注視区域とは?国土利用計画法での意味を図でわかりやすく解説
地価が一定の期間内に社会的経済的事情の変動に照らして相当な程度を超えて上昇し、又は上昇するおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当し、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保に支障を生ずるおそれがある区域として、都道府県知事が期間を定めて指定する区域です(27条の3第1項)。区域内の土地売...
注視区域とは
駅の新設や再開発の噂で、ある地域の地価がじわじわ上がり始めたとします。まだ投機が集中しているほどではないものの、放っておくと周りの土地の使い方に支障が出そうな段階です。このとき知事は、その地域を注視区域に指定し、区域内の土地取引を「契約してから届け出る」から「契約の前に届け出る」に切り替えます。契約の前なら、値段や使い方に問題があるときに知事が契約の中止を勧告できるからです。三つの区域の中でいちばん軽い段階で、上昇が急になれば監視区域、投機が集中すれば規制区域と重くなります。

上がり始めた地価を見張るために、契約の前の届出に切り替える。
要件は相当な程度を超える上昇で、急激な上昇は監視区域です
27条の3第1項の要件は、地価が一定の期間内に社会的経済的事情の変動に照らして相当な程度を超えて上昇し、又は上昇するおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当し、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保に支障を生ずるおそれがあることです。監視区域の要件は「急激に上昇し、又は上昇するおそれ」で、「困難となるおそれ」まで進んだ場面です(27条の6第1項)。注視区域は上昇の兆しをとらえる段階なので、要件の言葉も一段おだやかです。すでに規制区域や監視区域に指定された区域は、注視区域からは外れます。

上がり方が強くなるほど、注視→監視→規制と縛りが重くなる。
指定は知事が、意見を聴いて、5年以内の期間で行います
注視区域を指定するのは都道府県知事で、指定しようとする場合には、あらかじめ土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聴かなければなりません(27条の3第2項)。国土交通大臣の承認は要りません。指定の期間は、規制区域の規定を準用して、公告の日から起算して5年以内で定めます(同条3項、12条2項)。指定の効力は公告によって生じ、区域内の取引すべてに事前の手間を掛けるので、先に地元の意見を聴き、期間も区切ります。

指定の前に審査会と市町村長の意見を聴き、期間は5年以内。
区域内の取引は事前届出になり、面積は事後届出と同じ三段階です
注視区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結しようとする当事者は、あらかじめ、市町村長を経由して知事に届け出ます(27条の4第1項)。届出が要る面積は事後届出と同じで、市街化区域2,000㎡、その他の都市計画区域5,000㎡、都市計画区域外10,000㎡以上です(同条2項1号)。注視区域の市街化区域にある1,000㎡の土地は、2,000㎡に届かないので届出が要りません。面積を小さくできるのは監視区域だけです(27条の7)。注視区域内の土地の契約には事後届出は要りません(23条2項2号)。
国等が当事者なら届出は要りません
当事者の一方又は双方が国等である場合や、民事調停法による調停に基づく場合は、事前届出は要りません(27条の4第2項2号)。注視区域の土地を国に売る人は、届出をしないで契約できます。除外の範囲は事後届出と同じ考え方です。
都道府県知事は、当該都道府県の区域のうち、地価が一定の期間内に社会的経済的事情の変動に照らして相当な程度を超えて上昇し、又は上昇するおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当し、これによつて適正かつ合理的な土地利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる区域(第十二条第一項の規定により規制区域として指定された区域又は第二十七条の六第一項の規定により監視区域として指定された区域を除く。)を、期間を定めて、注視区域として指定することができる。
出典: 国土利用計画法 27条の3第1項
実務ではこう使う
注視区域は、平成10年の改正で事後届出制に移ったときに、地価上昇の兆しがある地域を先回りして見張るために設けられました。指定されると届出の時期が契約の前に変わるので、取引の予定価格や利用目的を事前に検討する必要があり、鑑定評価の依頼が生まれる場面です。現在は指定の例がほとんどありません。
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