土地の立入りとは?地価公示法での意味を図でわかりやすく解説
土地鑑定委員会の委員、委員会の命を受けた者、委任を受けた者が、標準地の鑑定評価や価格の判定、標準地の選定のために必要があるとき、その必要の限度において他人の占有する土地に立ち入って測量や調査を行うことです(22条)。つまり、地価公示の調査のために法律が特別に認めた、他人の敷地に入る権限です。
土地の立入りとは
標準地の価格を正しく判定するには、境界や形、地盤の様子を現地で確かめる必要があり、ときには他人の敷地の中に入らなければなりません。ふだんの鑑定評価では所有者の了解をもらって入りますが、地価公示は公の制度なので、法律が立入りの権限を与えています。ただし、他人の暮らしの場に入るので、3日前までに知らせる、囲いのある土地では入る際にもう一度告げる、夜は承諾がなければ入らない、という手順が決められています。占有者のほうは、正当な理由がない限り断れません。

公の調査だから立ち入れるが、3日前に知らせて、身分を示してから入る。
必要の限度で立ち入れ、占有者は正当な理由なく拒めません
22条1項は、委員又は委員会の命を受けた者若しくは委任を受けた者が、鑑定評価や価格の判定、標準地の選定のために他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において立ち入ることができる、と定めています。委員会から標準地の鑑定評価を求められた不動産鑑定士も、この立入りができます。5項は、土地の占有者は正当な理由がない限り立入りを拒み、又は妨げてはならない、とし、拒んだり妨げたりすると50万円以下の罰金です(28条)。立ち入る者は身分を示す証明書を携帯し、関係人から求められれば提示します(6項)。立入りで損失を与えたときは、国土交通大臣が通常生ずべき損失を補償します(23条1項)。
どの土地でも、立ち入る日の3日前までに通知します
22条2項は、他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、立ち入ろうとする日の3日前までに、その旨を土地の占有者に通知しなければならない、と定めています。要るのは通知で、承諾ではありません。占有者に予定を知らせて備えてもらうための手順であって、占有者の許しを得る手順ではないからです。囲いのない空き地でも、この通知は要ります。
囲まれた土地には、立入りの際にあらかじめ告げます
22条3項は、建築物が所在し、又はかき、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとするときは、立入りの際、あらかじめその旨を土地の占有者に告げなければならない、と定めています。3日前の通知に加えて、入るその場でもう一度声をかける二段構えです。家が建っていたり囲いがあったりする土地は、人の暮らしの場である度合いが強いので、突然入られない配慮を一段厚くしています。

囲いの中は暮らしの場だから、通知に加えて入る際にもう一度告げる。
日出前と日没後は、囲まれた土地に承諾なしでは入れません
22条4項は、日出前又は日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、建築物のある土地やかき、さく等で囲まれた土地に立ち入ってはならない、と定めています。立入りの手続の中で占有者の承諾が要るのは、この場面だけです。夜間に他人の敷地に人が入れば、住む人の不安が大きいからです。逆に、承諾があれば日没後でも立ち入れます。

夜に敷地へ入られる不安が大きいから、日没後は占有者の承諾があるときだけ。
委員又は委員会の命を受けた者若しくは委任を受けた者は、第二条第一項の規定による鑑定評価若しくは価格の判定又は第三条の規定による標準地の選定を行なうために他人の占有する土地に立ち入つて測量又は調査を行なう必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に立ち入ることができる。
出典: 地価公示法 22条1項
実務ではこう使う
標準地の鑑定評価を委嘱された鑑定士は、毎年秋から冬にかけて現地を調査し、標準地の利用状況や前面道路、供給施設の整備状況を確かめます。敷地の中に入る必要があるときは、この22条の手順で通知してから入ります。ふだんの鑑定評価の実地調査には立入権が無く、依頼者や所有者の了解を得て入るので、地価公示の立入りは法律が特別に認めた権限です。
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