特別用途地区とは?都市計画法での意味を図でわかりやすく解説
用途地域内の一定の地区に、その地区の特性にふさわしい土地利用の増進や環境の保護など特別の目的の実現を図るため、用途地域の指定を補完して定める地区です。つまり、用途地域の塗り分けの上に重ねて、文教地区や小売店舗地区のようにその地区だけの制限を足したり緩めたりする都市計画です。
特別用途地区とは
大学の周りを歩くと、住宅地なのにパチンコ店やホテルが一軒もない一角があります。用途地域だけならこれらの店も建てられる場所ですが、市町村が「文教地区」として重ねて指定し、条例で建てられない建物を足しているからです。これが特別用途地区で、用途地域という大きな塗り分けの上に、その地区だけの目的のためにもう一枚の色を重ねます。目的は市町村が自由に決められ、文教地区、小売店舗地区、特別工業地区、観光地区などがあります。用途地域の指定を補完する地区なので、用途地域のある土地にしか定められません。

用途地域の上に、その地区だけの目的でもう一枚重ねる。
用途地域の内にだけ定め、外は特定用途制限地域が受け持ちます
特別用途地区は、用途地域の制限を土台にして、それを足したり緩めたりする地区です。土台が無ければ補完のしようがないので、用途地域が定められていない土地には定められません。用途地域の外で、建ててほしくない建物の種類だけを絞るのは特定用途制限地域という別の地域地区で、こちらは市街化調整区域を除く用途地域のない土地に定めます。二つは名前が似ていますが、用途地域という土台の内と外で役割を分け合っています。

用途地域の内は特別用途地区、外は特定用途制限地域。
都市計画には目的を示した種類を、制限の中身は条例で定めます
地域地区の都市計画には種類・位置・区域を定めますが、特別用途地区については、指定によって実現を図るべき特別の目的を明らかにした種類を定めます(8条3項1号)。かつては法律が文教地区や特別工業地区など11種類を列挙していましたが、今は市町村が目的に合わせて種類を自分で作れます。どんな建物を制限し、または禁止するかは、都市計画ではなく地方公共団体の条例で定めます(建築基準法49条1項)。地区の目的のために必要なら、国土交通大臣の承認を得て、条例で用途地域の制限を緩めることもできます(同2項)。

目的と種類は都市計画に、制限の中身は条例に。
準都市計画区域にも定められ、定めるのは市町村です
準都市計画区域には、用途地域や特定用途制限地域、高度地区、景観地区など限られた地域地区だけが定められ、特別用途地区もその一つです(8条2項)。都道府県が定める都市計画は15条1項に列挙されており、特別用途地区はそこに含まれないので、市町村が定めます。地区の目的が地元の事情に密着しているので、身近な市町村が決める仕組みになっています。
特別用途地区は、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区とする。
出典: 都市計画法 9条14項
実務ではこう使う
文教地区では風俗営業やホテルが建てられず、小売店舗地区では大型店の立地が絞られます。用途地域だけを見て最有効使用を判定すると、条例で上乗せされた制限を見落とします。都市計画図で特別用途地区の指定を確かめ、市町村の条例で制限の中身を読むところまでが実務の調査です。
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