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権利変換手続開始の登記とは?都市再開発法での意味を図でわかりやすく解説

事業計画の公告があった後、施行者が登記所に申請して、施行地区内の宅地・建築物・既登記の借地権に付ける登記です。つまり、権利変換計画を作っている間に地区内の権利が勝手に動かないよう、処分に施行者の承認を要する状態にする印です。

権利変換手続開始の登記とは

権利変換計画は、地区内の一人ひとりが持つ土地や建物の権利を、新しいビルの床に置き換える設計図です。作っている最中に土地が売られたり抵当権が付いたりすると、名義が変わって計画を作り直すことになります。そこで施行者は、事業計画の公告があったらすぐに登記所へ行き、地区内の宅地と建物と登記された借地権に「権利変換の手続が始まっている」という登記を付けてもらいます。この登記があると、権利を処分するには施行者の承認が要り、承認のない処分は施行者に対抗できません。

権利変換手続開始の登記の図解:事業計画の公告があったら、施行者が地区内の土地に登記を付ける。

事業計画の公告があったら、施行者が地区内の土地に登記を付ける。

公告があったら、施行者が遅滞なく申請または嘱託します

70条1項は、施行者は事業計画の決定や認可などの公告があったときは、遅滞なく、登記所に、施行地区内の宅地及び建築物並びにその宅地に存する既登記の借地権について権利変換手続開始の登記を申請し、又は嘱託しなければならないと定めています。申請する主体は地権者ではなく施行者です。対象は登記されている借地権に限られ、未登記の借地権は登記の対象になりません。登記簿に載っていない権利には登記を付けようがないためです。

登記の後に権利を処分するには、施行者の承認が要ります

登記があった後は、その宅地や建築物の所有者と借地権者は、これらの権利を処分するには施行者の承認を得なければなりません(70条2項)。承認を得ないでした処分は、施行者に対抗することができません(同条4項)。売買そのものが無効になるのではなく、施行者に対して権利の移転を主張できないだけです。施行者は、事業の遂行に重大な支障が生ずることその他正当な理由がなければ承認を拒むことができません(同条3項)。権利の凍結は事業に必要な限りで、地権者の処分の自由を不当に奪わないための歯止めです。

権利変換手続開始の登記の図解:登記の後は、処分に施行者の承認が要る。承認なしでは施行者に対抗できない。

登記の後は、処分に施行者の承認が要る。承認なしでは施行者に対抗できない。

権利変換が終わると、施行者が登記を抹消します

権利変換期日の後、施行者は遅滞なく、従前の土地の登記の抹消と新しい土地の登記、施行者に帰属した建物の所有権移転登記などを申請し、その他の建築物については権利変換手続開始の登記の抹消を申請します(90条1項・2項)。組合の解散などで事業が権利変換期日の前に終わったときも、施行者や清算人が遅滞なく抹消を申請します(70条5項)。手続が始まったときに付け、終わったときに外す登記なので、登記簿を見れば今その土地が権利変換の途中かどうかが分かります。

第二種では、譲受け希望の申出をした者の処分に承認が要ります

第二種市街地再開発事業は権利変換ではなく管理処分の方式なので、権利変換手続開始の登記はありません。代わりに118条の3が、譲受け希望の申出をした者は施行地区内の宅地、借地権又は建築物を処分するには施行者の承認を得なければならないと定め、施行者は正当な理由がなければ承認を拒めないとしています。土地収用法の裁決手続開始の登記があった後の宅地には適用されません(同条3項)。

権利変換手続開始の登記の図解:第二種には登記がなく、譲受け希望の申出をした人だけ承認が要る。

第二種には登記がなく、譲受け希望の申出をした人だけ承認が要る。

施行者は、第六十条第二項各号に掲げる公告があつたときは、遅滞なく、登記所に、施行地区内の宅地及び建築物並びにその宅地に存する既登記の借地権について、権利変換手続開始の登記を申請し、又は嘱託しなければならない。/前項の登記があつた後においては、当該登記に係る宅地若しくは建築物の所有権を有する者又は当該登記に係る借地権を有する者は、これらの権利を処分するには、国土交通省令で定めるところにより、施行者の承認を得なければならない。

出典: 都市再開発法 70条1項・2項

実務ではこう使う

登記簿に権利変換手続開始の登記があれば、その土地は再開発の施行地区内で、処分に施行者の承認が要る状態です。取引事例として使うときや対象不動産の権利の態様を確認するときに、登記事項証明書でこの登記の有無を確かめます。登記の日付から、事業計画の公告の時期も読み取れます。

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