同一需給圏内の類似地域等とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
近隣地域、同一需給圏内の類似地域、そして必要やむを得ない場合の近隣地域の周辺の地域をまとめた基準の呼び名です。つまり、取引事例等をどこにある不動産から採ってよいかを定めた、場所の枠です。
同一需給圏内の類似地域等とは
家の値段を調べるとき、まず同じ町内の取引を見て、無ければ、少し離れていても似た雰囲気の町を見ますよね。鑑定評価も同じで、取引事例等は原則として対象不動産のある近隣地域か、同一需給圏の中で近隣地域と地域要因が似ている類似地域から採ります。それだけでは適切に評価できない必要やむを得ない場合に限って、近隣地域の周辺の地域まで広げます。基準はこの三つの場所をまとめて同一需給圏内の類似地域等と呼びます。事例がどこにあるかで、あとで行う要因比較の中身も変わります。

事例カードを所在地で仕分ける。周辺の地域のトレーは必要やむを得ない場合だけ。
周辺の地域は、必要やむを得ない場合の例外です
基準は理由を書いていませんが、原則の場所が近隣地域と同一需給圏内の類似地域なのは、対象不動産と地域要因を共通にするか、よく似た地域だからだと考えられます。近隣地域の周辺の地域は、隣り合ってはいても地域要因が同じとは限らないので、原則の場所の事例だけでは評価できないときに限って使う、という順番です。留意事項は必要やむを得ない場合を、近隣地域や類似地域で集めた事例の大部分が特殊な事情の影響を著しく受けているなど、それらの事例のみでは鑑定評価を適切に行えない場合と説明しています。
周辺の地域の事例が、使えないわけではありません
例外とはいえ、必要やむを得ない場合に当たれば、周辺の地域の事例は基準が認めた正規の採り方です。使うときは、その地域と近隣地域との地域要因の差を比べて、対象不動産の価格に直します。投機的取引など適正さを欠く事例を使えないという決まりは、場所に関係なく同じです。

原則の場所の事例の大部分が特殊な事情なら、周辺の地域の引き出しを開ける。
近隣地域の事例なら、個別的要因の比較だけで足ります
事例の価格には、その不動産のある地域の地域要因と、その不動産の個別的要因の両方が入っています。事例が同一需給圏内の類似地域等にあるか代替競争不動産なら、近隣地域とその地域との地域要因の比較と、対象不動産と事例との個別的要因の比較の両方を行います。事例が近隣地域にあれば、地域要因は対象不動産と共通なので、個別的要因の比較だけを行います。

同じ通りの事例なら街の差は無い。個別的要因の比較だけで対象の価格に直す。
近隣地域又は同一需給圏内の類似地域若しくは必要やむを得ない場合には近隣地域の周辺の地域(以下「同一需給圏内の類似地域等」という。)に存する不動産
出典: 総論第7章 第1節
実務ではこう使う
現地では、まず対象地の近隣地域の範囲を線引きし、その中の事例を優先して集めます。足りなければ同じ需給圏の中で似た性格の地域を探し、それでも適切に評価できないときに周辺の地域まで広げる、という順番で評価書に選択の理由を書きます。周辺の地域の事例を使ったときは、なぜ必要やむを得ない場合に当たるのかも記します。
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