権利変換計画とは?都市再開発法での意味を図でわかりやすく解説
第一種市街地再開発事業で、施行者が施行地区ごとに定める、権利者一人ひとりの従前の宅地・借地権・建築物とその価額、与えられる施設建築敷地の共有持分や施設建築物の一部等とその概算額、権利変換期日などを書き並べた計画です。つまり権利変換の設計図で、知事等の認可、審査委員の過半数の同意か市街地再開発審査会の議決...
権利変換計画とは
駅前の街区を一棟のビルに建て替えるとき、地権者が二十人いれば、二十通りの「今持っているもの」と「新しく受け取るもの」があります。誰の土地がいくらで、その人にはビルの何階のどの部屋と敷地の何分の一を、いくらの見込みで与えるのか。これを全員分、一枚の表に書き並べたものが権利変換計画です。権利変換期日という、権利が一斉に変わる日もこの計画に書きます。権利者の財産の中身を決める書類なので、施行者が一人で決めることは許されず、知事等の認可、審査委員か審査会の目、そして縦覧と意見書という三つの関所を通ります。

誰の何がいくらで、誰にどの床をいくらで。全員分を一枚の表に。
施行地区ごとに定め、知事等の認可を受けます
72条1項は、施行者は権利変換を望まない者の申出などの手続に必要な期間が経過した後、遅滞なく、施行地区ごとに権利変換計画を定めなければならない、と定めています。認可は、個人施行者・組合・再開発会社・市町村なら都道府県知事、都道府県と機構等なら国土交通大臣です(市だけが設立した地方住宅供給公社は知事)。施行地区が工区に分かれているときは、工区ごとに定めることができます(72条5項)。変更するときも、政令で定める軽微な変更を除き、同じ認可が要ります(72条4項)。

単位は施行地区。工区に分かれていれば工区ごとでもよい。
定めるときも変更するときも、審査委員か審査会の関与が要ります
84条1項は、施行者は権利変換計画を定め、又は変更しようとするときは、審査委員の過半数の同意を得、又は市街地再開発審査会の議決を経なければならない、と定めています。個人施行者・組合・再開発会社には審査委員が、地方公共団体・機構等には市街地再開発審査会が置かれるので、施行者によってどちらかに決まります。変更のときも「定めるとき」と同じ一文で書かれており、協議や意見聴取に弱まることはありません。個人施行者は、これに加えて施行地区内の宅地や建築物について権利を有する者の同意を得なければなりません(72条2項)。
個人施行者以外は2週間縦覧し、意見書は施行者に出します
83条1項は、個人施行者以外の施行者は権利変換計画を定めようとするときは2週間公衆の縦覧に供しなければならない、と定め、2項は、施行地区内の土地や物件に関し権利を有する者と参加組合員等は縦覧期間内に施行者に意見書を提出できる、としています。事業計画への意見書は知事に出しますが、権利変換計画への意見書の宛先は施行者です。価額についての意見書が採択されなければ、通知から30日以内に収用委員会へ価額の裁決を申請できます(85条1項)。権利変換の内容について全員の同意を得たときは、縦覧は要りません(110条1項)。
計画の基準は、居住条件の改善と合理的利用、そして利害の衡平です
74条1項は、権利変換計画は災害を防止し、衛生を向上し、その他居住条件を改善するとともに、施設建築物、施設建築敷地及び個別利用区内の宅地の合理的利用を図るように定めなければならない、と定めています。2項は、関係権利者間の利害の衡平に十分の考慮を払う、としています。与えられる床は、従前の土地建物の位置・地積・床面積・環境・利用状況と新しい床の位置・床面積・環境を総合的に勘案し、権利者相互間に不均衡が生じず、従前の価額との間に著しい差額が生じないように定めます(77条2項)。

街を良くする四つの目的と、権利者の間の釣り合い。
施行者は、前条の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、施行地区ごとに権利変換計画を定めなければならない。
出典: 都市再開発法 72条1項前段
実務ではこう使う
権利変換計画に載る従前資産の価額と床の概算額は、鑑定士の評価を土台に決まります。審査委員に鑑定士が選ばれることも多く、計画への同意という形で評価の妥当性を確かめる役割を担います。縦覧で価額に意見書が出れば、その根拠を説明できる評価書が求められます。
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