再開発会社とは?都市再開発法での意味を図でわかりやすく解説
市街地再開発事業の施行を主たる目的とし、公開会社でなく、施行地区となるべき区域内の宅地の所有者又は借地権者が総株主の議決権の過半数を保有する株式会社で、施行者となるものです。つまり、地権者が株主として支配する会社を器にして、地権者の意思で事業を施行する仕組みです。
再開発会社とは
地権者が施行者になる道は、組合をつくるだけではありません。地権者が株主となる株式会社を設け、開発会社の資金と経験も取り込みながら、その会社を施行者にする道があります。これが再開発会社です。株式会社の会議室で、地主が権利証を、開発会社の社員が計画図を並べ、その上に県庁の認可の書類が置かれている場面を思い浮かべてください。議決権の過半数は地権者が握るので、会社の姿をしていても、地権者の意思で動く施行者です。

地権者が議決権の過半数を持つ会社だから、施行者になれる。
四つの要件をすべて満たす株式会社だけが施行者になれます
要件は四つです。市街地再開発事業の施行を主たる目的とすること、公開会社でないこと、施行地区となるべき区域内の宅地の所有者又は借地権者が総株主の議決権の過半数を保有すること、そしてそれらの者と会社が持つ区域内の宅地と借地の地積の合計が総地積の3分の2以上であることです。公開会社を外すのは、株が市場で転々と売買されて地権者の支配が崩れるのを防ぐためと考えられます。条文は「市街地再開発事業」と書いて種類を限っていないので、再開発会社は第一種も第二種も施行できます。組合が第一種しか施行できないのとは、ここが違います。

主たる目的・非公開・議決権の過半数・地積の3分の2の四つ。
所有者と借地権者それぞれ3分の2以上の同意で、知事の認可を受けます
再開発会社は、規準と事業計画を定めて都道府県知事の認可を受けなければなりません。認可を申請する前に、区域内の宅地の所有者全員と借地権者全員のそれぞれ3分の2以上の同意を得て、同意した者の地積の合計も総地積の3分の2以上でなければなりません。会社の株主総会で決めただけでは足りず、地区の権利者全員を相手に組合と同じ割合の同意を集めるのは、株主になっていない権利者の土地も事業に巻き込むからです。
審査委員は知事の承認を受けて3人以上を選び、審査会は置きません
再開発会社は、都道府県知事の承認を受けて、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、公正な判断ができる者のうちから、審査委員3人以上を選任します。市街地再開発審査会を置くのは地方公共団体と機構等の施行に限られ、再開発会社は個人施行者や組合と同じく審査委員を置く側です。組合が総会で選ぶのと違い、知事の承認を挟むのは、会社に地権者以外の株主もいるからと考えられます。
株主や社員の居住や業務の用には、公募によらず処分できます
施行者が取得した施設建築物の一部等の処分は公募が原則ですが、再開発会社が施行する第一種市街地再開発事業では、その会社の株主又は社員の居住又は業務の用に供するため特に必要があるときは、公募によらずに賃貸し又は譲渡できます。地権者が株主として会社に加わっているので、その株主に床を配分する道を開いたものです。
次に掲げる要件のすべてに該当する株式会社は、市街地再開発事業の施行区域内の土地について市街地再開発事業を施行することができる。一 市街地再開発事業の施行を主たる目的とするものであること。二 公開会社…でないこと。三 施行地区となるべき区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者が、総株主の議決権の過半数を保有していること。四 前号の議決権の過半数を保有している者及び当該株式会社が所有する施行地区となるべき区域内の宅地の地積とそれらの者が有するその区域内の借地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上であること。…
出典: 都市再開発法 2条の2第3項
実務ではこう使う
再開発会社が施行者の案件では、株主でもある地権者への床の配分と、会社が取得する保留床の処分価格が事業計画の要になります。鑑定士は従前資産と床の評価に加え、知事の承認を受けた審査委員として権利変換計画に関わります。第二種で施行される場合は、対償の払渡しに代えて床を譲り受ける申出の扱いも評価の前提になります。
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