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造成宅地防災区域とは?宅地造成及び特定盛土等規制法での意味を図でわかりやすく解説

宅地造成又は宅地において行う特定盛土等に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域で、政令で定める基準に該当するものとして知事が指定する区域です。つまり、すでにできあがった住宅団地のうち、盛土がまとめて滑り出す心配のあるものを直させるための範囲です。

造成宅地防災区域とは

谷を埋めて造った古い住宅団地では、地震のときに埋めた土がまとまって滑り、家が傾いたり擁壁が沈んだりすることがあります。一軒ずつの問題ではなく団地全体の盛土が動くので、住民の多くに危険が及びます。宅地造成等工事規制区域がこれから行う工事を許可制にするのに対し、造成宅地防災区域は過去の造成の結果を直させるために、知事がすでにある一団の造成宅地を指定します。指定は基本方針に基づき、基礎調査の結果を踏まえて行います(45条1項)。

造成宅地防災区域の図解:谷を埋めた盛土が団地ごと滑るから、できあがった団地を指定して直させる。

谷を埋めた盛土が団地ごと滑るから、できあがった団地を指定して直させる。

指定できるのは工事規制区域の外にある一団の造成宅地です

45条1項は、宅地造成又は宅地で行う特定盛土等に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域で、政令の基準に該当するものを指定できると定め、括弧書きで宅地造成等工事規制区域内の土地を除いています。条文に理由は書いていませんが、工事規制区域の中なら土地の保全の努力義務や改善命令がすでに働くので、その外にある造成地を拾うための区域と考えられます。同じく、要件が「市街地・集落」ではなく「一団の造成宅地」で書かれているのは、団地全体の盛土がまとめて動く災害を想定しているからと考えられます。

基準は、計算で滑ると分かる盛土か、変状が出ている造成地です

施行令35条は二つを挙げています。一つは、盛土の面積が3,000平方メートル以上で地下水が盛土の内部に入っているもの、又は元の地盤が20度以上の斜面で盛土の高さが5メートル以上のもので、安定計算により地震力と自重による滑り出す力が滑り面の抵抗力を上回ることが確かめられた区域です。もう一つは、地盤の滑動、擁壁の沈下、崖の崩落などがすでに生じている区域です。前者は計算で危険を予測し、後者は現に出ている症状で判断します。

造成宅地防災区域の図解:計算で滑ると分かった盛土か、すでに沈みや亀裂が出ている造成地。

計算で滑ると分かった盛土か、すでに沈みや亀裂が出ている造成地。

指定の事由がなくなったら解除し、手続は指定と同じです

知事は、擁壁等の設置や改造などの措置が講じられて指定の事由がなくなったと認めるときは、区域の全部又は一部について指定を解除するものとします(45条2項)。工事規制区域に解除の規定が無いのに対し、こちらは危険を直させることが目的なので、直ったら外す作りです。指定と解除には10条2項から6項までが準用され、関係市町村長の意見を聴き、公示と通知をし、公示で効力が生じます(45条3項)。

造成宅地防災区域の図解:擁壁を直して危険がなくなったから、指定を解除する。

擁壁を直して危険がなくなったから、指定を解除する。

所有者等に努力義務、知事に勧告・改善命令・報告徴取があります

区域内の造成宅地の所有者・管理者・占有者は、擁壁等の設置や改造その他必要な措置を講ずるよう努めなければなりません(46条1項)。知事は必要な措置を勧告でき(46条2項)、擁壁等が無いか極めて不完全で放置すると災害のおそれが大きい造成宅地には、所有者・管理者・占有者に相当の猶予期限を付けて工事を命ずることができます(47条1項)。報告の徴取も所有者・管理者・占有者に対してできます(48条で25条を準用)。他人の不完全な工事が原因と明らかなら、所有者等に異議がないときに限り、その行為者に工事を命ずることもできます(47条2項)。

都道府県知事は、基本方針に基づき、かつ、基礎調査の結果を踏まえ、この法律の目的を達成するために必要があると認めるときは、宅地造成又は特定盛土等(宅地において行うものに限る。…)に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地(これに附帯する道路その他の土地を含み、宅地造成等工事規制区域内の土地を除く。)の区域であつて政令で定める基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。

出典: 宅地造成及び特定盛土等規制法 45条1項

実務ではこう使う

造成宅地防災区域の指定は地滑りの危険を公的に認めたものなので、区域内の宅地は市場で敬遠され、地域要因として減価を検討します。役所調査で指定の有無を確かめ、擁壁の改造などで解除された経緯があれば評価書にその事実を書きます。

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