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登録有形文化財とは?文化財保護法での意味を図でわかりやすく解説

重要文化財以外の有形文化財のうち、保存及び活用のための措置が特に必要なものとして、文部科学大臣が文化財登録原簿に登録した文化財です。つまり、指定ほど厳しく縛らず、使いながら残すための緩やかな仕組みで、現状変更は30日前の届出で足ります。

登録有形文化財とは

古い洋館を改装したカフェや、明治の商家を使った旅館の入口に、丸いプレートで「登録有形文化財」と示されていることがあります。これは、重要文化財ほどではないが残す価値のある建物などを、文部科学大臣が文化財登録原簿に登録したものです。指定と違って、持ち主が外観を変えるときも許可ではなく届出で足り、壊さずに使い続けてもらうことをねらいにしています。全国に1万件を超える建物が登録され、多くは今も店や住まいとして使われています。

登録有形文化財の図解:指定ではなく登録。使いながら残すための緩やかな仕組み。

指定ではなく登録。使いながら残すための緩やかな仕組み。

登録は文部科学大臣が文化財登録原簿に記載して行います

文部科学大臣は、重要文化財以外の有形文化財(地方公共団体が条例で指定しているものを除く)のうち、文化財としての価値に鑑み保存及び活用のための措置が特に必要とされるものを、文化財登録原簿に登録できます(57条1項)。登録しようとするときは、あらかじめ関係地方公共団体の意見を聴きます(57条2項)。指定が「重要なもの」を選ぶのに対し、登録は「残して使う手当てが要るもの」を広く拾う仕組みです。

現状変更は30日前までの届出で足り、許可は要りません

登録有形文化財の現状を変更しようとする者は、変更しようとする日の30日前までに文化庁長官に届け出ます(64条1項)。維持の措置や非常災害の応急措置、他の法令の命令に基づく措置なら届出も要りません。届出を受けた文化庁長官ができるのは、必要な指導、助言又は勧告までで、変更を禁じる力はありません(64条3項)。管理と修理は所有者が行い、所有者が判明しないときや管理が著しく困難なときは、関係地方公共団体の申出があれば文化庁長官が管理団体を指定できます(60条・63条)。

登録有形文化財の図解:外観を変えるなら30日前に届出。返ってくるのは指導・助言・勧告まで。

外観を変えるなら30日前に届出。返ってくるのは指導・助言・勧告まで。

重要文化財に指定されたときは、登録を抹消します

登録有形文化財が重要文化財に指定されたときは、文部科学大臣はその登録を抹消します(59条1項)。指定という上位の保護に移るので、登録を残す必要がなくなるからです。保存及び活用のための措置を講ずる必要がなくなった場合その他特殊の事由があるときも、文部科学大臣は登録を抹消できます(59条3項)。抹消したときは官報で告示し、所有者に通知します。

登録有形文化財の図解:重要文化財に指定されたら、登録原簿からは消す。

重要文化財に指定されたら、登録原簿からは消す。

登録有形文化財に関しその現状を変更しようとする者は、現状を変更しようとする日の三十日前までに、文部科学省令で定めるところにより、文化庁長官にその旨を届け出なければならない。ただし、維持の措置若しくは非常災害のために必要な応急措置又は他の法令の規定による現状変更を内容とする命令に基づく措置を執る場合は、この限りでない。

出典: 文化財保護法 64条1項

実務ではこう使う

登録有形文化財の建物は、カフェや宿に転用されて使われながら残っている例が多く、取引も普通に行われます。外観を変える改修は30日前の届出が要るので、購入後の改修計画には日程の余裕を見ます。鑑定評価では、登録による改修の制約と、登録の知名度による集客力の両面を個別的要因として整理します。

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