審査委員とは?都市再開発法での意味を図でわかりやすく解説
土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから選ばれ、個人施行者・組合・再開発会社の事業で権利変換計画などに関与する3人以上の委員です。つまり、民間が施行する事業で、権利の付け替えが公正かどうかを外から確かめる目です。
審査委員とは
権利変換は、古い土地と建物の権利を、新しいビルの床の権利に付け替える手続です。施行者が地権者自身の組合なら、誰にどの床を与えるかを身内だけで決めることになり、力の強い人に有利に偏るおそれがあります。そこで、土地や建物の権利関係や評価の専門家を委員に迎え、権利変換計画にはその過半数の同意を要ることにしました。これが審査委員で、組合の会議室で三人の委員が計画の図面と地図を囲み、同意の印を押している姿です。役所や機構が施行するときは、代わりに市街地再開発審査会が置かれます。

権利の付け替えが公正かを、専門家の委員が確かめて同意する。
民間の施行には審査委員を置き、公的な施行には審査会を置きます
組合には審査委員3人以上を置き、個人施行者と再開発会社も審査委員3人以上を選任しなければなりません。一方、地方公共団体が施行する事業ごとにその地方公共団体に、機構等が施行する事業ごとに機構等に、市街地再開発審査会を置きます。審査会は5人から20人までの委員で組織し、そのうち権利関係や評価の専門家から任命される委員が3人以上で、残りは地区内の所有者や借地権者から任命されます。施行者が民間なら審査委員、公的な主体なら審査会、と置くものが分かれています。

施行者が民間なら審査委員、役所や機構なら市街地再開発審査会。
組合は総会で、個人施行者と再開発会社は知事の承認で選びます
組合の審査委員は、権利関係や評価の知識経験と公正な判断力を持つ者のうちから、総会で選任します。個人施行者と再開発会社は、同じ要件の者のうちから、都道府県知事の承認を受けて選任します。組合は地権者全員の総会という選ぶ場を持ちますが、個人や会社にはそれがないので、知事の承認で公正さを担保していると考えられます。破産して復権を得ない者や、拘禁刑以上の刑の執行を終えていない者は審査委員になれず、なった後に該当すれば職を失います。
計画の決定と変更のほか、補償額などにも過半数の同意が要ります
施行者が権利変換計画を定め、又は変更しようとするときは、政令で定める軽微な変更を除き、審査委員の過半数の同意を得るか、市街地再開発審査会の議決を経なければなりません。個人施行者はこれに加えて、施行地区内の宅地や建築物について権利を有する者の同意も要ります。過小な床面積の基準(住宅は30平方メートル以上50平方メートル以下、事務所や店舗は10平方メートル以上20平方メートル以下の範囲で定めます)、明渡しの期限までに協議が成立しないときの補償額、借家条件の裁定にも、同じく審査委員の過半数の同意又は審査会の議決が要ります。どれも権利者の財産に直結する決定なので、施行者だけでは決められないようにしています。

計画の決定と変更、床面積の基準、補償額、借家条件に過半数の同意。
組合に、この法律及び定款で定める権限を行なわせるため、審査委員三人以上を置く。 2 審査委員は、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから総会で選任する。
出典: 都市再開発法 43条1項・2項
実務ではこう使う
審査委員の要件は土地建物の権利関係又は評価の知識経験なので、不動産鑑定士が選ばれることが多く、鑑定士にとって身近な公的な役目です。ただし法律は鑑定士を委員に含めることまでは求めていません。委員としては、従前資産の価額と床の配分の釣合いを評価の目で確かめ、補償額や借家条件の裁定にも意見を述べます。
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