監督処分とは?不動産の鑑定評価に関する法律での意味を図でわかりやすく解説
国土交通大臣又は都道府県知事が、その登録を受けた不動産鑑定業者に対して行う、戒告・1年以内の業務の全部若しくは一部の停止・登録の消除の三つの処分です。つまり、業者の登録をした役所が、事業者としての業者に加える制裁で、鑑定士個人への懲戒処分とは別です。
監督処分とは
鑑定業者が事業実績の書類を出さなかったり、所属の鑑定士が不当な評価をして懲戒処分を受けたりしたとき、業者の側にも責任を問う仕組みがあります。業者の登録は、事務所が一つの都道府県だけなら知事、二つ以上の都道府県にまたがれば国土交通大臣がしています。処分はその登録をした大臣か知事が行い、軽い順に戒告、1年以内の業務の停止、登録の消除です。鑑定士への懲戒処分が「業務の禁止」と呼ぶところを、業者への監督処分は「業務の停止」と呼び分けます。

登録をした役所が、業者に戒告・停止・消除の処分をする。
処分するのは、その業者の登録をした大臣か知事です
41条の相手は「その登録を受けた不動産鑑定業者」です。登録簿を持ち、事務所や所属鑑定士を把握しているのは登録をした側なので、大臣登録の業者は大臣が、知事登録の業者はその知事が処分します。理由は二つで、この法律や大臣・知事の処分に違反したとき(1号)と、業務に従事する鑑定士が懲戒処分を受け、業者の責めに帰すべき理由があるとき(2号)です。事業実績の書面を出さないといった届出の怠りも、1号の違反にあたります。
業務の停止には聴聞が要り、土地鑑定委員会の意見は要りません
業務の停止を命じようとするときは、行政手続法の手続の区分にかかわらず聴聞を行います(43条1項)。登録の消除も、登録を取り消す処分なので行政手続法により聴聞です。戒告にはこの聴聞の定めはありません。一方、土地鑑定委員会の意見をきくと定めた43条4項は鑑定士への懲戒処分(40条)だけを対象にしていて、業者への処分には委員会は関わりません。委員会が確かめるのは「その鑑定評価が不当だったか」という専門的な中身で、業者の法令違反や管理責任は行政が自分で判断できるからです。
不当な鑑定評価等は、何人も大臣か登録先の知事に報告できます
鑑定士が不当な鑑定評価等を行ったと疑うに足りる事実があるときは、誰でも、国土交通大臣か、その鑑定士が従事する業者の登録をした都道府県知事に、資料を添えて報告し、適当な措置を求めることができます(42条)。処分の権限を持つのが登録先なので、報告の宛先も鑑定士の住所地ではなく業者の登録先です。条文が定めるのは資料を添えた報告と措置の要求までですが、この報告をきっかけに、報告徴収や立入検査、監督処分に進むことがあります。

誰でも、資料を添えて大臣か登録先の知事に報告できる。
処分は戒告から登録の消除まで、すべて公告されます
大臣や知事が監督処分をしたときは、政令の定めに従ってその旨を公告します(44条)。依頼者が業者を選ぶときの判断材料になるので、業務の停止でも登録の消除でも同じように公告されます。
国土交通大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた不動産鑑定業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その不動産鑑定業者に対し、戒告を与え、一年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその登録を消除することができる。一 この法律又はこの法律に基づく国土交通大臣若しくは都道府県知事の処分に違反したとき。二 不動産鑑定業者の業務に従事する不動産鑑定士が、前条の規定による処分を受けた場合において、その不動産鑑定業者の責めに帰すべき理由があるとき。
出典: 不動産の鑑定評価に関する法律 41条1項
実務ではこう使う
依頼者や第三者からの42条の報告が端緒となり、報告徴収や立入検査を経て監督処分に至ることがあります。業務の停止も公告されるので、業者は所属鑑定士の評価書を内部で審査する体制を整えます。事業実績の提出などの届出を怠ることも1号の違反になるので、期限管理も監督処分への備えです。
関連用語
短答式対策
肢別トレーニングで行政法規を攻略
過去問をベースにした一問一答形式のトレーニング。 行政法規の頻出論点を効率的に学べます。
年額プランなら1日わずか27円