事後届出とは?国土利用計画法での意味を図でわかりやすく解説
土地売買等の契約を締結した後に、権利取得者(買主など)が、契約を締結した日から2週間以内に、土地の利用目的や対価の額などを市町村長を経由して都道府県知事に届け出る制度です(23条1項)。一定の面積以上の土地の取引だけが対象になります。
事後届出とは
郊外の広い土地を買って倉庫を建てるとします。契約の印を押したあと、買った人は「この土地をどう使うつもりか」を役所に知らせなければなりません。届け出る先は都道府県知事で、窓口は土地のある市町村です。知事はその使い方が県の土地利用の計画に合っているかを見て、合わなければ変更を勧めます。これが事後届出で、名前どおり、契約の後に届け出る仕組みです。

契約の後に、買主が2週間以内に市町村の窓口へ。
届け出るのは権利取得者で、期限は契約の日から2週間です
23条1項は、届出の義務を、当事者のうち土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる者(権利取得者)に負わせています。売買なら買主、賃借権の設定なら借主で、売主は届け出ません。期限は契約を締結した日から起算して2週間以内で、登記の日や代金を払った日ではありません。届出書は土地が所在する市町村の長を経由して都道府県知事に出し、市町村長は遅滞なく知事に送ります。届け出る内容は、当事者、契約の年月日、土地の所在と面積、権利の種別、契約後の土地の利用目的、対価の額です。
届出が要る面積は、区域ごとに三段階に分かれます
23条2項1号は、市街化区域では2,000㎡未満、市街化区域以外の都市計画区域(市街化調整区域や線引きのない区域)では5,000㎡未満、都市計画区域の外では10,000㎡未満の土地の契約を、届出の対象から外しています。街の中心ほど小さな土地でも周りへの影響が大きいので、線が低く引かれています。同じ4,000㎡でも、市街化区域なら届出が要り、市街化調整区域なら要りません。買主が一団の土地としてまとめて取得するときは、合計の面積で見ます。

街の中ほど、届出が要る面積の線は低い。
届け出なくても契約は有効ですが、罰則があります
事後届出は契約の後の手続なので、届出をしなくても契約の効力には影響がなく、知事が契約を無効にする権限もありません。その代わり、届出をしなかった者と虚偽の届出をした者は、6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられます(47条)。契約を止める仕組みではなく、土地の使い方を知事に把握させる仕組みだからです。

届け出なくても契約は有効。罰則は別に受ける。
規制区域・注視区域・監視区域の中では、事後届出は要りません
23条2項2号は、規制区域、注視区域、監視区域に所在する土地の契約を事後届出の対象から外しています。これらの区域では、契約の前に知事の許可を受けるか、契約の前に届け出る事前届出をするので、取引はすでに知事に把握されているからです。また、民事調停法による調停に基づく場合や、当事者の一方又は双方が国や地方公共団体などの国等である場合も届出は要りません(同項3号)。
土地売買等の契約を締結した場合には、当事者のうち当該土地売買等の契約により土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる者(次項において「権利取得者」という。)は、その契約を締結した日から起算して二週間以内に、次に掲げる事項を、国土交通省令で定めるところにより、当該土地が所在する市町村の長を経由して、都道府県知事に届け出なければならない。
出典: 国土利用計画法 23条1項
実務ではこう使う
鑑定評価で取引事例を集めるとき、行政が把握している大規模な土地の取引の多くは、この事後届出を通じて把握されたものです。届出では取引価格の審査はされないので、届出のあった事例の価格が適正とは限らず、事例として使うときは事情補正の要否を別に確かめます。大きな土地の売買では、依頼者から届出の面積に当たるかを尋ねられることがあり、区域と面積の三段階は即答できるようにしておきます。
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