賃料の算定の期間とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
鑑定評価によって求める賃料が、どれだけの期間に対する対価かを区切る単位です。原則として、宅地並びに建物及びその敷地の賃料は1月を単位とし、その他の土地の賃料は1年を単位とします。
賃料の算定の期間とは
「家賃は月8万円」「畑の借り賃は年3万円」のように、賃料は「いくらの期間で」が付いて初めて意味を持ちます。売買の価格は一度きりの対価ですが、賃料はその不動産を一定の期間だけ使わせてもらう対価なので、期間を区切らないと額が決まりません。基準はこの単位を、家賃や地代のような宅地並びに建物及びその敷地の賃料は1月、農地や林地のようなその他の土地の賃料は1年と定めています。鑑定評価で「賃料はいくらか」と答えるときは、必ずこの単位で答えます。

家賃と地代は1月、畑や山林の賃料は1年で答える。
賃料は期間の対価なので、単位を先に決めます
不動産の価格は所有権を手に入れる一度きりの対価ですが、賃料は、その不動産を一定の期間使用収益させてもらう対価です。使う期間が一月なのか一年なのかで対価の額は当然変わるので、賃料を求める前に、どれだけの期間に対する対価として答えるのかを決めておく必要があります。基準が「鑑定評価によって求める賃料の算定の期間」を定めているのはそのためで、実質賃料の定義も「賃料の算定の期間に対応する」対価と書かれています。賃料の価格時点は、賃料の算定の期間の収益性を反映するものとして、その期間の期首になります。
宅地並びに建物及びその敷地は1月、その他の土地は1年です
基準は、原則として、宅地並びに建物及びその敷地の賃料にあっては1月を単位とし、その他の土地にあっては1年を単位とすると定めています。建物の家賃だけでなく、宅地の地代も1月の側です。1年の側に入るのは農地や林地など宅地以外の土地です。基準は理由を書いていませんが、家賃や地代は月払いの契約が普通で、農地や林地は年に一度の収穫に合わせて年払いの契約が普通なので、契約の慣行に合わせた単位と考えられます。「原則として」とあるので、依頼の目的や契約の実態に応じて別の単位で求める余地を残した定めと読めます。
一時金の分も、算定の期間に対応する額に直します
実質賃料は、賃料の算定の期間に対応する適正なすべての経済的対価です。礼金の償却額や敷金の運用益は年単位で計算されることが多いので、家賃を1月単位で求めるときは、それらも12で割って1月分に直してから足します。単位がそろっていないと、月々の家賃に年額の運用益を足すような誤りが起きるからです。賃貸事例比較法で契約内容の類似性を判断するときも、留意事項は「賃料の算定の期間及びその支払方法」を例示しており、単位の違う事例は同じ単位に直してから比べます。

年額の礼金償却額は、12で割って月額にそろえてから足す。
鑑定評価によって求める賃料の算定の期間は、原則として、宅地並びに建物及びその敷地の賃料にあっては1月を単位とし、その他の土地にあっては1年を単位とするものとする。
出典: 総論第7章 第2節
実務ではこう使う
家賃や地代の評価書では、鑑定評価額を月額で示し、年額で計算した礼金の償却額や敷金の運用益は12で割って月額に直してから実質賃料に足します。農地の小作料のような宅地以外の土地の賃料は年額で示します。依頼者が年額での回答を求める場合は、その旨を条件として書き、月額との対応が分かるようにします。
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