個別利用区とは?都市再開発法での意味を図でわかりやすく解説
第一種市街地再開発事業の事業計画で定めることができる、施設建築敷地以外の建築物の敷地となるべき土地の区域です。つまり、再開発ビルに入らず今ある建物を残したい地権者のために、施行地区の中に別枠で取っておく土地です。
個別利用区とは
再開発の地区の中に、建て替えたばかりの頑丈なビルや、駅舎や交番のように動かせない建物があることがあります。その持ち主まで全員をひとつの再開発ビルに入れると、まだ使える建物を壊すことになり、地権者の同意も得にくくなります。そこで、ビルの敷地とは別に、そうした建物を残すための土地の区域を事業計画で決めておけます。これが個別利用区で、地権者は権利変換で、ビルの床ではなくこの区域の中の宅地を受け取ります。

ビルの敷地とは別に、残す建物のための区域を取っておく。
ビルの敷地とは別に、今ある建物を残すための区域です
7条の11第2項は、事業計画で施設建築敷地以外の建築物の敷地となるべき土地の区域を定めることができるとし、これを個別利用区と呼びます。この区域への権利変換を申し出るには、施行地区内に現にある建築物のうち、容積率と建築面積が都市計画の最低限度を上回る建築物、公衆便所や交番のような公益上必要な建築物、学校や駅舎で許可を受けたものなどを存置し又は移転する目的でなければなりません(70条の2第2項)。空き地を集めて広場にするための制度ではなく、残す価値のある建物を守るための制度です。
位置は高度利用に支障がない所、面積は申出の見込みで定めます
個別利用区の位置は、土地の高度利用と都市機能の更新を図る上で支障がない位置に定め、申出が見込まれる者の宅地の位置や利用状況、環境を勘案します(7条の11第3項)。面積は、申出が見込まれる者に権利変換で所有権又は借地権が与えられる見込みの宅地の地積の合計を考慮して、相当と認められる規模にします(同条4項)。区域を大きく取りすぎるとビルの敷地が細り、小さすぎると申出に応えられないので、両方から縛りをかけています。

位置は高度利用の妨げにならない所、面積は申出の見込みに合わせる。
申出は公告から30日以内で、借地権者は地主と共同で行います
事業計画で個別利用区が定められると、施行地区内の宅地の所有者又は借地権者は、事業計画の公告があった日から起算して30日以内に、施行者に対し、権利変換計画で個別利用区内の宅地又はその借地権が与えられるように定めるべき旨を申し出ることができます(70条の2第1項)。借地権者は借地の所有者と共同で申し出なければなりません。申出には、その宅地の他の権利者や建物の借家人の同意も要ります。施行者は期間経過後に申出に係る宅地を指定宅地として指定し公告します(与えるべき宅地の合計が個別利用区の面積を超えるときは一部だけを指定します。同条3項・5項)。指定宅地については、権利変換を希望しない旨の申出は無かったものとみなされます(同条7項)。

申出は公告から30日以内、借地権者は地主と一緒に。
権利変換計画は個別利用区の宅地の合理的利用も図ります
74条1項は、権利変換計画は施設建築物、施設建築敷地に加えて個別利用区内の宅地の合理的利用を図るように定めなければならないとしています。指定宅地は権利変換期日に個別利用区内の宅地に置き換わり、抵当権などの担保権もその宅地の上に移ります(89条2項)。区域内の宅地の整備と関連する公共施設の工事が完了したときは、施行者は速やかに公告し、宅地を取得した者に通知します(100条1項)。施行者が取得した個別利用区内の宅地は、原則として公募で賃貸し又は譲渡します(108条1項)。
事業計画においては、国土交通省令で定めるところにより、施設建築敷地以外の建築物の敷地となるべき土地の区域(以下「個別利用区」という。)を定めることができる。
出典: 都市再開発法 7条の11第2項
実務ではこう使う
個別利用区内の宅地は、再開発ビルの隣に残る独立した敷地として評価します。ビルの敷地と一体ではないので、街区の中での位置や接道、残す建物との適合を個別的要因として見ます。指定宅地の価額は権利変換計画に記載する価額の一つで、鑑定士が従前資産として評価します。
関連用語
短答式対策
肢別トレーニングで行政法規を攻略
過去問をベースにした一問一答形式のトレーニング。 行政法規の頻出論点を効率的に学べます。
年額プランなら1日わずか27円