施設建築物とは?都市再開発法での意味を図でわかりやすく解説
市街地再開発事業によって建築される建築物です。つまり、古い街区を建て替えて新しく建つ再開発ビルそのもので、権利者に与えられる床も施行者に残る床も、この一棟の中にあります。
施設建築物とは
駅前の古い商店街が一斉に取り壊され、跡地に一棟の大きなビルが建つ場面を思い浮かべてください。1階と2階に店、中ほどの階に事務所、上の階に住宅が入る複合ビルが典型です。市街地再開発事業によって建築されるこのビルが施設建築物です。もとの土地と建物の権利は、権利変換によってこのビルの床の権利に付け替えられます。事業の目的である「土地の高度利用」は、この一棟の中に多くの人と店を収めることで実現します。

取り壊した街区に建つ一棟の再開発ビルが施設建築物。
一室は区分所有権で、敷地は地上権の共有持分です
施設建築物の一室は、マンションの一戸と同じ区分所有権の目的になり、法律はこれを「施設建築物の一部」と呼びます(共用部分の共有持分を含みます)。敷地の方は、もとの宅地の所有者に施設建築敷地の所有権(二人以上なら共有持分)を与えたうえで、権利変換期日にビルを所有するための地上権が設定されたものとみなされます。そこで、一室の区分所有権と、この地上権の共有持分とを合わせたものを「施設建築物の一部等」と呼び、これが借地権者や建物所有者に与えられる単位です。第二種市街地再開発事業では敷地の所有権自体を分けるので、一室と敷地の共有持分を合わせた「建築施設の部分」が単位になります。

一室の区分所有権と、敷地の地上権の共有持分を合わせて与える。
建築は施行者が行いますが、特定建築者に行わせることもできます
施設建築物を建てるのは施行者ですが、施行者はその建築を他の者に行わせることができます。この者が特定建築者で、権利変換計画にその旨と取得させる部分を定め、特定建築者は自ら建てた施設建築物の全部又は一部を取得します。建設の資金と技術を持つ民間の力を借りて、施行者の負担を軽くする仕組みです。
工事が完了したら、速やかに公告し、権利を取得する者に通知します
施設建築物の建築工事が完了したときは、施行者は速やかにその旨を公告し、施設建築物に関し権利を取得する者に通知します。個別利用区内の宅地の整備とこれに関連する公共施設の整備の工事が完了したときも、同じように公告と通知が要ります。この公告の日は、参加組合員の負担金の最終の納付期限や、借家条件の協議の締切りの起点になる大切な日です。
六 施設建築物 市街地再開発事業によつて建築される建築物をいう。…八 施設建築物の一部 建物の区分所有等に関する法律第二条第一項に規定する区分所有権の目的たる施設建築物の部分(同条第四項に規定する共用部分の共有持分を含む。)をいう。 九 施設建築物の一部等 施設建築物の一部及び当該施設建築物の所有を目的とする地上権の共有持分をいう。
出典: 都市再開発法 2条1項6号・8号・9号
実務ではこう使う
施設建築物の床の評価は、区分所有建物の評価そのものです。専有部分の階と位置、共用部分の持分、敷地権に相当する地上権の共有持分を一体で捉え、権利変換で与えられる床の概算額を求めます。工事完了の公告の後は、竣工した建物として貸家や自用の区分所有建物の類型で評価します。
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