公園事業とは?自然公園法での意味を図でわかりやすく解説
公園計画に基づいて執行する事業で、国立公園又は国定公園の保護又は利用のための施設で政令で定めるものに関するものです。つまり、公園の道路や山小屋、キャンプ場などの施設を、計画どおりに作り運営する仕事です。
公園事業とは
国立公園の山道が整備され、山頂近くに山小屋があり、麓にキャンプ場や駐車場があるのは、誰かがそれを計画して作り、運営しているからです。この施設の整備と運営が公園事業です(2条6号)。対象の施設は施行令1条が定め、道路と橋、宿舎と避難小屋、休憩所、野営場やスキー場、駐車場、公衆便所などです。国立公園事業は国が執行しますが、市町村などの公共団体は環境大臣に協議して、民間の会社は環境大臣の認可を受けて、その一部を執行できます(10条)。山小屋やロープウェイを民間の会社が経営しているのは、この認可を受けた公園事業者としてです。

公園計画に描いた施設だけを、公園事業として作り運営する。
公園計画で大枠を決め、公園事業として個々の施設を決めます
公園計画は、国立公園又は国定公園の保護又は利用のための規制又は事業に関する計画で、環境大臣が決めます(2条5号・7条)。公園事業はその計画に基づいて執行する事業で、どの施設をどこに整備するかを、国立公園では環境大臣が審議会の意見を聴いて、国定公園では都道府県知事が決定します(9条1項・2項)。計画にない施設を公園事業として整備することはできません。特別地域や普通地域で許可や届出が要る行為も、公園事業の執行として行うときは規制の対象から外れます(20条9項・33条7項)。
公共団体は協議、国及び公共団体以外の者は認可で執行します
10条1項は国立公園事業を国が執行すると定め、地方公共団体などの公共団体は環境大臣に協議して、国及び公共団体以外の者は環境大臣の認可を受けて、その一部を執行できます(10条2項・3項)。認可には保護又は利用のために必要な限度で条件を付けられ(10条10項)、環境大臣は改善命令や報告徴収・立入検査で執行を監督します(11条・17条)。公園施設の種類・位置・規模や管理又は経営の方法を変えるときも、公共団体は協議、それ以外の者は認可と、始めるときと同じ手続をとります(10条6項)。環境省令で定める軽微な変更だけは、事後に遅滞なく届け出れば足ります(10条9項)。国定公園事業は都道府県が執行し、環境大臣を都道府県知事に読み替えます(16条)。

公共団体は協議、民間は認可。始めるときも変えるときも同じ。
譲渡はあらかじめ承認、相続は死亡後60日以内に申請します
認可を受けた国立公園事業者がその事業の全部を譲渡するときは、譲渡人と譲受人があらかじめ環境大臣の承認を受けると、譲受人が事業者の地位を承継します(12条1項)。事業者が死亡した場合は、相続人が被相続人の死亡後60日以内に環境大臣に申請して承認を受けなければなりません(12条3項)。申請をすれば、承認か不承認の通知があるまでは、被相続人への認可が相続人に対してされたものとみなされ、山小屋の営業を止めずに済みます(12条4項)。条文に理由は書いていませんが、相続は起きる時を選べないので、譲渡のように事前の承認を求めることができないためと考えられます。

譲渡はあらかじめ承認、相続は死亡後60日以内に申請して承認。
費用は執行する者の負担で、廃止の後も責任が残ります
55条は、公園事業の執行に要する費用はその事業を執行する者の負担とすると定めています。国は公園事業を執行する都道府県に費用の一部を補助でき(56条)、事業で著しく利益を受ける者や、事業を必要にした原因者に負担させることもできます(58条・59条)。認可を受けた者が事業を廃止した場合や認可が失効・取消しになった場合、環境大臣は公園の保護のために必要があれば、相当の期限を定めて原状回復を命じることができます(15条1項)。休止や廃止をしようとするときは、あらかじめ届け出ます(13条)。
公園事業 公園計画に基づいて執行する事業であつて、国立公園又は国定公園の保護又は利用のための施設で政令で定めるものに関するものをいう。
出典: 自然公園法 2条1項6号
実務ではこう使う
公園内の宿泊施設や索道の評価では、施設が公園事業の認可を受けたものかどうかで、営業の継続性と譲渡の可否が変わります。認可事業の譲渡には環境大臣や知事の承認が要るので、売買を前提とする評価では承認の見込みも確認します。評価書の権利関係の項目に、公園事業の執行者としての地位を記載します。
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