宅地造成等工事規制区域とは?宅地造成及び特定盛土等規制法での意味を図でわかりやすく解説
宅地造成等に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地若しくは市街地となろうとする土地の区域又は集落の区域で、工事について規制を行う必要があるものとして知事が指定する区域です。つまり、人が住む場所とその周りで、これから行う盛土や切土を許可制にする範囲です。
宅地造成等工事規制区域とは
盛土や切土の許可制は、日本中どこでも働くわけではありません。崩れたときに人の住まいに被害が出る場所を知事があらかじめ線で囲んでおき、その中でだけ許可制を働かせます。この囲いが宅地造成等工事規制区域で、この囲いにも次に述べる特定盛土等規制区域にも入らない土地では、許可も届出も要りません。この法律の区域は三つあり、市街地側のこの区域、その外の山側に指定する特定盛土等規制区域、できあがった造成地を直させる造成宅地防災区域です。指定するのは知事で、指定都市と中核市の区域ではその長が知事の役を務めます(5条1項)。

住まいの近くで盛土が崩れたら命に関わるから、市街地と集落を囲んで許可制にする。
人が住む市街地や集落を、その周りを含めて指定します
10条1項は、基本方針に基づき、基礎調査の結果を踏まえ、宅地造成等に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地若しくは市街地となろうとする土地の区域又は集落の区域で、工事について規制を行う必要があるものを指定できると定めています。これらに隣接し又は近接する土地の区域も含めて指定できます。守る相手が住まいなので、要件は「人が住んでいる、これから住む」場所で書かれています。これに対して造成宅地防災区域は、この区域の外にある一団の造成宅地を対象にします(45条1項)。
指定は市町村長の意見を聴いて公示し、公示で効力が生じます
知事は指定しようとするときに関係市町村長の意見を聴かなければならず(10条2項)、指定するときは区域を公示するとともに関係市町村長に通知します(10条4項)。指定は公示によって効力を生じ(10条6項)、法律の目的を達成するため必要な最小限度のものでなければなりません(10条3項)。市町村長は、指定が必要と認めるときに知事へ申し出ることができます(10条5項)。条文に理由は書いていませんが、区域は土地の所有者の自由を制限するので、範囲を公示で示し、必要最小限に絞ると考えられます。

公示した日から効力が生じるから、掲示して初めて区域になる。
区域内の工事は許可制で、指定時の工事は21日以内に届け出ます
区域内で宅地造成・特定盛土等・土石の堆積の工事をする工事主は、着手前に知事の許可を受けます(12条1項)。指定の際にすでに工事中だった工事主は、指定があった日から21日以内に届け出ます(21条1項)。区域内の土地の所有者・管理者・占有者には、指定前の宅地造成等も含めて土地を常時安全な状態に維持する努力義務があり(22条1項)、知事は必要なら勧告や改善命令を出せます(22条2項・23条)。
区域には解除の規定が無く、擁壁を造っても指定は続きます
造成宅地防災区域には指定の事由がなくなったときに解除する規定があります(45条2項)が、宅地造成等工事規制区域にはありません。この区域は、これから行われる工事を見張るための囲いです。区域内の一つの宅地に擁壁ができても次の工事の危険は消えないので、指定は続き、新たな工事にはやはり許可が要ります。
都道府県知事は、基本方針に基づき、かつ、基礎調査の結果を踏まえ、宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積(…「宅地造成等」という。)に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地若しくは市街地となろうとする土地の区域又は集落の区域(…)であつて、宅地造成等に関する工事について規制を行う必要があるものを、宅地造成等工事規制区域として指定することができる。
出典: 宅地造成及び特定盛土等規制法 10条1項
実務ではこう使う
造成地や斜面地の評価では、役所で宅地造成等工事規制区域の内外を確かめ、区域内なら過去の造成工事の許可と検査済証の有無を調べます。区域の指定は公示されているので、県のホームページや窓口の図面で範囲を確認できます。
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