化調整区域には規模による許可不要の定めがないので、住宅一軒分の小さな造成でも許可を受けたうえで、この類型に当たるかが審査されます。

開発許可の基準の図解:分譲住宅は立地基準に当たらないから許可できず、農産物の加工場なら許可できる。

分譲住宅は立地基準に当たらないから許可できず、農産物の加工場なら許可できる。

規模や目的によって、掛かる基準と掛からない基準があります

技術基準のうち、樹木の保存と緩衝帯は1ヘクタール以上、道路や鉄道による輸送の便は40ヘクタール以上の開発行為にだけ掛かります。樹木の保存の規模は、都道府県が条例で0.3ヘクタール以上1ヘクタール未満の範囲に引き下げられます。緩衝帯の幅は開発区域の規模に応じて4メートルから20メートルです。主として自己の居住用の住宅を建てる開発行為には、道路などの空地、給水施設、災害危険区域などを含まないことの基準は掛かりません。申請者の資力と信用、工事施行者の能力の基準は、自己居住用の住宅と、自己の業務用で1ヘクタール未満の開発行為には掛からず、分譲のように他人に渡す開発行為に掛かります。小さな開発や自分で使う建物は周辺への影響も途中で放り出される心配も小さい、という考え方です。

都道府県知事は、開発許可の申請があつた場合において、当該申請に係る開発行為が、次に掲げる基準(第四項及び第五項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限を含む。)に適合しており、かつ、その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければならない。

出典: 都市計画法 33条1項(柱書)

実務ではこう使う

市街化調整区域の土地は、立地基準のどの類型で許可を受けられるかで用途と価格が大きく変わります。分譲住宅地としては使えなくても、周辺住民向けの店舗や農産物の加工施設なら建てられることがあり、最有効使用の判定でこの類型を確かめます。役所の開発指導課で、その土地について過去に開発審査会の議を経た許可の実績があるかも聞きます。

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