施設建築敷地とは?都市再開発法での意味を図でわかりやすく解説
市街地再開発事業によって造成される建築敷地です。つまり、細かく分かれていた土地をまとめて新しい施設建築物の足元にした一筆の土地で、従前の宅地所有者が価額の割合で共有し、その上に建物所有のための地上権が設定されます。
施設建築敷地とは
再開発の前、駅前の一角には十数筆の小さな土地が並び、持ち主もばらばらでした。再開発ビルを建てるには、この土地を一枚の大きな敷地にまとめなければなりません。そのまとめた土地が施設建築敷地で、権利変換によって従前の宅地の所有者がその共有持分を受け取ります。ビルの区分所有者は敷地を直接持つのではなく、敷地の上に設定された地上権の持分を通じてビルを持ちます。

細かく分かれていた土地が、ビルの足元の一筆の敷地にまとまる。
一個の施設建築物の敷地は、一筆の土地とするのが原則です
75条1項は、権利変換計画は、一個の施設建築物の敷地は一筆の土地となるものとして定めなければならないとしています。細分化された土地を一つの敷地にまとめて高度利用する事業なので、登記の上でも一筆に統合します。敷地が何筆にも分かれたままだと、筆ごとに持ち主や担保が違い、ビル一棟の敷地として扱いにくいためです。
例外は、全員の同意と、所有者が僅少などの特別の事情です
110条1項により、権利者と参加組合員等の全ての同意を得たときは75条によらずに権利変換計画を定めることができ、敷地を二筆以上にすることも可能です。110条の4第1項は、施行地区内の宅地の所有者の数が僅少であることその他の特別の事情がある場合に、一個の施設建築物の敷地が二筆以上の土地となるものとして定めることができるとしています。条文に理由は書いていませんが、所有者が二、三人しかいないなら、共有にまとめるより各自の筆を残した方が簡単なことがあるためと考えられます。この場合は、各人に与える敷地を従前の宅地の位置や地積と釣り合うように定めます(同条2項)。

一筆が原則。全員同意か、所有者が僅少などの特別の事情なら二筆以上にできる。
従前の宅地所有者が、宅地の価額の割合で共有します
76条1項は、施行地区内に宅地を有する者には施設建築敷地の所有権が与えられるように定めなければならないとしています。一つの敷地について二人以上の宅地所有者が所有権を与えられるときは、各宅地の価額に応ずる割合でこれらの者の共有になります(同条3項)。この割合の元になる宅地の価額は、借地権などの所有権以外の権利が無いものとして算定します(80条2項)。土地を分割して別々に持つのではなく、一枚の敷地を持分で分け合います。

従前の宅地の価額の割合で、一枚の敷地を持分で分け合う。
敷地には施設建築物の所有を目的とする地上権が設定されます
75条2項は、施設建築敷地には施設建築物の所有を目的とする地上権が設定されるものとして定めなければならないとし、権利変換期日にその地上権が設定されたものとみなされます(88条1項)。ビルの区分所有者はこの地上権の共有持分を通じて建物を持ち、敷地の所有者は地上権の負担を受けます。その負担の埋め合わせとして、宅地の所有者には地上権の設定による損失の補償として施設建築物の一部等も与えられます(77条3項)。敷地の上空や地下に道路を通す場合は、その部分を別の筆にし、道路の所有を目的とする区分地上権も設定します(109条の2)。
施設建築敷地 市街地再開発事業によつて造成される建築敷地をいう。/権利変換計画は、一個の施設建築物の敷地は一筆の土地となるものとして定めなければならない。/権利変換計画は、施設建築敷地には施設建築物の所有を目的とする地上権が設定されるものとして定めなければならない。
出典: 都市再開発法 2条7号・75条1項・2項
実務ではこう使う
施設建築敷地の評価では、一筆にまとまった大きな画地としての価値と、その上に地上権が設定された底地としての性格を分けて見ます。共有持分は各宅地の従前の価額に応じて決まるので、従前資産の評価がそのまま持分の割合に結びつきます。ビルの区分所有権の評価では、敷地の所有権ではなく地上権の共有持分が敷地利用権になる点に注意します。
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