権利変換期日とは?都市再開発法での意味を図でわかりやすく解説
権利変換計画に定められた日で、その日に施行地区内の土地は新たに所有者となるべき者に、建築物は施行者に帰属し、担保権は新しい敷地や床の権利の上に移ります。つまり権利が一斉に変わる一日で、占有は施行者が通知する明渡しの期限まで続けられます。
権利変換期日とは
再開発の地区で店を営む主人のカレンダーに、施行者から知らされた一日の印が付いています。その日が来ても、店の見た目は何も変わらず、主人は前日と同じように店を開けます。けれど登記の上では、その日に土地は新しい所有者のものになり、古い店の建物は施行者のものになり、店に付いていた銀行の抵当権はまだ建っていないビルの一室の上に移っています。これが権利変換期日で、権利変換計画に書かれた日です。工事はこの後に始まるので、主人は施行者が通知する明渡しの期限まで店を続けられます。

見た目は変わらない一日に、登記の上で土地と建物の持ち主が変わる。
その日に土地は新所有者へ、建物は施行者へ帰属します
87条1項は、施行地区内の土地は権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い新たに所有者となるべき者に帰属し、従前の土地を目的とする所有権以外の権利は別段の定めがあるものを除き消滅する、と定めています。2項は、施行地区内の土地に権原に基づき建築物を所有する者の建築物は権利変換期日において施行者に帰属する、と定めています。取り壊す建物を施行者にまとめておかないと、除却も工事も進められないからです。ただし、承認を受けずに新築された建築物と、施行地区外に移転すべき旨の申出があった建築物は施行者に帰属しません。同じ日に、施設建築物の敷地には施設建築物の所有を目的とする地上権が設定されたものとみなされます(88条1項)。
抵当権などの担保権は消滅せず、新しい床の上に移ります
89条1項は、施行地区内の宅地・借地権・建築物に存する担保権等の登記に係る権利は、権利変換期日以後は、権利変換計画の定めるところに従い、施設建築敷地やその共有持分、施設建築物の一部等に関する権利の上に存する、と定めています。担保権をどの権利の上に移すかは、権利変換計画の段階で定めておきます(73条1項5号・6号)。銀行が貸したお金の担保が再開発で消えてしまえば誰も融資をしなくなるので、担保は従前の権利に対応する新しい権利へ付いていく仕組みです。

抵当権は消えず、まだ建っていないビルの一室の上へ移る。
期日の後も、施行者が通知した明渡しの期限までは占有を続けられます
95条は、権利変換期日に87条により権利を失った者とその承継人は、96条1項により施行者が通知した明渡しの期限までは、従前の用法に従いその占有を継続することができる、と定めています。権利が変わる日と、実際に出て行く日は別です。明渡しの期限は、施行者が請求をした日の翌日から起算して30日を経過した後の日でなければなりません(96条2項)。床を与えられない者への補償金は、権利変換期日までに支払われます(91条1項)。

権利は期日に変わり、店は明渡しの期限まで続けられる。
解散の議決は期日前に限られ、登記は施行者が期日後に申請します
45条2項は、総会の議決による組合の解散は権利変換期日前に限り行うことができる、と定めています。期日に土地と建物の権利が一斉に変わった後で組合をなくすと、権利を受け取った人と工事が置き去りになるからです。期日の後に組合が解散する道は、事業の完成か、設立認可の取消しだけになります(45条1項)。90条1項は、施行者は権利変換期日後遅滞なく、従前の土地の表題部の登記の抹消と新たな土地の表題登記などを申請し、又は嘱託しなければならない、と定めています。登記をするのは施行者で、新しい所有者ではありません。
権利変換期日において、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を所有する者の当該建築物は、施行者に帰属し、当該建築物を目的とする所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。ただし、第六十六条第七項の承認を受けないで新築された建築物及び施行地区外に移転すべき旨の第七十一条第一項の申出があつた建築物については、この限りでない。
出典: 都市再開発法 87条2項
実務ではこう使う
権利変換期日は、評価の基準日ではありません。従前資産の価額の基準日は申出期間の30日を経過した日で(80条)、補償金には、基準日から認可公告までの物価変動の修正と、公告から支払日までの利息が上乗せされます(91条)。期日に生じた権利の得喪は、施行者が申請した登記で確かめます。
関連用語
短答式対策
肢別トレーニングで行政法規を攻略
過去問をベースにした一問一答形式のトレーニング。 行政法規の頻出論点を効率的に学べます。
年額プランなら1日わずか27円