宅地建物取引士とは?宅地建物取引業法での意味を図でわかりやすく解説
宅地建物取引士証の交付を受けた者をいいます(2条4号)。つまり、試験に合格して知事の登録を受け、さらに取引士証をもらった人で、重要事項の説明と、重要事項説明書・37条書面への記名はこの人にしかできません。
宅地建物取引士とは
マンションを買う契約の前に、不動産会社の担当者が写真付きのカードを見せてから、分厚い書類を一枚ずつ説明してくれる場面があります。このカードが宅地建物取引士証で、見せている人が宅地建物取引士です。不動産会社そのものは免許を受けた宅地建物取引業者で、いわば会社の資格です。これに対して取引士は、その会社の中で法律が決めた事務を担う個人の資格で、試験に合格し、知事の登録を受け、取引士証の交付を受けて初めて名乗れます。会社の免許と個人の資格は別で、両方そろって取引が進みます。

会社の免許は会社に、取引士証は個人に。二つそろって取引が進む。
取引士にしかできない事務は、説明と二つの記名です
法律が取引士に限っている事務は三つです。契約が成立するまでの間に重要事項を説明すること(35条1項)、その重要事項説明書に記名すること(35条5項)、契約成立後に渡す37条書面に記名すること(37条3項)です。説明のときは、相手から求められなくても取引士証を提示します(35条4項)。取引の関係者から求められたときも提示します(22条の4)。業者の他の従業者が代わりに説明することはできず、説明する人は個人の資格で責任を負います。

取引士だけの事務は、説明と二つの記名。
事務所ごとに、5人に1人以上の専任の取引士を置きます
業者は事務所ごとに、成年者である専任の取引士を置かなければなりません(31条の3第1項)。数は施行規則が決めていて、その事務所で業務に従事する者の5分の1以上です(施行規則15条の5の3)。条文に専任の意味は書いていませんが、その事務所に常勤して業務に専念することと扱われています。人数が欠けたら、2週間以内に補充などの措置を執ります(31条の3第3項)。
説明をする取引士は、専任の取引士でなくてかまいません
31条の3は事務所に置く人数の決まりで、35条は誰が説明するかの決まりです。35条1項は「宅地建物取引士をして」とだけ書いていて、専任かどうかを問いません。事務所の専任の取引士が休みでも、取引士証を持つ別の取引士が説明すれば足ります。二つの条文は目的が違うので、混ぜずに読みます。

専任が休みでも、別の取引士が説明すれば足りる。
宅地建物取引士 第二十二条の二第一項の宅地建物取引士証の交付を受けた者をいう。/宅地建物取引士は、前三項の説明をするときは、説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。
出典: 宅地建物取引業法 2条4号、35条4項
実務ではこう使う
鑑定評価の資料として重要事項説明書や売買契約書を受け取ると、記名した取引士の氏名と登録番号から、どの業者がどの立場で関わった取引かが分かります。取引士は業者の中で説明と記名を担う個人で、不動産鑑定士とは別の資格です。取引士が価額について意見を述べても鑑定評価にはならず、鑑定評価を行えるのは不動産鑑定士だけです。
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