土地の立入りとは?土地区画整理法での意味を図でわかりやすく解説
土地区画整理事業の施行の準備又は施行のために、他人の占有する土地に立ち入って測量し、又は調査する必要がある場合に、その必要の限度で立ち入ることができる権限です。つまり、事業の設計に要る測量や調査のために、他人の土地に入ることを法律が認める仕組みです。
土地の立入りとは
区画整理は、地区の土地を全部測り、今の道路や建物、境界を図面にしなければ設計が始まりません。ところが測る土地は他人の敷地で、庭や畑に勝手に入れば不法侵入になります。そこで法律は、事業の準備や施行のために必要な限度で、他人の占有する土地に立ち入ることを認めています。国、都道府県、市町村、機構等は自らの判断で立ち入れますが、組合や個人施行者などの民間の施行者と、これから施行しようとする者は、市町村長の認可を受けたときに立ち入れます。立入りで損失を与えたときは補償します。

設計に要る測量だから、必要な限度で他人の土地に入れる。
民間の施行者と設立前の者は、市町村長の認可で立ち入れます
立ち入る側は二つに分かれます。国土交通大臣、都道府県知事、市町村長、機構理事長等は、自ら立ち入り、又は命じた者や委任した者に立ち入らせることができます。施行しようとする者、個人施行者、組合を設立しようとする者、組合、区画整理会社などは、その土地の属する区域を管轄する市町村長の認可を受けた場合に立ち入れます。準備の段階から測量が要るので、まだ設立の認可を受けていない組合の準備中の者にも認められています。認可を出すのは知事ではなく、その土地を管轄する市町村長です。役所は公の責任で動くので自らの判断でよく、民間は他人の土地に入る前に役所の認可を受ける、という分け方です。

役所は自らの判断で、民間は市町村長の認可を受けて立ち入る。
立入りの前に通知し、日の出前と日没後は入れません
準備のためでも施行のためでも、立ち入る手続は同じです。立ち入ろうとする日の3日前までに、土地の占有者に通知します(公的な施行者は、通知が著しく困難なら公告で代えられます)。建築物のある土地や、かき・さくで囲まれた土地に入るときは、立入りの際にあらかじめ占有者に告げます。日の出前と日没後は、占有者の承諾がなければそうした土地に立ち入れません。占有者は正当な理由がない限り立入りを拒めず、立ち入る側は身分を示す証票や市町村長の認可証を携帯して、求められれば見せます。
損失は補償し、協議が不成立なら収用委員会が裁決します
立入りや、測量の障害となる植物・かき・さくの伐除で他人に損失を与えた場合は、通常生ずべき損失を補償しなければなりません。補償の額は、損失を与えた者と受けた者が協議して決めます。協議が成立しないときは、どちらの側からも、収用委員会に土地収用法の裁決を申請できます。損失を与えた側の施行者が自分で額を決めるのではなく、第三者である収用委員会が判断する仕組みです。立ち入った側には、損失の程度を証する資料を作っておく義務もあります。

補償の額は協議で、まとまらなければ収用委員会へ。
設立認可の前でも、登記所の簿書を無償で閲覧できます
測量や権利の調査には、登記簿などの記録も要ります。公的な施行者と、市町村長の認可で立ち入れる者は、施行の準備又は施行のため必要があるときは、登記所やその他の官公署の長に対し、無償で簿書の閲覧・謄写や、謄本・抄本・登記事項証明書の交付を求めることができます。組合を設立しようとする者も含まれるので、設立の認可を受ける前の準備の段階から使えます。
国土交通大臣、都道府県知事、市町村長又は…機構理事長等…は、…土地区画整理事業の施行の準備又は施行のために他人の占有する土地に立ち入つて測量し、又は調査する必要がある場合においては、その必要の限度において、他人の占有する土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。…土地区画整理事業を施行しようとする者、個人施行者、組合を設立しようとする者、組合、…又は区画整理会社についても、その者が当該土地の属する区域を管轄する市町村長の認可を受けた場合においては、同様とする。
出典: 土地区画整理法 72条1項
実務ではこう使う
施行者の測量は区画整理の準備の段階で行われ、その成果が従前の宅地の地積と権利関係の確定に使われます。登記簿の地積と施行者が測った実測の地積が違うことがあるので、従前地の地積を確かめるときは、換地計画で採用された地積を確認します。
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