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割引率との関係から求める方法とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

割引率をもとに、対象不動産の純収益の変動率を考慮して還元利回りを求める方法です。つまり、還元利回りは割引率から純収益の変動率を引いたものになる、という関係を使います。

割引率との関係から求める方法とは

毎年の家賃が1%ずつ上がっていくと見込める賃貸ビルがあるとします。投資家がこのビルに求める割引率が5%なら、家賃の伸びで毎年1%分は取り返せるので、今年の純収益に対して求める利回りは差し引き4%で済みます。この4%が還元利回りです。還元利回りには将来の収益の変動予測が含まれ、割引率には収益見通しに織り込んだ変動予測が含まれないので、その差を純収益の変動率で埋める、というのがこの方法の考え方です。

割引率との関係から求める方法の図解:還元利回りは、割引率から純収益の変動率を引いたもの。

還元利回りは、割引率から純収益の変動率を引いたもの。

純収益が永続的で、一定の趨勢を持つときに有効です

留意事項は、この方法が、純収益が永続的に得られる場合で、かつ純収益が一定の趨勢を有すると想定される場合に有効だと述べています。式は「毎年同じ率で増え続ける、または減り続ける」収益を前提に成り立つので、数年で途切れる収益や、上がったり下がったりする収益には当てはまりません。留意事項はこの関係を式の例として示すだけですが、一定の率で永続する収益を割引率で現在価値にして足し合わせると、この式が導けます。

割引率との関係から求める方法の図解:同じ率でずっと続く収益だから、割引率から変動率を引く式が使える。

同じ率でずっと続く収益だから、割引率から変動率を引く式が使える。

変動率がマイナスなら、還元利回りは割引率より大きくなります

還元利回りは割引率から純収益の変動率を引いた値なので、純収益が増える見込み(変動率がプラス)なら還元利回りは割引率より小さく、減る見込み(変動率がマイナス)なら還元利回りは割引率より大きくなります。近くに大型の商業施設ができて賃料の上昇が見込まれるなら、変動率はプラスに働き、還元利回りは下がります。将来の変動率を予測して率に映すので、財の価格はその将来の収益性等についての予測を反映して定まる、という総論第4章の予測の原則を活用した方法にあたります。

割引率との関係から求める方法の図解:収益が増える見込みなら還元利回りは割引率より低く、減る見込みなら高い。

収益が増える見込みなら還元利回りは割引率より低く、減る見込みなら高い。

相手は割引率であって、期待利回りではありません

基準が例示するのは割引率との関係から求める方法で、期待利回りとの関係から求める方法はありません。期待利回りは、賃料を求める積算法で基礎価格に掛ける率であり、価格を求める収益還元法の還元利回りとは役目が違います。還元利回りと割引率は、どちらも不動産の収益性を表し収益価格を求めるために用いる率で、基準が挙げる基本的な違いは含む変動予測の範囲です。だからこそ、その差を変動率で結ぶ式が成り立ちます。

この方法は、割引率をもとに対象不動産の純収益の変動率を考慮して求めるものである。

出典: 総論第7章 第1節

実務ではこう使う

投資家調査で公表される割引率と、賃料の長期的な上昇率や下落率の見通しがあれば、その差として還元利回りを検算できます。実務では、取引利回りから求めた還元利回りの妥当性を、この関係式で裏付けることがよくあります。純収益の変動率は、周辺の賃料の推移と将来の開発計画を調べて、評価書に根拠とともに書きます。

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