管理団体とは?文化財保護法での意味を図でわかりやすく解説
所有者が判明しないとき、又は所有者による管理が著しく困難若しくは不適当であることが明らかなときに、文化庁長官が指定して、所有者に代わり文化財の管理や修理、復旧を行わせる地方公共団体その他の法人です。つまり、持ち主が守れない文化財を、市町村などが肩代わりして守る仕組みです。
管理団体とは
持ち主が誰なのか分からなくなった古墳や、相続した人が遠くに住んでいて草も刈れない古民家を思い浮かべてください。文化財は本来所有者が管理しますが、所有者がいない、分からない、あるいは管理が著しく困難で放っておけば朽ちてしまう、という場合があります。そのとき文化庁長官が市町村などの法人を管理団体に指定し、所有者に代わって管理や修理、復旧をさせます。管理団体になった市町村が古墳の草を刈り、案内板を立て、傷んだ石垣を直しているのは、この仕組みによるものです。

持ち主が守れない文化財を、市町村などが肩代わりして守る。
指定できるのは、所有者が判明しないときと管理が著しく困難・不適当なときです
重要文化財については、所有者が判明しない場合、又は所有者若しくは管理責任者による管理が著しく困難若しくは不適当であると明らかに認められる場合に、文化庁長官が適当な地方公共団体その他の法人を指定して管理を行わせることができます(32条の2第1項)。史跡名勝天然記念物では、所有者がないか判明しない場合も加わり、管理と復旧を行わせます(113条1項)。登録有形文化財では、関係地方公共団体の申出があった場合に指定できます(60条3項)。指定の前に、指定しようとする法人の同意を得ます(重要文化財では、判明している所有者と権原に基づく占有者の同意も要ります。32条の2第2項)。所有者から取り上げるのではなく、守り手がいない穴を埋めるための指定です。
管理団体があれば、修理と復旧は管理団体が行います
重要文化財の修理は所有者が行いますが、管理団体があるときは管理団体が行います(34条の2)。登録有形文化財の修理(63条)と、史跡名勝天然記念物の管理と復旧(119条1項)も同じです。管理や復旧に要する費用は、法律に特別の定めがある場合を除いて管理団体の負担で、所有者との協議により所有者が受ける利益の限度で一部を所有者に負担させることはできます(32条の4・116条)。管理団体は、管理する史跡名勝天然記念物について観覧料を徴収できます(116条3項)。

管理団体が修理するときは、所有者と占有者の意見を聞く。同意ではない。
管理団体が修理や復旧をするときは、所有者と占有者の意見を聞きます
管理団体が修理を行う場合は、あらかじめ、その修理の方法及び時期について所有者(判明しない場合を除く)及び権原に基づく占有者の意見を聞かなければなりません(34条の3第1項)。史跡名勝天然記念物の復旧も同じです(115条3項)。求められているのは意見を聞くことで、同意を得ることではありません。所有者が守れないから管理団体が入っているのに、その所有者の同意が要るとすれば修理が進まなくなるからです。所有者や占有者は、正当な理由なく管理団体の管理や修理を拒み、妨げ、又は忌避してはなりません。
史跡名勝天然記念物につき、所有者がないか若しくは判明しない場合又は所有者若しくは…管理の責めに任ずべき者による管理が著しく困難若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、文化庁長官は、適当な地方公共団体その他の法人を指定して、当該史跡名勝天然記念物の保存のため必要な管理及び復旧…を行わせることができる。
出典: 文化財保護法 113条1項
実務ではこう使う
持ち主が分からない古墳や、相続人が管理を放棄した古民家は、市町村が管理団体になって草刈りや修理を続けています。管理団体が地方公共団体のときは、その隣接地の評価で、公園のように整備された環境を地域要因として書けます。所有者が判明した後の権利関係を評価で扱うときは、管理団体の指定の有無と費用負担の取り決めを確かめます。
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