国立公園とは?自然公園法での意味を図でわかりやすく解説
我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地で、環境大臣が区域を定めて指定する自然公園です。つまり、日本を代表する景色を国が選び、国が守り育てる公園です。
国立公園とは
日光、富士箱根伊豆、阿蘇くじゅう。名前を聞くだけで景色が浮かぶ場所は、たいてい国立公園です。県境をまたぐ大きな山や湖が多く、一つの県では守りきれないので、国が区域を決めて保護し、道路や山小屋の整備も国が行います。自然公園法は、優れた自然の風景地を保護し、その利用を増進して、国民の保健・休養・教化に役立て、生物の多様性の確保にも寄与することを目的にしています(1条)。国立公園は、この目的を国が直接担う、自然公園の中で最上位に置かれる公園です。

県境をまたぐ景色を、県と審議会の意見を聴いたうえで環境大臣が線を引く。
指定は環境大臣が、関係都道府県と審議会の意見を聴いて行います
5条1項は、国立公園は環境大臣が、関係都道府県及び中央環境審議会の意見を聴き、区域を定めて指定すると定めています。条文に理由は書いていませんが、区域の中には県道や集落があり、そこで暮らす人を預かるのは都道府県なので、その声と専門家の集まりである審議会の声を聴いてから決める仕組みだと読めます。指定は、その旨と区域を官報で公示することによって効力を生じます(5条3項・4項)。
区域の変更や解除でも、意見を聴くことは義務です
6条1項は、環境大臣が国立公園の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、関係都道府県及び審議会の意見を聴かなければならないと定めています。「努める」という努力の書き方ではなく、聴くこと自体が義務です。線を引くときに聴いた相手が、線を動かすときにも同じだけ関わる、という考え方だと読めます。公園計画を決めるときも、その廃止や変更のときも、同じ相手の意見を聴きます(7条1項・8条1項)。
公園事業の決定で意見を聴く相手は、審議会だけです
公園計画は、公園の保護や利用のための規制と事業の大枠を定める計画で、環境大臣が関係都道府県と審議会の意見を聴いて決めます(2条5号・7条1項)。公園事業は、その計画に基づいて道路や宿舎などの施設を整備する個別の事業で、環境大臣が審議会の意見を聴いて決めます(9条1項)。ここでは関係都道府県の意見は要件になっておらず、審議会が軽微と認める事項なら審議会の意見も要りません。大枠を決めるときは地元も専門家も、個別の施設を決めるときは専門家だけ、という段階の違いです。

大枠の公園計画は地元と専門家に、個別の公園事業は専門家に聴く。
自然公園は三種類あり、互いの区域は重なりません
2条1号は、自然公園を国立公園、国定公園及び都道府県立自然公園の三つと定めています。国立公園と国定公園は環境大臣が指定し、都道府県立自然公園は都道府県が条例で指定します(5条・72条)。三つは上下の入れ子ではなく横並びで、81条は国立公園・国定公園の区域は都道府県立自然公園の区域に含まれないと定めています。自然環境保全法の原生自然環境保全地域も、国立公園・国定公園の区域には含まれません(71条)。

三つの自然公園は横並びで、区域は重ならない。
国立公園は、環境大臣が、関係都道府県及び中央環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴き、区域を定めて指定する。
出典: 自然公園法 5条1項
実務ではこう使う
国立公園の区域内の土地は、特別地域か普通地域かで建てられる物も手続もまったく違うので、環境省の区域図で区分を確かめてから地域分析に入ります。別荘や温泉旅館の評価では、その施設が公園事業の認可を受けたものかどうかも権利関係の確認事項です。評価書の行政的条件の欄に、自然公園法の地域区分と行為の制限を書きます。
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